葬儀の種類は何がある?形式や宗教による違い、費用相場も解説

葬儀の種類が多様化してきたことから、どのような葬儀をあげるべきかわからない方も多いのではないでしょうか?

葬儀の種類は一般的に、参列者数や宗教ごとの儀式によって分けられます。さらに最近では、一部の儀式を省略する形式も珍しくはなくなってきました。

今回の記事では、形式や宗教の違いなどによる葬儀の種類を詳しく解説します。葬儀の種類によって費用も異なるため、執り行う葬儀の形式に悩んでいる方は必読です。

1分でわかる!記事の内容
  • 葬儀の種類は、参列者数などによる規模の特色、宗教による特色、儀式の省略による特色などで分類できる
  • 葬儀の種類によって要する費用も大きく異なるため、予算に応じた形式を選ぶことも大切
  • 近年では故人を盛大に見送るよりも、少人数で落ち着いた葬儀が好まれる傾向がある

葬儀の種類

近年では葬儀の種類が多様化し、故人や遺族の希望に応じてさまざまな形式で営まれています。

参列者を近親者だけに限るなど、規模によって特色を出す葬儀や、儀式を省略することで参列者の負担を軽減する葬儀など、その特徴も千差万別です。

もちろん特徴的な葬儀にはメリットとともにデメリットがあるため、それをしっかりと把握して選択することが大切です。

通常の形式・一般葬

以前から広く営まれてきた形式の葬儀、つまり通常の形式といえるのが一般葬です。

1日目の夕方から夜にかけて通夜式を行い、2日目に葬儀と告別式を執り行う形です。故人との付き合いがあった方、仕事関係の方や近隣の方なども含めて、一般の参列を受ける葬式を指します。

同じ一般葬でも、例えば祭壇が異なるだけでも葬儀の印象は大きく変わる可能性があります。葬儀社のおすすめのプランを確認する際には、会場の配置や祭壇のグレードなども確認しておくとよいでしょう。

一般葬のメリット・デメリット

一般葬は、以前から行われてきた「通常の葬儀」として認識されているため、参列者に受け入れられやすい形式といえます。この形式で葬儀を行うことに違和感を覚える方が最も少なく、親族などからも理解が得られやすい点がメリットです。

「どのような葬儀を行うか」を決めるのは喪主の役割とされていますが、独特な葬儀を行うことに対して親族からの理解が得られないケースは少なくありません。

多様な葬儀が浸透してきているとはいえ、やはり従来の風習に対するこだわりを持つ方は少なくないからです。

一方で、身内以外に多くの方が参列することから、喪主を始めとした遺族の方がその対応に追われる可能性があり、落ち着いて故人を見送れないことがデメリットです。特に、その傾向が顕著に表れるのが通夜の場といえます。

近年では、夕方から行われる通夜に一般参列者が集まる傾向が強く、本来の通夜が持つ「近親者だけで故人をしのびながら、最後の夜を過ごす」という意味合いが薄れてしまいました。

また、多くの参列者に対応するために、葬儀費用の総額が高くなりがちな点もデメリットといえるでしょう。

近親者だけの家族葬

家族葬は、一般参列者の会葬を受けず、近親者だけで執り行う葬儀のことを指します。近年、特に増加している葬儀形式です。

故人の親や子ども、兄弟など、身近な家族だけで営む葬儀から、もう少し広い範囲の親族や、故人と親しかった友人などを招いて行うケースもあり、明確な定義はありません。

一般的には、参列者を限定したうえで、30人程度までで営まれる葬儀が家族葬と呼ばれています。

家族葬のメリット・デメリット

家族葬のメリットは、参列者が故人との縁が深い方に限られるため、落ち着いて故人を見送れるという点です。一般葬のように参列者の対応に追われることがないため、本来の意味で故人を悼み別れの時間を過ごせます。

しかし、参列者を限定することでデメリットも生じます。その1つが、参列できなかった親族や知人から、葬儀に呼ばれなかったことに対する不満が生じる可能性です。

招いていなかった方が会葬に来てしまうといったトラブルにも、注意が必要といえるでしょう。

また、一般の会葬を受けない代わりに、葬儀後に自宅への弔問を希望する方が多くなる可能性もあり得ます。通夜や葬儀では落ち着いて故人を見送れる半面、その後に弔問客への対応に追われるリスクがデメリットとなるのです。

通夜を省いた一日葬

一日葬とは、通常は葬儀の前日に行う通夜を省略して、葬儀と告別式だけを1日で執り行う葬儀です。通夜を省くものの、葬儀と告別式は通常の流れで行われます。

家族葬のように参列者を制限するわけではないため、親族以外の会葬を受けて一日葬を行うことも可能です。しかし実際に営まれる一日葬の大半は、近親者だけで行う小規模な家族葬の形式といえます。

一日葬のメリット・デメリット

一日葬は、通常は2日がかりで行われる一連の儀式を1日に短縮することから、高齢の方や遠方から参列する方の時間的・体力的な負担を軽減できる点がメリットです。

また、通夜や通夜振る舞いを行わないため、その分の費用を抑えられることもメリットとしてあげられるでしょう。

しかし、古来から浸透した風習であり、宗教上の意味を持つ通夜という儀式を省略することは、周囲の方から受け入れられない可能性が高いです。このため親族からの同意が得られず、トラブルになるリスクも否めません。

また、先祖代々のお墓がある場合にはさらに注意が必要です。儀式の省略を菩提寺(ぼだいじ)が認めなければ、お墓に入れない可能性も生じてしまいます。

儀式をしない直葬・火葬式

通夜や告別式などの儀式を行わず、火葬だけを行うのが直葬・火葬式(かそうしき)です。宗教的な儀式を基本的にすべて省略して、遺体を直接火葬場に搬送して見送ります。

簡易的な供養を行う場合には、火葬場で僧侶がお経をあげ遺族が焼香などを行います。火葬の前に故人とお別れをする「納めの式」だけを行うイメージです。

直葬・火葬式のメリット・デメリット

直葬のメリットは、大幅に葬儀費用を圧縮できる点です。

通夜や告別式、それに付随する会食など、一連の儀式に要する費用を必要としないため、葬儀費用の大半を削減できます。また、葬儀の時間が短縮できる点もメリットとして挙げられるでしょう。

ただしこの方式も、一般的な風習や宗教上の教えから逸脱する形式であり、親族などの理解が得られない可能性は一日葬以上に高いです。

また直葬の場合も同様に、お墓に遺骨を納められなくなる可能性も否めません。

宗教・宗派による違い

葬儀は宗教上の儀式という意味合いが強いため、宗教・宗派による違いが色濃く生じる特徴があります。

日本では仏教式の葬儀が多く営まれていますが、故人や遺族が神道やキリスト教の信徒であれば、その宗教の教えに基づいた葬儀を行うのが基本です。

同じ宗教でも宗派によって死生観が異なるケースもあり、それが葬儀の形式にも反映されます。故人の希望に沿ったうえで遺族も納得のいく葬儀を出すために、宗教・宗派による違いも知っておきましょう。

仏教

日本で最も浸透しているのが、仏教の葬儀です。日本で営まれる葬儀の9割が仏式といわれています。

仏教では、人が亡くなると死後の世界に生まれ変わるという世界観があります。宗派によって考え方が異なりますが、一切の苦しみのない極楽浄土へ行けることを願う儀式の1つが葬式とされるのです。

仏教では、亡くなってから49日間は霊として現世に留まり、7日ごとに極楽浄土に行けるか否かの審判を受けるとされています。読経や焼香は、故人を追悼するとともに、故人が極楽浄土に行けることを願って行うのです。

初七日や四十九日などの忌日法要を行うのも、極楽浄土への審判を受けるという考え方に基づくものです。

ただし、仏教の中でも浄土真宗は、考え方が他の宗派とは異なります。亡くなった方はすぐに成仏するという考え方のため、霊として現世に留まるという概念はありません。

神道

神道の葬儀は、亡くなった方を守り神として家に迎え入れる儀式で、神葬祭(しんそうさい)と呼ばれます。神道では人の死自体を「けがれ」と考え、神葬祭を経ることで死のけがれを清め、神様になるとされるのです。

神道の葬式は、仏式と似た流れで行われます。1日目に通夜祭と遷霊祭(せんれいさい)を行い、2日目に葬儀・告別式にあたる葬場祭(そうじょうさい)を行うという日程です。

仏教での読経と焼香にあたるのは、「祝詞(のりと)」と「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」といえるでしょう。なお、神道では、神社は聖域とされているため、神葬祭は斎場や自宅などで行われます。

キリスト教

キリスト教では、人の死を「肉体が滅びること」と捉え、いずれ復活すると考えています。死は「神様のもとに召される」ものであり、悲しむべきものではないという考え方です。

ただし、同じキリスト教であっても、カトリックとプロテスタントでは死生観が異なります。

カトリックでは故人の生前の行いによって死後の世界の行き先が決まると考えられ、生前の罪は懺悔によって償うものとされています。つまり葬儀は、遺族が祈りを捧げ、故人の魂を助ける儀式です。

一方のプロテスタントは贖罪という概念ではなく、故人や遺族の心を安らかにするため、神に祈りを捧げるものとされています。

無宗教葬

従来の葬儀は、何らかの宗教に結びついた儀式であり、宗教上の教えや考え方に基づいて営まれるのが通常でした。しかし近年では、宗教に則した儀式を行わない形の葬儀を目にするようになっています。これが無宗教葬です。

仏式の葬儀で行われる読経や焼香などの代わりに、故人の好きな音楽をかけたり、黙祷を捧げたり、献花を行ったりなど、遺族の発想で故人を見送ります。このように自由な形式で営まれることから、自由葬とも呼ばれます。

無宗教葬は、宗教にこだわらない方が多い日本人にとっては、合理的ともいえる宗教の形式です。

とはいえ、まだまだ一般に浸透しているとは言い難く、故人が入るお墓が宗派不問の霊園などに限られるといったデメリットも生じます。

葬儀形式による費用相場

葬儀の形式が異なれば、行われる儀式や参列者数にも違いが生じることから、葬儀にかかる費用にも大きな差異が発生します。

葬儀にかかる費用は決して小さなものではありませんから、ご自身が想定する予算に応じた形式を選ぶことも大切です。葬儀形式による費用相場の違いも確認しておきましょう。

一般葬の費用相場

一般葬は、参列者数の制限や儀式の省略などがない葬儀形式であるため、費用も大きくなりがちです。一般的な費用相場は150万円〜200万円程度といわれます。

葬儀費用は参列者の数に比例する傾向があるため、最も高額になりやすい葬儀形式が一般葬です。また、主催者側が参列者を限定しないため、事前に参列者数の予測がつきにくい点にも注意する必要があります。

余裕を持った大きさの葬儀会場を予約したり、多めの人数を見積もって会食の料理を用意したりすれば、その分だけ費用も高額になる可能性が否めません。

一方で、参列者数が多ければ、それに伴って受け取る香典の額が多くなるという側面もあります。仮に葬儀費用が高くなっても、香典によって実質的な負担は軽減される傾向もあるのです。

家族葬の費用相場

家族葬は、参列者数を限定し規模を抑えることから、会場費や飲食費の負担が軽くなる特徴があります。このため費用は一般葬よりも低額になる傾向があり、費用相場の目安はおおむね100万円程度です。

ただし身内だけの数人で行う葬儀と、友人なども交えてある程度の規模で営まれる葬儀では、かかる費用にも大きな差異が生じる点には注意が必要です。

また、参列者が少なくなることは、香典の額が少なくなることにつながる点も認識しておかなければなりません。

一日葬の費用相場

一日葬は通夜を省略するため、通夜と通夜振る舞いに必要な費用がかかりません。費用相場は40万円から80万円程度とされ、これは会場費や飲食費のほか、お布施などをも抑えられるためといわれています。

ただし斎場の費用に関しては、必ずしも1日分に抑えられるとは限りません

遺体を葬儀の前日に運び入れなければならないケースがあるほか、そもそも斎場の使用料が2日分を1つの単位として設定されている場合があるからです。

直葬・火葬式の費用相場

直送・火葬式は、宗教的な儀式のほとんどを省略するため、費用が大幅に抑えられる葬儀形式です。費用相場は20万円~50万円程度とされ、最も低額で行える葬儀と考えられます。

費用の内訳は棺や骨壺などの必需品の費用、遺体の搬送に伴う費用、火葬料などに限られます。火葬場に出向く方だけで見送る形式のため、人数も最小限で行われることも費用が抑制される一因です。

葬儀会場の種類

葬儀を執り行う会場の違いによっても、葬儀の印象は大きく変わります。

規模や形式に応じて適した会場の種類が異なりますから、それぞれの会場の特徴やメリット・デメリットを知っておくことも必要です。

民間の斎場

民間の斎場とは、民間の葬儀社や寺院などが運営している葬儀場です。基本的に利用者の制限がなく、誰でも利用できます。

公共交通機関からのアクセスが便利な立地の斎場も多く、さまざまな形式に対応し、参列者の人数などに応じた会場を選べる点などがメリットといえます。

また、後述する公営斎場と比較すると数多くの選択肢が見込まれるため、予約が取りやすいといった点もメリットです。

公営の斎場

公営の斎場は、主に市町村などの自治体が運営する葬儀会場です。

原則として地域の住民に対して提供している施設のため、故人や喪主の住所地の公営斎場以外は利用できないか、利用できたとしても割高になります。しかし、一般的に民間の斎場よりも料金が低いというメリットがあります。

また、火葬場に併設されている公営斎場も多く、このケースでは葬儀・告別式から火葬場への移動が必要ありません。

一方で、民間の斎場ほど選択肢が多くないことも影響し、予約が取りづらいというデメリットがあります。特に人口に対する公営斎場が少ない地域では、葬儀までに何日も待たされる可能性も否めません。

地域の集会所

自治会などの集会所も、葬儀会場として利用できる選択肢です。同様に、マンションや団地などの集会所を会場として利用できるケースもあります。

地域の集会所を利用するメリットは、会場費を抑えられる点です。また、葬儀場が自宅から近いという点もメリットとして作用します。特に、近隣の方が多く参列する葬儀では、会葬者にとっても利便性の高い会場といえるのです。

とはいえ集会所が必ずしも葬儀に利用できるとは限りません。自治会のルールやマンションの管理規約などで集会所の利用を制限しているケースも珍しくはないからです。

このため葬儀社との打ち合わせの前に、集会所の管理者に葬儀利用の可否を確認しておくことが必須といえます。

また、葬儀に適した形に作られた専用の斎場と異なり、会場の利便性が劣る可能性は否めません。参列者が集会場に至るまでの動線や、近隣の駐車場の有無なども考慮しなければならないでしょう。

自宅

自宅の広さや参列者の数に左右されるものの、自宅を葬儀会場として利用することも可能です。故人を自宅から見送れること自体が、大きなメリットとも考えられるでしょう。

また、時間的な制約を受けないことも自宅で葬儀を行うメリットです。特に近親者だけで行う家族葬の場合などは、広さの制約を受けにくく、利点だけが強調される可能性が高いといえます。

自宅で葬儀を行うためには、祭壇を設置する空間に加えて、参列者が座る場所などを確保するための一定のスペースが必要です。さらに棺を搬入・搬出するための、動線の間口などを事前に確認しておかなければなりません。

広さの懸念があるときは、祭壇を使わずに棺を囲んで行う葬儀なども選択肢として考えられるでしょう。

自宅で葬儀を行ううえでの注意点は、近隣への配慮です。焼香の匂いや読経、木魚の音などが気になる方も少なくないため、事前に挨拶をして理解を得ることが不可欠です。

宗教施設

神式の葬儀を神社で行うことはありませんが、仏教やキリスト教ではそれぞれの宗教施設で葬儀を行えます。

キリスト教では教会での葬儀が一般的に行われるほか、仏教でも寺院などに併設された葬儀場ではなく、本堂で葬儀を執り行えるところも少なくありません。

ただし、宗教施設で葬儀を行うには、故人や遺族がその信徒である必要があります。仏教であれば、そのお寺の檀家に限って本堂での葬儀ができるという位置付けです。

一般的な斎場よりも、厳かな葬儀を営みたいと考える方に向く施設といえます。

葬儀形式の最近の傾向

葬儀の形は時代とともに特徴を変えています。

近年では故人を盛大に見送ることよりも、身近な方々で落ち着いて葬儀を行うことを重視する方が増えている傾向がみられます。好まれる葬儀形式の最近の傾向と、その理由についても把握しておきましょう。

小規模な葬儀が増加傾向

近年では、多くの会葬者を集める葬儀よりも、身近な方だけで執り行う家族葬が増加している傾向がみられます。

家の概念が薄れ、いわゆる核家族化が進んだことなどが要因といわれますが、新型コロナウイルスの影響によって、やむを得ず小規模な葬儀を選んだケースも多いようです。

とはいえ一般葬は減少傾向にあり、多くの参列者を招いて盛大に故人を見送るよりも、近親者だけで落ち着いて見送ることに価値を見出す家族が増えたことが読み取れます。

短時間・簡略化の傾向

一日葬や直葬など、宗教上の儀式を省略する葬儀も増加傾向にあり、短時間で簡単な葬儀を行うケースが好まれる傾向もみられます。

参列する方が高齢のため体力の不安を考慮して選ばれたり、費用負担を抑えたいと考える遺族に選ばれたりなどのケースが多いです。

宗教にとらわれない考え方が浸透してきたことも、葬儀の短時間・簡略化の一因といえるでしょう。

葬儀の種類を決めるポイント

葬儀の種類を決める際には、宗教や参列者の数、予算など、さまざまな点を考慮しなければなりません。

故人の希望に即して遺族も納得のいく葬儀を行うために、気を付けておきたいポイントをご紹介します。

故人の意向を知る

葬儀の形式を決める際には、できるだけ故人の意向を反映させるのが望ましいです。生前に聞いておくことも以外にも、「エンディングノート」を遺してもらう方法もあります。

エンディングノートとは、人生の終焉を迎えるにあたって、これからの人生や終わり方の希望を記すノートです。法律に則って作成しなければならない遺言とは異なり、本人が自由に作れます。

葬儀形式の希望も、通常エンディングノートに記載される項目の1つです。どのような葬儀で見送ってほしいかを書き残してもらえば、遺族が葬儀を考えるときの助けとなります。

特殊な形式は親族に相談する

儀式を省略する、宗教色をなくすなど、際立った特徴がある葬儀を検討している場合には、事前に親族に相談することが大切です。

一般葬以外の葬儀が普及してきているとはいえ、まだまだそれが広く浸透しているとまではいえません。形式によっては、親族からの理解が得られない可能性もあるでしょう。

葬儀後のトラブルの懸念を抑えるためにも、葬儀を行う前に話しておきましょう。

事前予約を活用する

葬儀の事前予約とは、本人自身が生前に葬儀社との打ち合わせを行い、葬儀の形を決めて予約をしておく仕組みです。本人の希望に即した形で葬儀を行えるうえ、葬儀費用も把握できるなどのメリットがあります。

人が亡くなってから葬儀までの時間は非常に慌ただしく、遺族は多忙な中で葬儀の準備を進めなければなりません。

生前に葬儀の予約をしておけば、亡くなったあとには予約内容に沿った葬儀が行われるため、遺族の負担を軽減することにつながります。

しかし、見送る側の気持ちを汲むことも大切です。事前予約を検討する場合には、身近な家族に話をして、一緒に考えるのが望ましいでしょう。

葬儀の種類に関するよくある質問

多様化し続ける葬儀の疑問をすべて解消するのは難しいかもしれませんが、ここで葬儀の種類に関するよくある質問も確認しておきましょう。

わからないことがあれば、葬儀社のスタッフなどに質問してみることも大切です。

自然葬とは?

自然葬とは、故人の遺骨を自然に帰す方法で行う葬送のことです。遺骨を細かくして海に撒く海洋散骨や、樹木を墓標として埋葬する樹木葬などが知られています。

遺骨は通常、石で作られたお墓に埋葬します。お墓はいわば人工の構造物です。自然葬では、このような人工的な墓標などを用いずに、故人が自然に帰ること、自然と同化することを重視します。

ただし、自然葬を行うには、十分な知識を持ったうえで専門の業者に依頼するなどの手配が必要です。

「墓地、埋葬等に関する法律」の第4条では、墓地以外の区域に埋葬することを禁じており、例えば自宅などであっても埋葬は認められません。

海や山への散骨は禁止されてはいないものの、所有者がいる土地や権利が関係する区域へ遺骨を撒くとトラブルが生じるリスクがあり、当然勝手に撒くことはできません。

樹木葬に関しては、近年では取り扱う墓地や霊園が増えてきており、例えば霊園の一角を樹木葬のエリアとしているケースもみられます。

家族葬と密葬の違いは?

家族葬と密葬はいずれも近親者だけで行う小規模な葬儀を指しますが、この2つの違いは「本葬」を行うか否かです。

家族葬は、身近な親族や故人と親しかった方だけで行う一連の葬式で完結するのに対して、密葬はそのあとに一般参列者を招いて本葬を行います。密葬を行うケースは、故人が著名な方だったり会社経営者だったりで、多くの参列者が見込まれる場合です。

このような方の葬儀では、参列者に対応するために多くの時間を割かなければならず、遺族の負担が極端に大きくなる可能性が否めなません。

このため近親者だけで静かに故人を送る葬儀を行ったあとに、一般参列者が追悼する場として改めて葬儀と告別式を執り行うのです。

亡くなった当日に葬儀はできる?

葬儀は早めに執り行うのが望ましいとはいうものの、亡くなった当日は行えません。法律によって、亡くなってから24時間以内は火葬・埋葬が禁じられているからです。

この定めは、「墓地、埋葬等に関する法律」の第3条に明記されています。この法律は1948年に施行されたもので、当時の医療技術では「臨終と判断された方が息を吹き返す可能性がある」と考えられていたための規定とされています。

ただし、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の定める一定の感染症などによる死亡の場合には、例外として24時間以内の埋葬・火葬が可能です。

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