香典返しの品物は何がおすすめ?金額の目安やタブーな品物も紹介

「香典返しにどのような品物を選べばよいかわからない」「贈ってよいものと悪いものの判断ができない」など、香典返しの品物選びでお困りではありませんか?

香典返しには、どのような品物を選んでもよいわけではありません。香典返しに適しているものや定番のもの、逆にタブーとされているものなどさまざまです。

この記事では、香典返しにおすすめな品物をご紹介します。金額の目安やタブーとされている品物についても解説しているため、香典返しの品物で迷っている方はぜひ最後までご覧ください。

1分でわかる!記事の内容
  • 香典返しの品物は、食べたら・使ったらなくなる「消えもの」がおすすめ
  • 生肉や生魚、縁起物など、香典返しにはタブーとされるものがある
  • 香典返しには、いただいた香典の3分の1~半額相当の品物を選ぶとよい

香典返しとは

香典返しとは、お通夜や葬儀でいただいた香典に対するお返しのことです。香典をいただいたことへの感謝だけでなく、四十九日の法要を滞りなく終えられたという報告の意味も兼ねています。

香典返しに選ばれる品物は、お菓子や飲み物といった定番のものから、近年よく選ばれるようになったカタログギフトなどさまざまです。しかし、「相手が好むものであれば何を贈ってもよい」わけではなく、中にはタブーとされているものもあります。

また、宗教・宗派や地域の慣習などによっても異なる場合があるため、どのようなものを選べばマナーに反しないかは、事前によく確認する必要があります。

香典返しのタイミング

香典返しのタイミングは、宗教・宗派によって異なります。宗教・宗派別のタイミングは以下のとおりです。

宗教・宗派香典返しのタイミング
仏教四十九日の法要後2週間以内
キリスト教カトリック追悼ミサ後1カ月以内
プロテスタント召天記念日後1カ月以内
神道五十日祭後1カ月以内
無宗教いつでも

宗教・宗派による違いはありますが、いずれも「忌明け」であることがポイントです。

ただし、無宗教の場合はとくに忌明けという概念がないため、葬儀のあとすぐに香典返しを贈っても問題ありません。葬儀が終わって落ち着いてからや、納骨のタイミングなどで贈ってもよいでしょう。

なお、同じ仏教でも、関西~西日本の一部の地域では香典返しのことを「満中陰志(まんちゅういんし)」と呼ぶ風習があり、忌明けの法要も四十九日ではなく「満中陰」といいます。

また、キリスト教では香典ではなく「御花料」、神道では「御玉串料(おたまぐしりょう)」と名称が異なり、それぞれ贈るべきタイミングも異なります。

目安となるタイミングよりも手配が遅れてしまったときは、ご挨拶が遅れたことについてのお詫びを添えて贈りましょう。

香典返しに選ぶ品物の金額相場

香典返しに選ぶ品物の金額相場は、受け取った香典の3分の1~半額です。中でも、香典の半額相当の品物をお返しする「半返し」が一般的です。たとえば1万円の香典をいただいた場合は、3,000~5,000円の予算で品物を選びます。

ただし、必ずしも香典の3分の1~半額相当の品物である必要はなく、高額の香典を受け取ったときなどは金額にこだわらなくても構いません。そのようなケースなら、香典の4分の1~3分の1程度でも失礼にはあたらないでしょう。

地域によって慣習が異なることもあるため、地域のことに詳しい方や葬儀社に確認しておくと安心です。

香典返しにおすすめの品物

香典返しにおすすめなのは「消えもの」といわれる、食べたら・使ったらなくなる品物です。食べ物や消耗品などが該当し、「不幸を残さない」という意味が込められています。

ここでは、香典返しにおすすめの品物をご紹介します。

  • お菓子
  • 飲み物
  • 海苔
  • タオル
  • 石けんや洗剤
  • カタログギフト

お菓子

お菓子は日持ちするものが多く、年齢や性別問わず好まれるため香典返しの定番です。

お菓子を選ぶポイントは、個包装のものやできるだけ賞味期限が長いものを選ぶことです。個包装のものであれば食べきれなくても周囲におすそ分けがしやすく、家族が多い方にも喜ばれます。

また、賞味期限が長いものを選べば「早く食べなければならない」と気を遣わせることもありません。賞味期限の短い生菓子などは避け、先方の負担にならないものを選びましょう。

飲み物

飲み物も香典返しの定番です。以下のようなものが選ばれる傾向にあります。

香典返しによく選ばれる飲み物
  • お茶
  • コーヒー
  • 紅茶
  • 果汁100%のジュース

中でもお茶は「故人を偲ぶ」「故人との別れを受け入れる」といった意味があり、よく選ばれています。

コーヒーや紅茶のギフトも人気です。ドリップコーヒーやスティックコーヒー、コーヒーと紅茶がセットになったものなどが喜ばれます。

ジュースであれば、果汁100%のものを選ぶとよいでしょう。果汁100%ではない安価なものもありますが、日本の食品表示基準上、果汁100%でないものはジュースとは呼べません。日常ではあまり購入しない、高級感を味わえるものがおすすめです。

海苔

消えものであり、「不幸を消滅させる」という意味があることから、海苔も香典返しの品物としてよく選ばれます。食べる機会が多く、日持ちするところも選ばれるポイントです。

また、軽くてかさばらないため、手渡しする場合や当日返しにも向いています。自宅用にはなかなか購入しない、高級感のある海苔を贈ると喜ばれます。

タオル

タオルは「悲しみを拭う」という意味があり、日用品の中でもとくに香典返しの品物として人気があります。また、実用的でいくつあっても困りません

慶事とは違い奇数にこだわる必要がないため、枚数は先方の家族構成に合わせて選ぶとよいでしょう。サイズに関してもとくに決まりはありません。フェイスタオルでもバスタオルでも、先方に喜ばれそうなものを選びましょう。

石けんや洗剤

石けんや洗剤には「不幸を洗い流す」という意味があるため、香典返しの品物に向いています。以下のものがよく選ばれています。

香典返しに選ばれやすい石けんや洗剤
  • 洗濯洗剤
  • 台所洗剤
  • 石けん
  • ハンドソープ

昔は粉末の洗濯洗剤が主流でしたが、現在は液体のものが多くなりました。コンパクト洗剤やジェルボール、柔軟剤とのセットなどがよく選ばれています。洗濯ネットや洗濯槽クリーナーなどの洗濯グッズをセットにすることもあります。

そのほか、台所洗剤もいくつあっても困らないものです。

石けんやハンドソープも定番です。現在は固形石けんよりも、使い勝手のよいハンドソープが好まれる傾向にあります。洗浄力の高いものや香りのよいもの、除菌・殺菌効果のあるものなど種類が豊富にあるため、先方が好みそうなものを選ぶとよいでしょう。

カタログギフト

近年とくに香典返しの品物として人気があるのはカタログギフトです。予算が高いものになると、国産和牛、天然本まぐろの詰め合わせなどの高級グルメやブランド品、温泉旅行などが選べることもあります。

カタログギフトであれば、香典返しにはタブーとされている生肉や生魚を選ばれても問題ありません。また、好きなものを選んでもらえるため、相手の好みから外れる心配も不要です。

品物を1点ずつ選ぶ必要がなく、選ぶ側の負担が少なくて済むところもメリットといえるでしょう。

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香典返しにはタブーとされる品物

中には、香典返しにはタブーとされる品物もあります。「香典返しには何がふさわしくて何がふさわしくないのか」を一通り知っておかないと、マナーに反してしまう可能性があるため注意が必要です。

ここでは、香典返しにはタブーとされている品物をご紹介します。

  • 生肉や生魚
  • お酒
  • 縁起物
  • 商品券や金券

生肉や生魚

四つ足生臭もの」と呼ばれる生肉や生魚を香典返しに選ぶことは、タブーとされています。

その理由には仏教の教えや、殺生を連想させるためふさわしくないといったことが挙げられます。現実的に考えても生ものは腐りやすいため、香典返しに向いているとはいえないでしょう。

ただし肉や魚でも、加工した佃煮であればタブーにはあたらず日持ちもするため贈っても構いません。また、カタログギフトに掲載されている肉や魚を、先方が選ぶことも問題ありません。

お酒

お酒も、香典返しの品物としてはふさわしくありません。アルコールは祝いごとの際に使用されるものであるためです。

ただし地域によっては、「死」を遠ざけるとされる米のお酒を香典返しに選ぶところもあり、完全にタブーであるとはいいきれません。

とはいえ、一般的にはふさわしくないといわれるものであるため、避けたほうが無難です。贈りたいのであれば、地域の慣習に詳しい方に確認したほうがよいでしょう。

縁起物

鰹節昆布といった縁起物も香典返しには不向きです。鰹節はお祝いごとの定番であり、昆布も「こんぶ」という響きが「よろこぶ」につながるとされるためです。

どちらも香典返しなどではなく、結納などのおめでたいシーンで使用するのがふさわしいため、避けたほうがよいでしょう。

商品券や金券

商品券や金券も避けたほうがよいとされています。好きなものを購入してもらえるという点では喜んでもらえると感じるかもしれませんが、金額が明確になってしまうため避けたほうが無難です。

相手に好きなものを選んでほしいと考えるなら、カタログギフトを贈ったほうが適切であり相手にも喜ばれるでしょう。

香典返しに関する注意点

知らないうちにマナー違反をしないよう、香典返しをする際は知っておいたほうがよいことがいくつかあります。ここでは、香典返しに関する注意点について解説します。

香典返しの品物には掛け紙を掛ける

香典返しの品物には掛け紙を掛けるのがマナーです。掛け紙とは、包装した香典返しに掛ける紙のことで、弔事用には「のし」はなく、水引だけが印刷されています。

一般的には「黒白結び切り」が使用されますが、宗教・宗派や地域によって使用する掛け紙は異なります。宗教・宗派や地域別の掛け紙は以下のとおりです。

 掛け紙表書き
全般黒白結び切り
仏式黒白結び切り
(蓮の絵あり)
仏式(関西~西日本)黄白結び切り
(蓮の絵あり)
満中陰志
キリスト教式黄白結び切り偲び草
神式双銀または黒白結び切り(東日本)
双銀または黄白結び切り(西日本)
偲び草

このように、宗教・宗派は同じでも、地域によって異なるケースもあります。

また、掛け紙の掛け方には「内のし」と「外のし」があります。一般的なのは外側から見えない内のしですが、地域にもよるため要注意です。郵送する場合は内のし、手渡しするなら外のしというように使い分けることもあります。

香典返しを郵送する場合は挨拶状を添える

香典返しの品物を郵送する場合、挨拶状(お礼状)を添えるのがマナーです。挨拶状とは、香典に対するお礼や四十九日の法要が無事終わったことを報告する意味で添える手紙のことをいいます。

香典返しを直接手渡す場合や当日返しをしたときは不要ですが、香典返しを郵送するなら挨拶状を添えましょう。

注意点は、挨拶状の文面が宗教・宗派によって異なることです。事前にルールを確認してから作成しましょう。

生花をいただいた場合は多めにお返しをする

祭壇に飾る生花(供花)をいただいた場合、挨拶状だけ送ればよいという考え方もありますが、返礼は不要との記載がないかぎり、お返しをしたほうがより気持ちが伝わるでしょう。

品物の金額相場は香典返しと同様に、いただいた金額の3分の1~半額です。香典もいただいているなら、香典と花代を足した合計額の3分の1~半額相当の品物を選びましょう。

会社に香典返しをすべきかはケースによる

会社から香典をいただいた場合、香典返しをすべきかどうかはケースによります。香典の贈り主と香典返しの要不要については以下のとおりです。

香典の贈り主香典返しの要不要
会社(勤務先)不要
会社(取引先)不要
会社名+社長名要確認
上司や同僚
課や社員一同などの連名

会社の総務部などから香典が届いたような形式的なケースであれば、福利厚生として扱われるため香典返しをしないことが一般的です。取引先から届いた場合も、交際費として経費計上されるため不要です。

ただし、会社名+社長名など、個人名が入っていて経費になるのかわからないときは会社の担当部署に確認するとよいでしょう。

上司や同僚など、個人からいただいた場合は、辞退されていないかぎり香典返しを贈るのがマナーです。何名かの連名ならそれぞれにお返しをするか、金額が少額であれば個包装のお菓子など、複数人で分けられるようなものを選ぶとよいでしょう。

当日返しはかえって手間がかかることもある

当日返しは、かえって手間がかかることもあります。当日返しとは、あらかじめ品物を用意しておき、葬儀の当日に香典返しをすることで、即日返しともいいます。

当日返しをする場合、香典の金額に関係なく参列した方全員に同じ品物を手渡すため、品物を手配する手間自体は減るでしょう。

しかし、高額な香典をいただいたときは、当日返しだけでは返しきれないことがあります。そのときは後日あらためて不足分に対しての贈りものをする必要があるため、何件も重なればかえって手間に感じる可能性があります。

地域によっては香典返しをしない場合もある

地域によっては、慣習で香典返しをしないことがあります。たとえば、北海道や北陸では当日返しが主流です。東北では、葬儀の際に改葬御礼の品物を配布する略式が一般的です。

一家の大黒柱が亡くなり、受け取った香典を遺族の生活費や子どもの養育費に充てる場合や、香典返しは不要との申し出があったときなど、状況次第では香典返しを行わないケースもあります。

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