通夜と告別式の違いは?日程や流れ、香典マナーを解説

通夜と告別式の違いがわからず、どちらに参列すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

通夜と告別式の違いを知っておけば、参列者となったときに戸惑うことはありません。急な訃報にも慌てないように、通夜と告別式に関する知識とマナーをきちんと把握しておきましょう。

今回は、通夜と告別式の違いを解説するとともに、式の日程や流れをご紹介します。

1分でわかる!記事の内容
  • 通夜は夜間に行われ、告別式は日中に行われるのが一般的
  • 儀式の流れに大きな違いはないが、告別式には弔辞と弔電の朗読が組み込まれる
  • 通夜と告別式には喪服で参列し、香典は両方に持参しないのがマナー

通夜と告別式の違い

通夜と告別式には、主に以下のような違いがあります。

通夜 告別式
参列者 家族や親族 知人や仕事関係者
時間帯 夕方から夜 日中

通夜は家族や親族など、故人と親しい間柄の方が参列します。一方で告別式には、家族以外の知人や友人、仕事関係者なども参列するのが特徴です。

通夜は夕方から夜に行われることが多いのに対し、告別式は日中に行われます。

通夜とは?

通夜とは、生前故人と親しかった家族や友人が故人を偲び、最期の夜を過ごす儀式です。

本来は線香やろうそくの火をつけたまま故人とともに自宅で夜を過ごし、夜を通して別れを惜しむ儀式でしたが、現代は1~3時間程度の「半通夜」を行うケースが増えています。

通夜は告別式の前夜に葬儀場で執り行われ、家族や親族など故人と親しかった方が参列します。通常18~19時頃から始まり、遺族は通夜振る舞いをして参列者をもてなすのが一般的です。

告別式とは?

告別式とは、故人の友人や知人などが参列して、最期のお別れをする儀式です。通夜と異なる点は、宗教的な要素がないことと、誰でも参列できる点です。

故人へ別れを告げる社会的な儀式なので、宗教色は薄く、故人の死を悼んでいる方なら基本的に誰でも参列できます。

葬儀の直後に行われることが一般的ですが、明確な区切りはありません。最近は同時に行うケースが増えており、葬儀と告別式を一括りにして「告別式」と呼ばれる傾向にあります。 

通夜と告別式はどっちに参列すべき?

通夜と告別式は、どちらに参列しても構いません。都合がつくなら、両方参列しても大丈夫です。

本来の通夜は近親者だけが参列する儀式でしたが、告別式は日中に行われるため、仕事の都合上、参列が難しいのが実情です。夕方から始まる通夜のほうが参列しやすいため、近年は近親者以外の方も通夜に参列するケースが増えています。

故人と親しい間柄であれば、通夜と告別式の両方に参列するのがよいでしょう。故人との関係がそれほど深くないなら、いずれかに参列すれば問題ありません。仕事関係者の場合は、会社の指示に従うことも大切です。

ただし、告別式は遅刻や途中退出はマナー違反です。通夜は遅れても参列できるので、告別式の受付時間に間に合いそうにない場合は、通夜への参列をおすすめします。

通夜と告別式の日程

ここでは、通夜から告別式までの一連の流れを紹介します。

通夜の流れ

通夜は2~3時間程度で終わるのが一般的ですが、参列者の人数によって伸びる場合もあります。通夜の流れは宗教や宗派、地域によって異なりますが、ここでは一般的な流れをご紹介します。

通夜の受付

通夜の受付は午後6~7時頃に始まるのが一般的です。通夜の30分前から受付が始まりますが、通夜の時間内ならいつ到着しても問題ありません。一般的には、お通夜が始まる15~30分前に到着するのがよいでしょう。

遅れる場合は、式の進み具合を葬儀場に尋ねて、焼香に間に合うかを確認します。

受付では香典を渡し、芳名帳(ほうめいちょう)に名前と住所を記帳します。受付を済ませたら着席して、開式を待ちましょう。

僧侶の読経

開始時間になると僧侶が入場して、読経を行います。宗教・宗派によって異なりますが、読経は30分ほど続きます。10分程度の法話をされる場合もあるので、そのまま静かに耳を傾けましょう。

僧侶の読経が始まると、遺族から順番に焼香を行うため、ご自身の順番が来るまで待ちます。

焼香

焼香は、喪主・家族・親族・一般の参列者の順番で行います。

焼香の作法は、立ったまま行う「立礼焼香」が一般的です。宗派によって多少の違いはありますが、一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 焼香台の手前で遺族と僧侶に一礼
  2. 焼香台の前に進み、祭壇に一礼
  3. 数珠を左手にかけ、右手で抹香をつまみ、額におしいだく
  4. 抹香を香炉に静かに落とす
  5. 合掌
  6. 少し下がって、遺族と僧侶に一礼して戻る

焼香が終われば閉式となり、順番に退席します。

通夜振る舞い

通夜のあと、1〜2時間かけて通夜振る舞いが行われます。通夜振る舞いとは、故人の供養と参列者へのお礼の意味を込めて設けられる宴席です。

かつては精進料理を出すのが習わしでしたが、近年はお寿司やサンドイッチなど、大勢で気軽につまめる大皿料理が一般的です。お茶だけだったり、お菓子を持ち帰るだけだったりと、通夜振る舞いの形式は地域によって異なります。

通夜振る舞いは故人の家族や親しい方たちが故人を偲ぶ場なので、長居をしないのがマナーです。遺族か受付に挨拶をして、早めに退席しましょう。

告別式の流れ

次に、告別式の流れをご紹介します。基本的な流れは変わりませんが、弔辞や弔電が組み込まれるのがポイントです。告別式は午前中に行うことが多く、1~2時間ほどで終了します。

葬儀・告別式の受付

葬儀と告別式は、通常開始30分前から受付が始まります。故人を送る最後の儀式なので、遅刻は厳禁です。参列者が多いと受付が混むこともあるので、早めに到着しましょう。

受付を済ませたら式場に入り、開始時間になるまで会場内で着席して静かに待ちます。祭壇に向かって右側に遺族、左側に会社関係者や友人が着席するのが一般的です。

僧侶の読経

開始時間になると僧侶が入場するので、参列者は合掌し、黙礼して迎えます。進行係が開式の言葉を述べ、僧侶による読経が始まります。

読経の時間は宗教・宗派によって異なり、浄土真宗と浄土宗は約40分、真言宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗は60分程度が目安です。

弔辞・弔電の朗読

読経が終わると、進行係が名前を呼びあげながら弔辞を朗読します。

弔辞とは、故人と親交の深かった方から贈られる別れの挨拶です。弔電は、葬儀に参列できないときに、お悔やみの気持ちを伝える電報です。

弔電では2〜3通を代読し、残りのものに関しては名前だけを読み上げます。読んだあとの弔辞・弔電は、すべて祭壇に供えます。

焼香

弔辞・弔電が終わると再び僧侶の読経が始まるので、順次焼香を始めます。焼香の順番は通夜と同じです。

儀式としては親族の焼香までが「葬儀」で、一般参列者からの焼香は「告別式」となります。

焼香が終わると僧侶が退場するため、合掌し黙礼で見送りましょう。その後、進行係が閉式の辞を述べ、退場となります。

喪主挨拶

棺の中に花や思い出の品を納めて故人に最後の別れをした後、斎場の外に出て、喪主または遺族代表が参列者に対してお礼の挨拶をします。喪主と遺族は横に並び、位牌や遺影を参列者に向けます。

挨拶が済んだら、出棺を待ちましょう。挨拶は告別式の終了時に行うこともあります。

出棺

喪主と遺族は、位牌や遺影などを持ち霊柩車へ向かいます。棺を霊柩車に納めた後、火葬場に向けて移動します。

火葬場まで同行するのは、通常、遺族や親族、友人など故人と親しい間柄の方のみです。火葬場に同行しない参列者は、霊柩車の周りに集まり、合掌して故人を送り出しましょう。

通夜と告別式のマナー

通夜や告別式に参列するときは、マナーを踏まえた服装や振る舞いが大切です。遺族に対して失礼な態度を取ることがないように、ここで参列時のマナーを押さえておきましょう。

喪服で参列する

通夜と告別式のどちらも、基本的に喪服を着用して参列します。喪主よりも格式が高い服装はマナー違反なので、男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを着用します。

男性 ブラックスーツ
ネクタイ・靴下・靴は黒色
ワイシャツは白色
女性 黒色のアンサンブル・ワンピース・スーツ
インナー・ストッキングは黒色
黒色のパンプス
真珠・結婚指輪以外のアクセサリーは身に着けない
子ども 学生なら制服
ダークカラーのブレザーとズボン、またはワンピース

男女ともにネクタイや靴を黒色にして、地味な服装にする配慮が大切です。

透けた素材や肌の露出が多い服装、派手な服装は避けましょう。暑い時期でも長袖、またはひじが隠れる袖丈のものを着用します。スカートもひざが隠れる丈のものを選びましょう。

メイクやネイル、靴やバッグも派手な印象を与えないように注意が必要です。

香典を両方に持参しない

通夜と告別式に参列する場合、香典を両方に持参するのはマナー違反です。 2度渡すと「不幸が重なる」という意味を持ち、遺族に対して失礼な行為になってしまいます。

両方に参列するときは、通夜で香典を渡すのが基本です。告別式では記帳のみ行いましょう。

地域の慣習に合わせる

儀式の流れや形式は地域ごとに異なるので、その地域の慣習に合わせましょう。

首都圏では、特段の事情がない限り、通夜振る舞いには全員が参加して、料理にはひと口だけでも箸をつけるのがマナーです。西日本でも通夜振る舞いはありますが、首都圏とは対照的に親族のみが参加するのが通例です。

地域の慣習に詳しくない場合は、事前に確認しておきましょう。

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