葬式に花輪を送るには?手配の方法や値段、名前の書き方を詳しく解説

仮に会社の取引先の方が亡くなって「葬儀に花輪を出して」という指示を受けたとしたら、滞りなく手配できるでしょうか?そもそ葬式に出す花輪がどういうものか、わからない方も少なくないかもしれません。

花輪は、故人へのお供え物の1つで、葬儀会場の外に飾る花です。故人への追悼の意を込めて企業や団体などが送るのが一般的です。

今回の記事では、葬式に花輪を送る際の手配の方法や値段などを詳しく解説します。送られた場合の対処についても詳述しますから、花輪に対する疑問をお持ちの方は必読です。

1分でわかる!記事の内容
  • 花輪は故人へのお供え物として、追悼の意を込めて葬儀会場の外に飾る
  • 遺族の意向や会場の制約で花輪を辞退しているケースもあるため、喪主や葬儀社への事前の確認が必須
  • 花屋や花輪の専門業者などでも手配できるものの、地域のしきたりや会場の制約に詳しい葬儀会社へ依頼するのがおすすめ

葬式の花輪とは?

花輪とは葬儀会場の周辺に飾られている、大きな円状の花飾りのことです。故人へ追悼の意を示すお供え物の1つで、故人とゆかりのある企業や団体などが送るケースがよくみられます。

まずは花輪とは何か、どのような場面で送るものなのかをみていきましょう。

葬式に供える花の1つ

花輪は葬式に供える花の1つです。円状に作られた花飾りの下に脚が付いた形で、脚の部分に贈り主の名前を記載するのが一般的です。

小さいものでも1メートル以上の大きさがあるため、式場の周辺に飾ることで、会場の目印としての役割も果たしています。

葬式では、故人を悼むお供え物として、さらに会場を彩るために、花輪のほかにも「供花(くげ・きょうか)」などの形で花が用いられます。実は花輪も広義の供花の1種です。

このほかにも、葬儀の前から故人の枕元に飾る「枕花(まくらばな)」、キリスト教式の葬儀などで参列者1人1人が花を供える「献花(けんか)」など、葬式ではさまざまな形で花が用いられます。

このうち花輪と供花、枕花が、弔意を形として示す意味を持つものといえるでしょう。

供花と花輪の違い

供花といえば、祭壇の左右に飾る花をイメージする方が多いでしょう。

花輪も供花の1つと述べましたが、一般的に供花と呼ばれるのは、式場内に飾られる花のことで、花かごやフラワースタンドなどが多くみられます。

祭壇を飾る花が供花、会場の周りを飾る花が花輪と考えればわかりやすいでしょう。

また、会場内に飾る供花には生花が用いられますが、花輪には造花が使われるという違いもあります。キリスト教式の葬儀では生花だけを用いるとされているため、一般的に花輪は送りません。

花輪は主に団体が送る

供花も花輪も送る方に制約はありませんが、供花は個人から、花輪は企業や団体などから送られることが多いという特徴があります。

故人の勤務先などが代表的な例ですが、「子ども一同」「親族一同」など、複数人が共同で送るケースも少なくありません。

いずれも弔意を示す目的で一般的に行われるほか、「葬儀に参列できない代わりに花輪を送る」という形でもよく使われます。

供花や花輪が誰でも送れるものである一方で、枕花には注意が必要です。

枕花は故人ととりわけ関係の深かった方が送るものとされており、一般参列者や団体などが送る花としては適切ではありません

花輪を送る際のマナー

葬式で故人に手向けられるお供え物、例えば香典にさまざまなルールやマナーがあるように、花輪を送る際にも同様の配慮が必要です。

特に花輪は大きさもあり、設置するための手間を要するお供え物といえるため、そもそも花輪を送ってよいかという点も含め、マナーを守って送らなければなりません。

遺族・葬儀社へ確認する

花輪を送る際には、事前に送ること自体の可否を確認する必要があります。遺族の意向で花輪を辞退している可能性もあるからです。

また、都市部の式場や家族葬のような規模の小さい葬儀では、置くスペースがないという事情で花輪を辞退しているケースも少なくありません。

送ること自体は制限されていないものの、デザインを統一するなどの理由で、発注先を指定しているケースもあり得ます。

このような事情を考慮せずに送ると、遺族に迷惑をかけてしまいます。事前に喪主や葬儀社などに、「送ってもよいか」「指定の業者があるか」などを確認することが必須です。

到着期日を守る

花輪は大きさのあるものですから、設置にもある程度の時間を要します。葬儀社に連絡した際に、「いつまでに手配が必要か」も必ず確認しておきましょう。

葬儀場によって、花輪を手配する期限が異なります。開式の数時間前まで可能なケースもあれば、前日まででなければ受け付けてもらえない可能性もあるでしょう。

開始時刻が迫っている場合には、無理に花輪を送らないことも大切です。その場合には、葬儀後に自宅の祭壇に飾る花を送ることなどを検討しましょう。

芳名名札をつける

芳名名札(ほうめいなふだ)とは、花輪の足の部分に付ける贈り主の名前を記載した布やボードの名札です。誰から送られたものかを、わかりやすく簡潔に記します。

企業などの法人が送る場合には、会社名と代表者の氏名などを表記するのが一般的です。「社員一同」などを記載してもよいでしょう。部署名や故人が所属していた団体名で送る際には、その団体の名称とともに一同と記載します。

連名で記載する場合には、3人までに留めましょう。4人以上の場合には、一同と記載するのがマナーです。贈り主全員の氏名は、別途送り状を添付すればよいでしょう。

花輪を手配する方法

花輪は花屋や花輪の専門業者などで手配できますが、葬式の花輪では、地域のしきたりや葬儀会場のルールに従うことが原則です。

花輪を取り扱う業者も減少傾向にあるといわれているため、まずは葬儀社に相談してみるとよいでしょう。

花輪の依頼先

花輪を手配する際の依頼先は、葬儀を請け負っている葬儀社や花屋、花輪の専門業者などが一般的です。葬儀社への事前確認の際に、葬儀社へ発注できるか、指定の業者があるかなどを確認し、それに従って手配しましょう。

インターネット通販などでも注文できますが、葬儀社が取り扱っているのであれば、依頼先は葬儀社がおすすめです。

葬儀形式に地域ごとの特色があるように、花輪にもそれがあてはまります。葬儀場の都合などで大きさやデザインに制限がある場合も多く、そもそも花輪の設置が禁止されている可能性も否めません。

トラブルを回避するためにも、葬儀の運営を担当する葬儀社に依頼することが最も安心といえるのです。

葬儀社であれば、葬儀会場の規模などに応じた最適なサイズや、他の花輪に合わせたデザインなどを相談できることもメリットです。

花輪の値段の相場

花輪の値段は、基本的に大きさによって決まります。1万円~2万円程度が相場とされており、あまり高価な花輪よりも、1万円ほどのものが多く選ばれる傾向があります。

支払い方法は依頼先によって異なりますので、注文の際に確認しましょう。クレジットカードなどでの支払いが可能な場合もあれば、葬儀の際に直接葬儀社に払う仕組みもあります。

また、遺族が葬儀費用とともに立て替えて支払う仕組みもあり、この場合には遺族に対して不祝儀袋に「御供花代」として包むのが正解です。

1基と1対の違い

1基は花輪1つのこと、1対は花輪2つの組み合わせです。

花輪は1基ごとに発注できますが、会場の入り口を中心に、両側に飾るのが原則とされているケースでは、「2基を1対」として送ります。

1基単位で送る場合がほとんどですが、1対で飾ることを前提としている場合にはそれに従いましょう。同様の花輪を2基送るため、料金も2つ分かかる点には注意が必要です。

花輪を贈られた際の注意点

遺族の立場で花輪を受け取る際にも、送ってくれた方に対して失礼のないようマナーに配慮する必要があります。

花輪を贈られた際の注意点についても確認しておきましょう。

花輪の並び順に注意する

花輪の並び順は、故人との関係性が深い順に入り口に近い場所から設置するのが基本です。並び順を間違えることは、送った方に対して失礼にあたるため、十分に注意する必要があります。

実際に並べるのは葬儀社のスタッフですが、順番を決めるのは喪主の役目です。これは、祭壇を飾る供花なども同じ仕組みです。

花輪は目に留まりやすい場所に配置される性質があるため、並び順には十分に配慮しましょう。

芳名名札を確認する

花輪を並べる際には、脚の名札に付けられている贈り主の名前や肩書などを確認することが大切です。

贈り主本人が名前を書く不祝儀袋などと異なり、花輪の名前は注文を受けた業者の手で書かれます。このため誤りが生じる可能性があります。

これとともに、送り状や配達伝票などの差出人名と連絡先を必ず控えておくことが必要です。葬儀後にお礼状や返礼品を送るため、「花輪を送ってくれた方」ということがわかりやすい状態に整理しておきましょう。

後日お礼と返礼品を送る

花輪を受け取った際には、葬儀後に必ずお礼状を出しましょう。また香典返しなどと同様に、四十九日法要を行ったあとに返礼品を送るのがマナーです。

返礼品の金額は、受け取った花輪の1/3~半額程度が一般的とされます。香典も受け取っている場合には、香典返しと合わせて送っても構いません。

花輪に関するよくある質問

花輪を送る機会はあまり多くないと考えられるため、いざその場面に直面するとマナーについての疑問が生じるかもしれません。

よくある質問をチェックして、できるだけ不安を解消しておきましょう。

連名の名札はどうする?

花輪に連名で記載する名札は、3人までが原則です。

例えば学生時代の友人が連名で送るなど、名前として記載するのに適当な団体名がない場合には、「同窓生一同」と記載するのもよいでしょう。

3人までの個人名は、立場や役職が上の方から順に、右から記載します。やむを得ず4人以上の名前を記載する場合には、上段と下段に分け、右上から順に記載しましょう。

どのような花輪を選べばいい?

花輪に用いる花に厳格な決まりはないですが、白い菊など、白を基調とした落ち着いた寒色系の花を集めるのが基本です。鮮やかすぎる花や、とげのある花は花輪には使いません。

生花のアレンジとは異なり、花輪は基本的に定型で作られた既製品をレンタルする形式が多いです。このため、あまり多くの選択肢からは選べないものと考えておいたほうがよいでしょう。

また、花輪の中心に「忌」「合掌」などの文字を入れる場合もあるため、これらのデザインも葬儀社に確認して決めることをおすすめします。

なお、花輪は造花を用いるのが一般的ですが、キリスト教式の葬儀には造花を用いません。このためキリスト教の葬式に花を送りたい場合には、花輪以外の選択肢を検討しましょう。

花輪を辞退された場合は?

遺族の意向で花輪を辞退された場合には、もちろん送らないのがマナーです。また、花輪は供花の一種ですから、「供花を辞退する」旨の意向を示している場合にも送ってはなりません。

香典を辞退している遺族に供花などを送るケースもありますが、花輪を送る際には会場内に飾る花以上に配慮が必要です。

近年では、企業や団体からであっても会場内に飾る供花を送るケースが増えており、花輪の設置を想定していない斎場も少なくはありません。遺族の意向だけでなく、会場の制約の場合もありますから、十分な注意が必要です。

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