家族葬の費用を安く抑える9つの方法|費用相場や注意点も解説

葬儀の準備を進める中で、「家族葬に興味があるけれど、どのくらいの費用が掛かるのかわからない」「葬儀の費用を抑える方法として、家族葬という選択肢はどうだろう?」などと考える方は多いのではないでしょうか?

近親者だけで行う家族葬は、一般の会葬者の対応に追われない点や、小さな会場であげられる点などから、近年注目が集まっている葬儀の形式です。確かに参列者が少ない分の費用は抑えられますが、家族葬だからといって必ずしも安くなるわけではありません。

今回の記事では、家族葬の費用を安く抑えるポイントを解説します。できるだけ安く家族葬を行いたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1分でわかる!記事の内容
  • 家族葬は会場費や飲食費が抑えられるが、必ずしも費用負担が少なくなるとは限らない
  • 家族葬の費用を安く抑えるには、余計な支出を省くことがポイント
  • 費用を抑えるとともに、給付金も忘れずに活用しよう

家族葬の費用を安く抑える9つの方法

葬儀の形が多様化し、近親者のみで行う家族葬に興味を抱いている方も多いのではないでしょうか?

親しい間柄の方だけで行う家族葬は、一般の会葬者の対応に追われることなく落ち着いて故人を見送れることから、近年注目が集まっている葬儀の形式です。

参列者が少ないことから費用を安く抑えられる特徴もありますが、家族葬だからといって必ずしも費用負担が小さいわけではありません。家族葬の費用を安く抑えるには、余計な支出を省くポイントを押さえておく必要があるのです。

家族葬の費用を抑えるための9つの方法をみていきましょう。

  • 複数の葬儀社の見積りを比較する
  • 公営斎場を利用する
  • 自宅を利用する
  • 葬儀の規模を縮小する
  • 祭壇を使わない
  • 会食を省く
  • 無宗教葬を選ぶ
  • 生前予約を活用する
  • 一日葬を検討する

複数の葬儀社の見積りを比較する

家族葬の費用を抑えるためには、複数の葬儀社の見積りを比較することが大切です。過剰なサービスを省き、必要なものだけをピックアップすることで合理的な費用を把握できます。

葬儀社を選ぶのは一般的に喪主の務めとされますが、実は近しい方が亡くなった際にやるべき手続きは非常に多く、多忙な中で葬儀の準備も進めなければなりません。

複数の葬儀会社から見積りを取る時間的な余裕がない可能性もありますが、家族と協力して比較することが望ましいです。

家族葬といっても、明確な定義付けがあるわけではありません。依頼した葬儀社によって、その認識が異なる可能性も、含まれる費用が異なるケースも多いです。

複数の見積りを比較することで、リーズナブルな葬儀社を探せるほか、必要なものと不要なものを明確化し、希望する葬儀の形を正確に認識することにもつながります。

公営斎場を利用する

家族葬の費用を抑えるのであれば、公営斎場の利用を検討するとよいでしょう。

葬儀の費用の中でも、会場の使用料は決して小さくありません。家族葬の費用が抑えられるのは、使用する会場が小さくて済むという点が大きく影響しています。

斎場には自治体などが運営する公営斎場と、寺院や民間企業が運営する民営斎場があり、公営斎場は民間に比べて使用料が安く抑えられます。

さらに火葬場が併設されている斎場では、移送費の負担が抑えられるなど、さらなるメリットが期待できるケースも少なくありません。

一方で、メリットが多いだけに利用希望者も多く、そもそも想定している日時に利用できない可能性も否めません。また、地域住民を想定した施設であるため、住民以外の利用は制限されることも多いです。

自宅を利用する

参列者の数を限定した家族葬であれば、斎場を利用せずに自宅で葬儀を行うのも有効な選択肢の1つといえます。自宅であれば、そもそも会場の利用費がかかりません

祭壇の設置ができること、棺の出入りができることなどの制限はありますが、そのような空間が確保できる自宅であれば葬儀を行うことが可能です。

自宅で葬儀を行うことで、時間的な制約を受けないなどのメリットも生じます。自宅から故人を送り出せること自体にメリットを見出す方も多いようです。

親しい親族や友人だけで行う家族葬であれば、公営斎場よりもメリットが大きい可能性もあるでしょう。

一方で、近隣の方への配慮は不可欠です。焼香の匂いや読経、木魚の音など、葬儀によって生じる影響を不快に感じる方もいます。特に一般参列を受けない家族葬では、「葬儀だから仕方ない」「葬儀だから当然」という理解を得られない可能性もあります。

葬儀の前に近隣の方に挨拶しておくことが望ましいでしょう。

葬儀の規模を縮小する

葬儀の規模はかかる費用に大きく影響するため、規模の縮小は費用の抑制に直結します。参列者を少なくすれば、会場費や飲食費などの負担が軽減するからです。

家族葬に明確な定義はないものの、近親者だけで行う比較的小規模な葬儀がそう呼ばれています。とはいえ実際には、30名程度が参列する「家族葬」も少なくないようです。

家族葬を行う際に懸念される点に、「どこまで案内するか」という点が挙げられます。

2親等くらいまでの親族だけで行うケースもあれば、故人と親しかった友人などを招くケースもありますが、いずれも呼ばれなかった方に不満が生じる可能性は否めません。

どこかで線を引かなければならないものですから、参列者を家族だけに限ってしまうのも悪くはない選択肢といえるでしょう。

祭壇を使わない

近親者だけで行う家族葬であれば、祭壇を使わないという選択肢も考えられます。祭壇がないことで、故人の棺を中心とした親密な葬儀を営めます。

祭壇とは、葬儀会場の正面に据えられた、儀式の道具やお供えを並べる台のことです。遺影や花を飾るなど、葬儀の象徴と考えられるものでもあります。

祭壇に要する費用は、葬儀費用全般の中でも決して小さくはありません。小規模な家族葬であっても、20万円~50万円程度の支出が見込まれます。

多くの方が会葬する一般葬では、葬儀の象徴である祭壇を使わないのは好ましくないかもしれません。祭壇を使わずに故人を囲むのは、近親者だけで行う家族葬ならではの選択肢といえるでしょう。

会食を省く

通夜振る舞いや精進落としなど、葬儀の中で会食の機会は何度か訪れます。近親者だけの家族葬では、形式ばった会食を省くという選択も可能です。

葬儀での会食は、故人をしのぶ時間としての意味があります。葬儀から火葬までには長い時間を要するため、食事をとる必要があることも精進落としが行われる理由でしょう。

精進落としは、葬儀に参列してくれたことに対する感謝を込めて「参列者をもてなす」という場でもあります。

このため近親者だけで行う家族葬の場合には、このような会食の場を設けないことが、参列者に対して失礼にあたることはないと考えられるのです。

無宗教葬を選ぶ

無宗教葬とは、宗教的な儀式を行わない葬儀で、自由葬とも呼ばれます。僧侶による読経などを行わないため、お布施の必要がないことが費用を抑えられる理由です。

日本では、葬儀は仏式で、結婚式はキリスト式で行うというように、特定の宗教にこだわらない方が多くいます。このため葬儀に関しても、宗教の儀式を取り入れずに行う形が徐々に増加しています。

仏式の葬儀ではないため、一般的な葬儀で行われる読経や焼香などがありません。それに代えて故人に黙祷を捧げたり、故人の好きな音楽をかけたり、献花を行ったりと、自由な形で葬儀を行えます。

無宗教という考え方自体は多くの日本人に合致しているかもしれませんが、葬儀に至ってはまだまだ一般的とはいえません。そのため親族から理解を得られない可能性もあるでしょう。

また菩提寺がある方は、その教えにしたがった葬儀をあげましょう。無宗教葬を行うことで、お墓に入れなくなる可能性も否めません。

生前予約を活用する

葬儀の生前予約とは、本人が存命中に自ら葬儀の内容を検討し、葬儀社に予約しておくことです。

予約によって割引が適用されるケースもありますが、それよりもむしろ、上記のさまざまなポイントを落ち着いて検討できることが費用の面でも有効に作用します。

前述のとおり、葬儀の手配はご遺族が多忙な中で行わなければなりません。費用を抑える知識を持っていても、それを活用できるとは限らないのです。

ご本人の生前にご家族と話合って葬儀の形を決めていけば、それぞれの希望を時間を掛けてすり合わせられるため、納得のいく葬儀の実現につながります。

不要な費用を削減でき、結果的に葬儀費用を抑制することになるのです。

一日葬を検討する

家族葬で形式に対するこだわりが少ないのであれば、通夜を行わずに告別式と火葬だけを1日で行う「一日葬」を検討してみましょう。

通夜を行わないために会場費や飲食費などが抑えられるだけでなく、例えば高齢の参列者の体力的な負担を軽減するなどのメリットも生じます。

ただし菩提寺がある場合には、一日葬で行う旨を事前に相談する必要があります。仏教では葬儀の流れにもそれぞれの意味や目的があり、通夜を省略することに否定的な寺院も少なくないからです。

また斎場を使用する場合には、費用が必ずしも抑えられるわけではない点にも注意が必要です。

遺体を葬儀の前日に運び入れなければならない場合など、葬儀が1日であっても2日分の費用が必要になる可能性もあり得ます。

給付金も活用しよう

葬儀費用を抑えることも大切ですが、一方で給付金を受けるのも忘れてはなりません。故人が社会保険に加入していた場合は「埋葬料(埋葬費)」、国民健康保険に加入していた場合は「葬祭費」の支給を受けられます。

日本はすべての方が健康保険に加入している皆保険制度を採用しているため、誰もが埋葬料か葬祭費のいずれかを受け取れる権利があります。しかしこれは「申請しなければ受給できない」仕組みであるため注意が必要です。

埋葬料は故人が加入していた健康保険組合などに、葬祭費は自治体の国民健康保険の窓口に申請します。

埋葬料、葬祭費とも、支給額はおおむね5万円ですが、保険者によって異なります。2年以内に申請をしないと、給付を受ける権利が時効によって消滅することも覚えておきましょう。

「葬儀を行った方」に対する給付金であるため、葬儀を行っていなければ受給できません。

家族葬の費用相場

家族葬の費用相場は、おおむね100万円程度といわれています。もちろん参列者数などによって大きく異なる点には注意が必要です。

一般葬に比べて家族葬の費用が抑えられるのは、参列者数が少ないため大きな斎場を用意する必要がなく、飲食費などの負担も小さくなるからです。

参列者を故人に近い関係の親族に限定した葬儀の形であるため、読経や戒名に対する宗教者へのお礼などは一般葬と変わりません。

葬儀費用の内訳

家族葬の費用の内訳は、大きく分けて3つです。

葬儀費用の内訳
  • 葬儀一式の費用(斎場の使用、祭壇の設置など)
  • 参列者をもてなす費用(通夜振る舞い、精進落としなど)
  • 宗教者へのお礼(読経、戒名へのお布施など)

家族葬であっても、基本的な流れは一般葬と変わりません。このため費用の内訳も同様で、規模によって金額が変わる支出に関してのみ、負担が少なくなります。

葬儀一式の費用

葬儀場の使用料や設営・運営にかかる費用、祭壇や棺などの宗教の道具にかかる費用、遺体の移送にかかる費用など、葬儀にかかる基本的な費用です。

会場の規模や祭壇の仕様などによって大きく金額が異なりますが、遺体を安置する日数が長くなることなども費用負担が増える要因となります。

葬儀社の見積りを比較する際には、どのような項目が盛り込まれているかもしっかりと確認することが大切です。火葬の際に必要な料金などは、葬儀社によっては見積りに計上していないケースも見られます。

葬儀社のプランに含まれる主な費用
  • 斎場使用料
  • 遺体の運搬費
  • 祭壇
  • 位牌、遺影
  • スタッフの人件費

会食などの費用

通夜振る舞いや精進落としなどの会食にかかる費用と、会葬者への返礼品にかかる費用です。

参列者の人数に応じて費用が大きく変動する項目であるため、参列者の少ない家族葬で費用負担が抑えられるポイントともなっています。

宗教者へのお礼

仏式の葬儀では、家族葬であっても読経や戒名に対するお礼としてお布施が必要です。

一般的なお布施の相場は20万~50万円程度といわれますが、金額が決まっているわけではありません。

菩提寺があれば、「みなさまはいかほど包まれますか?」と聞いてみてもよいでしょう。菩提寺でなければ葬儀社に相談しても構いません。

お布施のほか、僧侶の交通費としてのお車代、僧侶が会食を辞退した場合のお膳料として、それぞれ5,000円~1万円を渡すのがマナーです。

家族葬の費用に関する注意点

参列者が少ない家族葬では会場の費用や飲食費が抑えられ、過剰な支出が避けられます。

しかし、参列者が少なければ結果的に香典が少なくなることを意味しており、必ずしも費用負担が小さくなるとは限りません。

人数に合ったプランを選ぶ

葬儀の準備を進めるうえで、人数に合ったプランを選ぶことが大切です。

家族葬といっても、明確な定義はありません。参列者を限定した小規模な葬儀と考えられていますが、10人程の家族葬もあれば、30人が参列する家族葬もあります。

費用を抑える例で挙げた「公営斎場」などは、基本的には一般葬を想定した会場です。それでも費用は抑えられる可能性がありますが、少人数での家族葬には適さないかもしれません。

葬儀社との打ち合わせの際には、人数とともに希望の形式をできるだけ詳細に伝え、それに合ったプランを選びましょう。

見積りに含まれる内容を確認する

葬儀社の見積りを比較する際には、見積りに含まれる内容をしっかりと確認することが大切です。前述した火葬料以外にも、葬儀社によって含まれる料金が異なるケースは少なくありません。

葬儀の費用は、祭壇の形式や飾る花などによっても大きく変わります。希望の項目が含まれていないケースもあるでしょう。

それとは逆に、近親者だけの家族葬では、葬儀社の見積りで提示されたものほど豪華である必要がないケースもあり得るのです。

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