遺産分割協議書は自分で作成できる?書き方や作成の流れを解説

「遺産分割協議書を自分で作成する方法を知りたい」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

遺産分割協議書は、相続人が自分で作成できます。ただし、相続財産の取得割合が不明確な場合や相続人全員の署名・押印がない場合は無効となるため注意しましょう。

こちらの記事では、遺産分割協議書を自分で作成する方法や、作成する際の注意点などを解説します。相続が発生し、遺産分割協議書を作る予定がある方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

1分でわかる!記事の内容
  • 遺産分割協議書は、時間がかかるものの自分で作成できる
  • 遺産の分け方が不明確の時や相続人全員の署名・押印が無い遺産分割協議書は無効になる
  • 遺産分割協議書の書き方に不安があるときは専門家に頼るのがおすすめ

遺産分割協議書の作成は必要か?

遺産分割協議書は、相続におけるすべての場面で必要になるわけではありません。被相続人(亡くなった方)の遺産を分割する方法は「遺言書による遺産分割」と「遺産分割協議による遺産分割」に分かれます。

なお、遺産分割の方法については、民法で下記のように定められています。

被相続人が遺言書を残しており、相続人全員の反対がない 遺言書の内容に沿って遺産分割を行う
被相続人が遺言書を残していない 遺産分割協議書を作成する
被相続人が遺言書を残しているが、相続人全員の反対がある 遺産分割協議書を作成する

平成29年の法務省の調査によると、55歳以上で自筆証書遺言を作成したことがある人の割合は3.7%、公正証書遺言を作成したことがある人の割合は3.1%でした。

遺言書を作成している人は少ないことから、多くの相続のシーンにおいて遺産分割協議書を作成する必要があります。

なお、相続人が1人の場合はそもそも遺産分割という概念がないため、遺産分割協議書は不要です。

遺産分割協議書は自分で作成できる

遺産分割協議書は、相続人が自分で作成できます。法令でも「遺産分割協議書は誰々が作成しなければならない」という決まりはないため、自分で作成しても何ら問題ありません。

遺産分割協議書は、相続トラブルを防ぐために重要な役割を果たしています。遺産分割協議書があれば、協議後に相続人から「聞いていない」などと蒸し返されることを防げるため、非常に重要な書類と言えるでしょう。

有効な遺産分割協議書を作成するには相続人全員の署名と実印の押印が必要になり、自分で作成しようとすると手間と労力がかかります。

行政書士や司法書士などの専門家に遺産分割協議書の作成を依頼できるため、「自分で作成するのは難しい」と感じたら専門家を頼ることも検討してみてください。

遺産分割協議書を自分で作成するときの流れ

遺産分割協議書を自分で作成するには、正しい順序を踏むことが大切です。順序を間違えると「最初から作り直し」という事態にもなりかねないため、気を付けましょう。

  1. 相続人を調べる
  2. 相続財産を調べる
  3. 遺産分割協議を行う
  4. 遺産分割協議書を作成する

相続人を調べる

遺産分割協議書を作成するにあたり、相続人を調べることが第一歩になります。遺産分割協議書は、相続人全員で合意し、署名押印する必要があるためです。

なお、配偶者は必ず法定相続人になり、配偶者以外の法定相続人の順位は民法上下記のように定められています。

相続順位
  • 第1順位:子(代襲相続が生じた場合は孫)
  • 第2順位:直系尊属(父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹(代襲相続が生じた場合は甥・姪)

被相続人の出生から死亡まで記載されている謄本を見ながら、相続人を確定させます。

相続財産を調べる

相続人が確定したら、相続財産を調べます。相続の方法には下記の3つがあり、被相続人に多くの借金がある場合は相続放棄を選択するのが一般的です。

相続の方法
  • 単純承認:プラスの財産もすべて承継する
  • 限定承認:プラスとマイナスの財産を合算してプラスの場合のみ承継する
  • 相続放棄:プラスの財産もマイナスの財産も承継しない

調べるべき相続財産は、具体的に下記のとおりです。

被相続人の財布の中身やパソコンのブックマーク、普段の趣味などを勘案して相続財産を調べていきます。

調べるべき相続財産
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 不動産
  • 自動車
  • ゴルフ会員権
  • 債権
  • 貴金属・骨董品

遺産分割協議を行う

被相続人の財産を調べた結果、財産を相続することになったら、遺産分割協議を進めていきます。あわせて、被相続人が遺言書を残しているかも確認しましょう。

有効な遺言書がある場合は、相続人全員の反対がない限りは遺言書の内容通りに遺産分割が行われます。もし有効な遺言書がなければ、相続人全員が同意するまで遺産分割協議を行う必要があります。

相続人全員が一堂に会して協議するケースが一般的ですが、相続人が遠方に住んでいる場合などは、電話やオンラインで協議しても問題ありません。

遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議を通じて遺産分割の内容が確定したら、相続人全員で遺産分割協議書を作成します。相続人全員の署名・実印による押印がないと有効な遺産分割協議書にならないため、注意しましょう。

遺産分割協議書は「誰が、何を、どの割合で相続するか」を明記することが大切です。相続人の署名と押印に関しては、直接会ったときにもらっても、郵送でもらっても問題ありません。

また、あわせて相続人の印鑑登録証明書も必要になるため、忘れずにもらいましょう。

遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議書は誰でも作成できますが、初めて作成する方にとっては「どのように書けばいいのかわからない」と感じることもあるでしょう。以下で、遺産分割協議書の書き方・知っておくべきことについて解説します。

手書きでもパソコンでも作れる

遺産分割協議書に決まった様式はなく、手書きでもパソコンでも作成できます。WordやGoogleドキュメントなどで本文を作成し、署名は直筆で行っても問題ありません。

ただし、内容に不備がある場合は無効な遺産分割協議書になり、最初から作り直す必要に迫られます。きちんと内容を確認し、精査したうえで作成を進めましょう。

被相続人の情報を明記する

遺産分割協議書には、被相続人(亡くなった方)の情報を記載する必要があります。「誰が財産を残したのか」という情報がないと、誰の相続かわからないためです。

遺産分割協議書には、被相続人の名前や生年月日、最後の住所などをきちんと記載しましょう。

相続人と相続財産を明記する

遺産分割協議書を作る際に重要となるのが「誰が、何を、どの割合で相続するのか」です。「妻〇〇」「長男△△」のように、被相続人との関係と続柄、氏名を忘れずに記載しましょう。

また、被相続人がさまざまな財産を保有していた場合は、相続する遺産を特定しなければなりません。遺産が正しく特定できないと、相続登記や預貯金の移管手続きができないため、注意しましょう。

具体的には、下記の財産について相続人と相続割合を、第三者が見ても判断できるように明記することが大切です。

相続財産 記載する内容
預貯金 銀行名、支店名、口座番号、名義人の名前
不動産 地番や不動産の種類、所在地など登記簿謄本通りに記載
株式などの有価証券 証券会社名、発行会社名、株式数
債務・負債などの借金 債権者、契約内容、債務残高など

作成日付を明記する

遺産分割協議書の最後には、作成した日付を明記しましょう。日付がないと、いつ作成したのかわかりません。

相続発生前に合意した内容であれば無効になり、相続発生後に合意した内容であれば有効な遺産分割協議書として取り扱います。しかし、日付がなければ無効か有効か判断できないため、相続手続きが進まなくなってしまいます。

そのため、署名・押印した後は必ず作成した日付を記載しましょう。記載するのは、相続人の代表者で構いません。

遺産目録を添付する

遺産分割協議書を作成するにあたり、必要書類として遺産目録を添付する財産を把握しやすくなります。遺産目録の作成と添付は必須ではありませんが、遺産目録を添付して財産を列挙するケースが一般的です。

遺産目録には、被相続人が死亡時に保有していたすべての財産(プラスの財産とマイナスの財産すべて)を記載します。財産の種類ごとに一覧でまとめることで、遺産をわかりやすく整理できるでしょう。

また、生前に被相続人が相続人の負担を軽減するために、目録を作成しているケースもあります。

後日判明した財産の取扱いを明記する

遺産分割協議書を作成した後に、未調査の遺産が見つかることもあります。再度遺産分割協議書を作成するのは骨が折れるため、遺産分割協議書の中に後日判明した財産の取扱いを明記しておきましょう。

具体的には、「後日見つかった財産は妻が相続する」のように明記すれば、後日遺産が発見されても相続トラブルが起きません。

相続人全員の署名と押印を忘れない

遺産分割協議書に、相続人全員の署名と押印の漏れがないか確認しましょう。有効な遺産分割協議書を作成するには、相続人全員の署名と押印が必須だからです。

「仲が悪いから、次男には相続させたくない」と考えていても、次男を省いて遺産分割協議書を作成することはできません。

また、遺産分割協議書への押印は「実印」である必要があります。実印で押印することと、印鑑登録証明書をもらうのを忘れないようにしましょう。

契印や割印をする

遺産分割協議書が複数枚に及ぶ場合は、契印を押しましょう。契印があることで、遺産分割協議書の改竄や不正コピーを防げます。契印に関しても、相続人全員が実印で押印することをおすすめします。

遺産分割協議書を製本した場合は、製本テープと表紙、製本テープと裏表紙にまたがるように実印を押しましょう。

相続人が2人以上いる場合は、すべての遺産分割協議書にまたがるように割印を押すことも大切です。契印と同じく、割印にも改竄や不正コピーを防ぐ効果があるため、安心して相続手続きを行えるメリットがあります。

相続人分の枚数を作成する

遺産分割協議書は、各相続人が保管することになるため原本を相続人分作成します。各相続人が遺産分割協議書を使い、役所や金融機関で遺産の名義変更を行うことになります。

1通の遺産分割協議書を相続人で使い回すことも可能ですが、これはおすすめしません。紛失のリスクがあるうえに、相続する遺産ごとに相続手続きが必要となるため、相続手続きがスムーズに進まない可能性があるためです。

そのため、遺産分割協議書は相続人の人数分作成し、各自で大切に保存しましょう。

生命保険金や死亡退職金は記載する必要がない

遺産分割協議書に、生命保険金や死亡退職金を記載する必要はありません。生命保険金や死亡退職金は「受取人固有の財産」で、遺産分割の対象外だからです。

遺産分割協議書に生命保険金や死亡退職金を記載しても法的に問題があるわけではありませんが、記載する必要がない点は押さえておきましょう。

遺産分割協議書を自分で作成するリスク

遺産分割協議書は相続人が自分で作成できますが、さまざまなリスクがあります。遺産分割協議書を自分で作成するリスクを解説するため、不安がある場合は専門家に任せることを検討しましょう。

不備があり無効になる

遺産分割協議書に不備があると、無効なものとして取り扱われます。遺産分割の方法や取得割合に不備があるケースや、相続人全員の署名や押印がないケースが該当します。

無効な遺産分割協議書を作成しても、相続登記や相続税申告などの手続きを進めることができません。遺産分割協議書を作成した結果、いつまでも相続手続きが進まずにストレスを感じるリスクがある点には留意しましょう。

もし遺産分割協議書を作り直す必要に迫られたときは、あらためて相続人全員に協力を依頼する必要があります。相続人が多いと膨大な手間と労力が必要になるため、遺産分割協議書を自分で作成するときには注意が必要です。

手続きを進めるのに時間がかかる

遺産分割協議書は相続人全員の同意が必要になることから、手続きを進めるのに時間がかかります。相続人が多い場合や遠方に住んでいる相続人がいる場合は、なおさらです。

遺産分割協議書の作成を行政書士などの専門家に依頼すれば、戸籍謄本や除籍謄本などの必要書類の収集などを代行してくれます。しかし、自分で作成する場合は、相続人の協力を仰ぎながら作業を進める必要があり、時間がかかってしまう点は否めません。

また、もし遺産分割協議書を自分で作成して必要書類が不足していたことが判明したら、最初から作り直しになるケースもあります。遺産分割協議書の作成は作業負担が重く、手間がかかる点は事前に押さえておきましょう。

相続人を把握しきれていない

相続人全員を把握しきれないケースもあります。特に、被相続人に離婚歴がある場合、前妻の子も相続人になるため把握が困難になりがちです。

遺産分割協議書の作成にあたって、相続人全員の同意が必要になることから、相続人の把握に漏れがあるといつまでも遺産分割協議書が完成しません。

もし被相続人に離婚歴がある場合は、相続人の把握や相続人同士でのコミュニケーションが困難になる可能性がある点には注意しましょう。

相続財産に漏れがある

被相続人と生前に遺産について話していない場合、相続財産の把握に漏れがある可能性があります。遺産分割協議書を作成した後に新しく遺産が発見された場合、相続トラブルに発展しかねません。

相続手続きを進めるにあたって遺産の調査は必須ですが、素人が調査すると遺産の把握が完全にできない可能性もあります。例えば、被相続人が転勤族だった場合、多くの地方銀行で口座を開設しているケースも考えられるでしょう。

被相続人の財産を正確に把握するのが難しい場合は、専門家に頼ることも検討してみてください。

相続のトラブルが起こると対処が難しい

相続トラブルが起きた家族を「争族」と呼ぶこともありますが、素人同士で遺産分割を進めるとトラブルが起こる可能性があります。

「生前に自分は介護していたから多めに遺産が欲しい」「そんなことは相続に関係ない」など、さまざまな理由がトラブルに発展しかねません。

特に、相続人間の仲が悪い場合はトラブルになりやすく、解決のきっかけすら掴めずに泥沼化することもあります。感情的な争いが生じるといつまでも遺産分割協議が進まないため、要注意です。

自分以外に遺産分割協議書を作成できる人

遺産分割協議書は自分で作成できますが、専門家に依頼することも可能です。遺産分割協議書の作成を依頼するにあたって、代表的な人を解説します。

なお遺産分割協議書の作成には費用がかかりますので、ご注意ください。

行政書士

行政書士は、官公署に提出するための書類作成の専門家です。遺産分割協議書の作成も行っているため、作成方法や書き方がわからないときは相談すると良いでしょう。

ただし、行政書士はトラブルを解決する専門家ではないため、遺産分割の内容が決まっている場合のみ対応してくれます。

司法書士

司法書士は、不動産の相続登記をはじめとした登記の専門家です。法務局に提出する書類として遺産分割協議書を作成してくれるため、遺産に不動産が含まれる場合は司法書士に相談すると良いでしょう。

司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼すれば、書類の作成と相続登記の手続きをワンストップで請け負ってくれます。

税理士

税理士は税金の専門家で、相続税申告の手続きにも精通しています。相続税が発生するときや相続税の節税方法を知りたい場合は、税理士に遺産分割協議書の作成を依頼すると良いでしょう。

税理士は相続税の申告と納付までサポートしてくれるため、相続にあたって煩雑な税務作業をまとめて依頼できるメリットがあります。

弁護士

弁護士は、トラブルを解決する専門家としてあらゆる相続問題に対応しています。遺産分割協議書の作成はもちろん、遺産分割をめぐるトラブルが起こりそうなときは弁護士に相談すると良いでしょう。

トラブルや紛争を解決する「非弁行為」ができるのは、弁護士だけです。行政書士・司法書士・税理士は非弁行為ができないため、トラブルが起きたら弁護士に相談するしかありません。

弁護士に依頼すれば、相続人の事務負担やストレスを軽減できます。相続トラブルの解決と遺産分割協議書の作成をまとめてサポートしてもらいたい場合は、弁護士へ依頼してください。

遺産分割協議書の作成を専門家に依頼するべきケース

遺産分割協議書を作成するにあたって、「専門家に依頼した方が良い」ケースがあります。以下のいずれかに該当する場合は、遺産分割協議書を自分で作成せず、専門家に頼ることを検討してみてください。

  • 相続人の数が多い
  • 相続人が遠方に住んでいる
  • 相続財産の種類が多い
  • 記載方法が合っているか自信がない
  • 相続税の計算ができない
  • 相続人同士のトラブルで遺産分割協議が進まない

相続人の数が多い

相続人の数が多い場合は、遺産分割協議書の作成を専門家に依頼しましょう。相続人の数が多ければ多いほど、遺産分割協議書を作成する労力は増えます。

さらに、相続人が多ければトラブルが起こるリスクも高くなるため、専門家に頼りながら手続きを進めた方がスムーズです。

相続人が遠方に住んでいる

相続人が遠方に住んでいる場合も、遺産分割協議書の作成は専門家に頼るのがおすすめです。相続人全員が一堂に会せない場合、署名と押印は郵送で行うことになります。漏れの確認と郵送する手間が発生する点を考えると、負担はかなり重いといえます。

専門家に依頼することで、遺産分割協議書の漏れの確認と郵送の手続きを専門家任せられるため、相続人の事務負担を軽減できるでしょう。

相続財産の種類が多い

相続財産の種類が多い場合は、遺産分割協議書の内容が複雑になります。複雑になると有効な遺産分割協議書の作成が難しくなるため、専門家に頼ると良いでしょう。

特に、不動産や骨董品などの価値は素人では判断できないため、税理士などに依頼するのがおすすめです。税理士に依頼すれば、「相続税を申告しておらず、追徴課税を受ける」というリスクを軽減できるメリットもあります。

記載方法が合っているか自信がない

遺産分割協議書の記載内容に不備がある場合は、無効となり相続手続きを進められません。記載方法が合っているか自信がないときは、専門家に相談するのがおすすめです。

行政書士や司法書士の中には、遺産分割協議書の作成だけでなく「確認」を行ってくれるところもあります。少しでも不安がある場合は、専門家に相談して安心感を得ると良いでしょう。

相続税の計算ができない

相続税の計算ができないときは、税理士に相談しましょう。相続税の計算は複雑で、素人が計算するのは難しいです。しかし、税金の専門家である税理士に依頼すれば、正しく相続税を計算して納付手続きまでサポートしてくれます。

無理に自分で相続税の申告を行った結果、過少申告だった場合は後々になって追徴課税を受けることになります。相続税の計算方法に少しでも不安があるときは、税理士に相談した方が結果的に安くなることが多いです。

相続人同士のトラブルで遺産分割協議が進まない

相続人同士でトラブルが起き、遺産分割協議が進まないときは弁護士に相談しましょう。紛争やトラブルを解決できるのは弁護士のみで、相続人同士で協議が進まないときはできるだけ早く弁護士を頼るのがおすすめです。

遺産分割協議書が必要となる手続き

遺産分割協議書は、相続手続きに関するさまざまな場面で提出が求められます。逆に言えば、遺産分割協議書がないといつまでも相続手続きが進みません

遺産分割協議書の提出先とできる手続きは、具体的に下記のとおりです。

遺産分割協議書が必要となる手続き
  • 税務署:相続税の申告
  • 法務局:不動産の名義変更
  • 金融機関:預貯金の名義変更、有価証券の名義変更
  • 運輸局:車の名義変更

被相続人と生計を同一にしていた配偶者などは、預金の名義変更ができないことで生活に支障が出てしまう可能性があります。また、一連の相続手続きをスムーズに完了させるためにも、有効な遺産分割協議書を作成することは大切です。

遺産分割協議書を自分で作成するときのよくある質問

最後に、「遺産分割協議書はどこでもらえるのか」など、遺産分割協議書を自分で作成するときのよくある質問を紹介します。多くの方が感じる疑問をピックアップしたので、参考にしてみてください。

遺産分割協議書はどこでもらえる?

遺産分割協議書には、既定のフォーマットがありません。手書きやパソコンを用いて、自分で作成することが可能です。

書き方に関しても法的な決まりはないため、WordでもGoogleドキュメントでも構いません。

遺産分割協議書のひな形はダウンロードできる?

国税庁と法務局のホームページで、遺産分割協議書のひな形はダウンロードできます。法務局の遺産分割協議書は不動産の登記申請を想定しているため、国税庁のひな形を利用するのがおすすめです。

遺産分割協議書はいつまでに作成するべき?

遺産分割協議書は「いつまでに作成しなければならない」という法律上の期限はありません。ただし、相続税の申告・納付は「相続が起きたことを知った日から10カ月以内」に行う必要があります。

また、不動産の登記に関しては「相続が起きたことを知った日から3年以内」に行うことが義務付けられています。

遺産分割協議書を紛失したらどうすればいい?

遺産分割協議書を紛失したときは、他の相続人に遺産分割協議書の原本を借りて手続きを進める方法があります。自分用の遺産分割協議書原本を再作成するには、他の相続人全員の協力を得て再度作成する必要があります。

いずれにしても手間がかかるため、遺産分割協議書は紛失しないように大切に保管しましょう。

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\相続1分診断!/