戸籍謄本を取り寄せる方法は?必要な書類や費用を解説

戸籍謄本を取得したくても、本籍地が遠くて取りに行けずに困っている方は多いのではないでしょうか?

戸籍謄本は本籍地の市区町村役場でしか取得できませんが、本籍地が遠方にある場合は郵送やコンビニ交付を利用して取り寄せられます。取り寄せ方法を知っておけば、本籍地が遠い場合でもスムーズに対応できるでしょう。

この記事では、戸籍謄本を取り寄せる方法や、取り寄せに必要な書類と費用・日数について解説します。

1分でわかる!記事の内容
  • 戸籍謄本の取り寄せ方法は郵送・コンビニ・代理人・専門家の4通りある
  • すぐに取り寄せたいならコンビニ交付が便利
  • 取り寄せ方法によって必要書類や費用・日数が異なる

戸籍謄本を取り寄せる方法

戸籍謄本を取り寄せる方法は、主に4通りあります。

郵送で取り寄せる

本籍地(戸籍を保管している市区町村役場)が遠方の場合や、忙しくて直接役所に出向くことが難しい場合は、郵便での取り寄せが可能です。本籍地の市区町村役場に必要書類を同封して送ると、後日自宅まで返送してくれます。

取り寄せる前に、各役所のホームページにて事前に手続きの手順をチェックしておきましょう。わからないことがあれば、市区町村役場の戸籍係に電話で問い合わせておくことをおすすめします。

コンビニ交付を利用する

コンビニ交付を導入している市区町村であれば、戸籍謄本をコンビニで発行できます。店員さんから受け取るのではなく、 マルチコピー機をご自身で操作して取得します。 

画面の指示に従って操作すれば、その場ですぐに取得できるため手間がかかりません。

マルチコピー機の画面操作手順は以下のとおりです。

  1. マルチコピーメニューの「行政サービス」を選択する
  2. 「証明書交付サービス」を選択する
  3. 利用上の同意事項を確認して「同意する」を選択する
  4. マイナンバーカードをコピー機にセットして読み取る
  5. 「お住まいの市区町村の証明書」を選択する
  6. マイナンバーカード発行時に登録したパスワード(数字4桁)を入力する
  7. マイナンバーカードをマルチコピー機から外す
  8. 「戸籍証明書」を選択する
  9. 交付種別(本人のみ、世帯全員、世帯一部)を選択する
  10. 記載事項や必要部数を入力する
  11. 料金を支払い発行する

コンビニ交付なら、役所が閉まっている早朝・深夜の時間帯や土日祝日でも発行が可能です。

ただし、すべての市区町村がコンビニ交付に対応しているわけではありません。コンビニ交付に対応しているかどうかは、「コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付」で確認できます。

代理人に依頼する

ご自身が役場に出向けない場合は、委任状を書いて代理人にお願いする方法もあります。委任状があれば、本人や家族以外でも交付申請は可能です。

戸籍謄本を請求する際に、戸籍筆頭者の氏名や生年月日などを聞かれることがあるので、あらかじめ代理人と情報を共有しておきましょう。

専門家に代行を依頼する

弁護士や司法書士などの専門家に依頼して戸籍謄本を取り寄せる方法もあります。専門家に任せれば依頼者はほとんど何もしなくてよいので、労力や時間を大幅に節約できます。

相続手続きに必要な戸籍謄本類が多いと、漏れなく取得するのは大変です。すべて集めたと思っても漏れが生じてしまい、あとに追加で取得しなければならないケースもあります。

スムーズに取得したいなら、専門家へ依頼しましょう。

戸籍謄本は県外からも取り寄せできる?

戸籍謄本は県外からも取り寄せは可能です。本籍地が県外にある場合は、郵送やコンビニ交付などを利用しましょう。

郵送だと手元に届くまでに10日〜2週間程度かかるので、早めの準備が大切です。

戸籍謄本の取り寄せにかかる日数は?

戸籍謄本の取り寄せにかかる日数は、郵送とコンビニで異なります。

郵送なら10日程度

郵送で取り寄せる際にかかる日数は、一般的に10日程度です。請求枚数が多い場合や郵便事情によっては、さらに日数を要することがあります。

普通郵便の場合、投函してから役場に届くまでに通常2〜3日かかります。書類に不備がなければ役所が当日〜翌日に発送し、申請者に届くのは発送日から2〜3日後です。

土日祝日を挟むとさらに時間を要するため、手元に届くまでに2週間程度かかるでしょう。

なお、申請書類の不備があった場合は、不備が解消されるまで発送できないので、さらに日数がかかります。急ぐ場合は、速達便で請求しましょう。

コンビニ交付なら即日

コンビニ交付ならその場で発行されるため、戸籍謄本を即日で取得できます。コピー機画面で簡単な操作をするだけで取得できるため、時間も数分ほどしかかかりません。

戸籍謄本を取り寄せるときは何が必要?

戸籍謄本の取得に必要なものは、取り寄せ方法によって異なります。どの方法を利用するかを決めて、何が必要になるかをしっかり確認しておきましょう。

郵送は本人確認書類の写しと請求書が必要

郵送で取り寄せる場合は、本籍地の役所宛に下記の必要書類を揃えて送付しましょう。

戸籍謄本を郵送で取り寄せる場合に必要な書類
  • 戸籍謄本等郵送請求書
  • 本人確認書類の写し(運転免許証など顔写真のついているもの)
  • 発行手数料分の定額小為替
  • 切手を貼った返信用封筒

戸籍謄本等郵送請求書は、最寄りの市区町村役場の窓口や、役所のホームページからダウンロードして取得できます。
申請書類の様式が決まっていないので、ご自身で作成したものを使用しても構いません。本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどの顔写真入りのものに限られます。

定額小為替とは、現金を定額小為替証書に換えて送金する方法です。発行手数料分の定額小為替を事前に郵便局で購入しておきましょう。

戸籍謄本を受け取るための返信用封筒と切手も同封する必要があります。返信用封筒の宛名には、ご自身の住所と名前を書いておきましょう。
戸籍謄本が複数枚になる場合は、大きいサイズの封筒を用意してください。送付先の住所は、役所のホームページで確認できます

請求書の書き方

戸籍謄本等郵送請求書には、以下の4項目を記入します。

請求者 請求者の住所・氏名・電話番号・必要な者との続柄を記入する
必要な者の戸籍 必要な者の本籍・氏名を記入する
請求書類 必要枚数を記入する
使途ほか 戸籍謄本を請求する理由を記入する(例:相続関係手続きに使用するため)

戸籍謄本等郵送請求書の記入例は、各自治体のホームページなどで確認できます。書き方がわからない場合は、自治体のホームページをチェックするか、直接問い合わせて確認しましょう。

コンビニ交付はマイナンバーカードが必要

コンビニ交付をするときには、下記のものが必要です。 

コンビニ交付をする際に必要なもの
  • マイナンバーカード
  • マイナンバーカード登録時に設定した4桁の暗証番号
  • 発行手数料

マイナンバーカードがないと、コンビニ交付はできません。マルチコピー機で発行手続きをするときに、暗証番号も必要になります。

代理人は委任状が必要

代理人が申請する際は、下記のものが必要です。

代理人が申請する際に必要なもの
  • 本人からの委任状(代理人が本人と同じ戸籍に属する場合は不要)
  • 代理人の本人確認書類 (顔写真つきのもの)

委任状には受任者名とご自身の住所を記入し、署名押印しましょう。

ただし、同じ戸籍に入っている方なら委任状なしで取得できます。委任状なしで取得できる方は、本人および同一戸籍内の方(親子や配偶者)、本人の直系血族の方(父母や子など)です。 

上記以外の方(既婚の兄弟姉妹や配偶者の父母など)が取得する場合は、委任状が必要です。

代理人は、本人の本籍地のある役所の窓口で申請しましょう。

戸籍謄本の取り寄せにかかる費用

戸籍謄本を取得する費用は、取り寄せ方法によって異なります。費用を間違えないように、ここでしっかり確認しておきましょう。

郵送は往復分の切手代がかかる

郵送の場合は、発行手数料と切手代がかかります。 

戸籍謄本の発行手数料 1通:450円
切手代 1通:84円
複数枚:94〜140円程度

切手代は、申請用と返信用の往復分が必要です。発行手数料は、必要枚数分の定額小為替を郵便局で購入しておきましょう。

コンビニ交付は通常手数料よりも安い

コンビニ交付の発行手数料は、1通400~450円です。地域によっては、役所窓口で申請する通常の手数料(1通450円)よりも安くなることがあります。また、期間限定キャンペーン等を利用して、通常よりも安く取得できるケースもあります。

専門家に代行を依頼する場合は数万円ほどかかる

弁護士などの専門家に代行を依頼するときの費用相場は、約3~8万円です。

ご自身で取り寄せるよりも高い料金がかかりますが、専門家に依頼したほうが手間をかけずに済みます。戸籍謄本の取り寄せは困難を極めることもあるため、状況次第では専門家に依頼したほうがよいでしょう。

ただし、依頼する範囲や事務所によって料金が異なるので注意が必要です。詳細は個別に問い合わせをして確認しておきましょう。

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