一日葬のメリットとデメリットは?後悔しないための注意点を解説

一日葬のメリットは知っていても、どのようなデメリットがあるのか把握していない方も多いのではないでしょうか?

一日葬は都市部を中心に需要が拡大していますが、デメリットも少なくありません。デメリットを知らずに選んでしまうと、後悔する可能性があるので注意が必要です。

今回は一日葬のメリットとデメリットを解説するとともに、一日葬で後悔しないための注意点をご紹介します。

1分でわかる!記事の内容
  • 一日葬はコストを抑えて、遺族や参列者の負担を減らせるのがメリット
  • 一日葬は周囲の理解を得にくく、菩提寺とトラブルになりやすいデメリットがある
  • 一日葬で後悔しないためには、親族や菩提寺への事前相談が必要

一日葬とは

一日葬とは、通夜を行わずに、告別式と火葬を1日で行う葬儀形式です。

通常は1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式と火葬を行うため、葬式には2日間の日程が必要です。しかし、一日葬は通夜を省略するため、1日だけで葬式が終わります。

一日葬は家族中心で行うことが多く、小規模な葬儀となるケースが一般的です。「ワンデーセレモニー」と呼ばれることもあり、近年は都市部を中心に需要が高まっています。

一日葬の流れ

一日葬は、通夜を省略する以外は、通常の葬儀と同じ流れで進みます。

  1. 逝去
  2. 葬儀社へ連絡
  3. 搬送・安置
  4. 葬儀社と打ち合わせ
  5. 納棺
  6. 葬儀・告別式
  7. 出棺
  8. 火葬

逝去後は、すぐに葬儀社に連絡を入れましょう。病院の霊安室では長時間の安置ができないため、遺体は自宅や斎場の安置室などに搬送します。

遺体を安置したら、葬儀社と打ち合わせを行い、一日葬を希望していることを伝えましょう。

一日葬であっても、火葬は亡くなってから24時間を過ぎないと行えません。そのため、葬儀を行うのは逝去から1日経過したあとになります。

葬儀当日は納棺から始まり、葬儀と告別式をしたあとで火葬を行います。火葬後に骨上げをすれば、一連の流れは終了です。

一日葬のメリット

一日葬には、主に以下4つのメリットがあります。

費用を抑えられる

一日葬は通夜がなく、告別式と火葬のみを行うため、以下に挙げた費用の負担を軽減できます。

軽減できる費用
  • 飲食費用
  • 式場利用費
  • 僧侶へのお布施
  • 返礼品の費用

一日葬では通夜を行わないので、通夜の式場利用費と飲食費がかかりません。葬儀の規模も小さい場合が大半なので、返礼品の準備も少なくて済みます。僧侶へのお布施代も通夜がない分、一般葬よりも安く抑えられるでしょう。 

自宅で葬儀をするときは式場利用費がかからないため、相場よりもさらに安くなります。

遺族・参列者の負担が少ない

一日葬なら葬式のスケジュールが1日で終わるため、遺族と参列者の負担を軽減できます。

通常の葬儀では1日目に通夜が行われ、2日目に告別式と火葬を行うので、参列者の対応など遺族の負担が大きくなります。高齢の家族がいる場合、2日にわたって参列するのは体力的にも厳しいでしょう。

一日葬であれば、遺族と参列者ともに体力面・精神面での負担を軽減できるので安心です。

宿泊手配がいらない

一日葬は日帰りでの参列が可能なので、遠方から参列する親族にとっては宿泊費や旅費がかからないメリットがあります。また、泊まる場所を探す手間もかかりません。

宿泊施設を手配する場合、アクセスのよさや宿泊費などのさまざまな事情を考慮しなければならず、意外と手間がかかります。一日葬なら宿泊に関する手間と出費を省けるため、遠方の親族も参列しやすいでしょう。

スケジュール調整がしやすい

一日葬の場合、1日だけスケジュールを確保すれば対応できるため、普段忙しい方も参列しやすいと言えます。

通夜を行うときは、2日間のスケジュールを確保しなければなりません。しかし、一日葬は葬儀の段取りを1日で済ませられるため、普段仕事で忙しい方も休みを取りやすいでしょう。

一日葬のデメリット

一日葬はメリットが多い反面、デメリットもあります。

お別れする時間が少ない

一日葬は通常2日で行う儀式を1日に短縮するため、その分お別れの時間が短くなります。場合によっては、心の準備ができないまま火葬場へ向かうことになり、後悔するかもしれません。

一日葬は昼から始まるケースが多いので、日中仕事や学校がある方は故人とお別れができない可能性があります。

一日葬にすべきかどうかは、ご自身や家族、参列者の気持ちを考慮して決めましょう。

葬儀後に弔問客の対応に追われる

一日葬は小規模で行うケースが多く、参列できる方が限られるため、亡くなったことをあとで知った方が自宅に弔問を希望する場合があります。弔問客の対応は遺族が行わなければならず、葬儀後の負担が増えます。

故人に友人や知人が多かった場合は、弔問客の対応に追われる日々がしばらく続くかもしれません。

遺族の負担を軽くするために一日葬を選んだのにもかかわらず、弔問対応に追われてしまい、かえって負担が大きくなる恐れもあるので注意が必要です。

親族の理解を得にくい

一日葬は比較的新しい形式のため、伝統的な葬儀形式を重視する親族からは理解されにくいデメリットもあります。

周囲の理解を得ないまま一日葬を行うと、後々にトラブルの要因になります。一日葬の需要は増えているとはいえ、馴染みのない方も多いので、事前に丁寧な説明が必要です。

菩提寺とトラブルになる可能性がある

仏教の葬式は通夜と葬儀・告別式をセットで行うのが基本なので、通夜のない一日葬をする場合、菩提寺(ぼだいじ)から反対される可能性があります。

菩提寺とは、先祖代々の墓があるお寺のことです。 通夜と葬儀ではお経の種類が異なるため、通夜を行わない一日葬を認めない僧侶もいます。

菩提寺の許可なしに一日葬を行ってしまうと、先祖代々のお墓に入れないなどのトラブルに発展することもあるので注意が必要です。

一日葬に向いている方

一日葬のメリット・デメリットを踏まえたうえで、向いている方の特徴をご紹介します。

葬儀費用を抑えたい方

一日葬にかかる費用は他の葬儀と比べて安いため、葬儀・告別式にあまり費用をかけられない方に適しています。

葬儀形式費用相場
一日葬30〜50万円
一般葬100〜120万円
家族葬60〜80万円

故人とお別れする場は設けたくても、何らかの事情があり、葬儀にあまり費用をかけられない方もいるでしょう。費用負担を抑えつつ故人をきちんと偲びたい方には、一日葬が向いていると言えます。

精神的・肉体的負担を抑えたい方

一日葬は準備に時間がかからないため、精神的かつ肉体的な負担を軽減したい方に最適です。

大切な家族が亡くなった直後に葬式の準備をするのは大変ですが、一日葬なら通夜の準備が必要ないため、ある程度の負担を抑えられます。参列者の人数も限られているので、返礼品や食事などの対応に追われる心配もありません。

一日葬なら日帰りで参列できるため、遠方に住んでいる親族や高齢の参列者の負担も減ります。参列者を少なくして家族だけで葬儀をしたい方にも、一日葬は適しています。

葬儀にあまり時間を取れない方

一日葬は通夜を省けるため、2日間のスケジュールを空けるのが難しい方に向いています。多忙な日常生活の中で一般葬には参列できないという方も、一日葬なら参列しやすいでしょう。

日程調整が難しい現役世代や、遠方の参列者が多い場合は、一日葬がおすすめです。

一日葬で後悔しないための注意点

一日葬を選んで後悔しないために、注意すべき3つのポイントをご紹介します。

お別れの時間を作る

納得のいく一日葬を行うためには、故人とお別れの時間を作ることが大切です。一日葬でもお別れの時間は作れるので、時間の使い方を工夫しましょう。

一日葬を行う場合でも、斎場は前日の夜から使用できます。そのため、故人と親しかった方々のために焼香の時間を作ることも可能です。

式だけは家族で行い、葬儀の前日までに線香をあげにきてもらえば、葬儀に参列できなかった方から苦情がくる心配はありません。

葬儀の前に家族だけで故人を偲ぶ時間を作ったり、納棺の儀式に皆で集まって思い出話を共有したりするなど、故人とお別れする方法はさまざまです。時間の使い方を工夫すれば、納得のいく一日葬が実現します。

葬儀社にすべてお任せするのではなく、家族も参加して、より納得のいく時間の過ごし方を考えてみましょう。オーダーメイドの葬儀に対応可能な葬儀社もあるので、担当者と相談しながら決めることをおすすめします。

親族には事前に連絡する

親族には事前に連絡して、一日葬を行うことを伝えましょう。

一日葬はまだ馴染みのない新しい形式なので、事前連絡なしに行うと、親族との関係に亀裂が生じる可能性があります。

トラブルを未然に防ぐためにも、訃報をお知らせするタイミングで、一日葬について伝えましょう。遺族や親族でしっかり話し合って決めれば、あとで揉める心配はありません。

故人の希望である旨を伝えると、周囲の理解を得やすくなります。

菩提寺には事前に相談する

菩提寺がある場合は、一日葬を行うことについて事前に相談しておきましょう。

本来の葬儀形式を重んじているお寺は多いため、一日葬を受け入れてもらえない場合があります。事前相談なしに一日葬を行うと、関係がこじれてしまい、供養や納骨ができないこともあるので注意が必要です。

トラブルに発展する前に、菩提寺に一日葬に対応できるかを確認しておきましょう。僧侶には事情を丁寧に説明して、許可を得たうえで行うことが大切です。

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