「相続税の申告をしたが、正しく申告できたのだろうか」と心配になる方もいるのではないでしょうか?相続税の申告は、人生でそうあることではないので、問題がないか不安になりますよね。
相続税の申告をした方で、税務調査を受ける確率は2割程度といわれ、そのうち9割近くが申告漏れなどを指摘されています。申告漏れなどの違法行為があると、相続税に加えて重い税金を支払わねばなりません。
そこでこの記事では税務調査の内容と税務調査に選ばれやすい理由を解説します。また税務調査を受けないための対策や準備すべきこと、ペナルティについても説明するので是非参考にしてください。
- 税務調査に選ばれやすい理由は申告漏れが疑われる場合
- 税務調査を受けないための対策として、遺産を把握し正確に申告する
- 違法行為をすると延滞税や無申告加算税などのペナルティを受ける
相続税の税務調査とは
相続税の税務調査とは、税法に従い正しく申告しているか税務署が調査することをいいます。正しく申告していても税務調査されることもありますが、一般的には調査対象となる理由があるといってよいでしょう。
税務署は相続に関係する不動産の保有状況や預貯金の変化・有価証券の保有状況・生命保険の加入状況などの情報を入手できます。これらの情報と相続税の申告内容との間に誤差がないかを確認し、おかしな点があると税務調査が入ることになります。
税務調査の種類
税務調査には、任意調査および強制捜査の2つがあります。
任意調査
税務調査は、脱税が疑われるような場合を除いて、一般的には任意調査により行われます。任意調査はある日突然税務署が訪れることはなく、あらかじめ調査対象となる方に対して税務署から調査日時の連絡が入ります。
調査の場所は、被相続人の住んでいた自宅が多く、相続人全員や申告を依頼した税理士も立ち会えます。調査内容は、一般的には税務署からの質問に答え、通帳や貴重品・土地の権利書などを確認します。
この調査は任意ですが、断ると強制捜査が入る可能性が高くなります。
強制調査
強制調査は、国税局の査察部が担当し、脱税が疑われる場合や任意調査を拒否した人に対して抜き打ちで調査します。裁判所の令状をもって調査するため、拒否はできず資料を押収する権限もあります。
しかしよほど悪質な場合を除いて、通常は任意調査で解決されるといってよいでしょう。
税務調査を受ける確率は約15%
国税庁の令和4年12月に発表した「令和3年分相続税の申告事績の概要」によりますと、被相続人の数は143万9,856人となっています。そのうち相続税の申告書を提出した人は13万4,275人となっています。
国税庁が、実際に現地で調査を行った数は6,317件、電話や文書による簡易な接触の件数は1万4,730件です。合計すると2万1,047件で申告書を提出した人の14.6%が何らかの調査を受けています。
また実地検査を受けた人の中で87.6%が申告漏れなど指摘されています。したがって税務調査を受けた人の中で、違法行為のあった確率は高いといえるのではないでしょうか?
相続税の税務調査は比較的多いといわれますが、その理由は2つあります。1つ目は相続税が高額になる場合が多く、それにあわせて申告漏れなどの金額も大きくなるためです。
2つ目は相続税の申告というものは、たびたび経験するものではないため、申告間違い起こりやすいことが関係しています。
税務調査を受ける時期
税務調査の行われる時期は、通常相続税の申告書を提出した翌年または翌々年の8~11月頃です。それ以降は税務調査が入る可能性は少なくなります。
なお相続税の申告期限から5年が経過すると、時効になります。しかし不正行為により税額を減らしていたことなどがわかれば、時効期間は7年に延長されます。
相続税の税務調査に選ばれやすい理由は?
それではなぜ、相続税の税務調査は行われるのでしょうか?税務調査の対象になりやすい理由について例をあげて説明します。
自分で申告した
税理士に依頼せずに自分で相続税の申告をした場合、税務調査が行われることが多いといえます。相続税の申告は相続人でもできますが、専門家でない方が申告書を作成すると、計算ミスや記載間違い・添付書類不足などの不備が多くなりがちです。
税務署は、被相続人の預貯金や有価証券などの流れ・不動産の動きなどを細かくチェックしています。そのためおかしな点があれば、税務調査が実施される恐れが大きくなります。
一方税理士が作成した相続税申告書には、税理士の署名が入るため信頼性は高く、税務調査が入る可能性は低くなります。しかし相続人自身が作成した申告書は、自分で作成したというだけで、ミスを疑われる可能性が高くなるでしょう。
遺産総額が大きい
相続税の遺産総額が多い場合は、それだけで税務調査が行われる恐れが高く練ります。財産が多いと小さな計算ミスでも申告漏れなどの金額が多くなり、申告書に組み入れていない遺産があるのではないかと推測されます。
また相続税は累進課税のため、遺産が増えれば税率も上がり納税額も増えます。そのため数億円以上の遺産がある場合は、税務署は特に念入りに調査することになります。
亡くなる直前に借金をして不動産を購入した
亡くなる直前に多額の借金をして不動産を購入した場合、認められないことがあります。最近の裁判所の判例でも、相続税対策が見過ごすことができないレベルの場合に違法と判断しています。
したがって節税目的が明白な場合には、税負担の公平性の観点から、税務調査が入る可能性は高いといえるでしょう。
預貯金の出入りが激しい
預貯金の出入りが激しいと、被相続人が生きているうちに、お金を移動して相続税対策をしたのではないかと疑われがちです。お金の価値は一目瞭然で分かるため、申告漏れを指摘しやすいと言えます。
また人にお金を貸し付けている場合は、貸付金も財産とみなされ相続税の対象です。したがって貸付金の申告漏れがあった場合には、ペナルティとして追徴課税を課されることになります。
収入に比して申告する財産が少ない
故人の収入と比べて、相続税申告額が少ないと税務調査に入られる可能性が高くなります。税務署は亡くなった被相続人の所得税を確定申告書などにより掴んでいます。
亡くなる前には多くの収入があったにもかかわらず、預貯金や有価証券などの申告額が少ないと、税務署からは不審に思われます。また不動産や株式などを売却したのに、その金額が反映されていない場合も、税務調査に入られる可能性は高いといってよいでしょう。
家族名義の資産が多い
故人の家族名義の資産が多い場合は、税務調査に入られやすいといえます。もともと家族の収入が多く、収入を基にお金を積み立てたものならば問題はありません。
しかし被相続人が収入の少ない配偶者や子ども、孫などの名義で開いた口座(名義預金)については、被相続人の財産としてみなされる可能性があります。名義預金が単なる申告漏れでなく隠し財産とされれば、多額の追徴金を課税されることになるでしょう。
また生前贈与には、年間110万円までは非課税という基礎控除(暦年贈与)があります。この制度を利用すれば、長期間にわたってお金を贈与できます。
しかし毎年規則的に暦年贈与を繰り返すと、税務署は相続税対策として個人が生前贈与し資金を移動していると判断するのです。そのため税務署からは贈与とみなされ、贈与税の支払いを求められることもあります。
特に未成年者や専業主婦などが、数千万円以上の財産を保有している場合は注意しなければなりません。
外国の資産が多い
被相続人が、海外に多額の資産を保有している場合も、税務調査に入られる可能性が高いです。近年資金運用を海外に求め、海外の株式や不動産に投資している方は多くなっています。
海外に1回あたり100万円以上送金する際には、金融機関は税務署に「国外送金等調書」を提出します。これは適正な課税を行うためにお金の流れを把握するための書類ですが、この情報と申告内容が異なれば税務調査に入られることとなります。
特に海外に相続人が住んでいて頻繁に送金されていれば、税務調査の確率は高くなるといってよいでしょう。
相続税を申告していない
相続税が掛からないため申告は必要ないと考えていても、税務調査が入ることがあります。相続税には基礎控除があり、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)までは相続税を支払う必要はありません。
しかし税務署は、「適正に相続税の計算がなされているか」、「相続財産に漏れがないか」などの理由で税務調査を行います。自分では基礎控除額内のため、相続税の申告は必要ないと考えていても、税務調査が行われ相続税を支払わなければならない事もあるのです。
その場合、正当な理由がなく期限までに相続税の申告をしなかったとされ、無申告加算税が課されます。
借入金が多いわりに財産が少ない
被相続人が金融機関から多額の借り入れをしている場合も、税務調査が行われる恐れがあります金融機関などから借り入れする理由は、不動産の購入や事業設備を購入するためなどが多くなっています。
借入をした額に見合う財産が見当たらない場合には、相続人が財産を見落としている可能性があります。そのため申告漏れを確認するために、税務署は調査を行います。
株式口座に残高が多い
被相続人の配偶者や子どもなどが、収入に見合わない多額の株式口座を保有している場合に税務調査を受けることがあります。
特に相続人が自分で株式を引き出せないときは、その株式は被相続人のものであり、証券が相続財産なのではないかと疑われます。また株の配当金を被相続人が貰っているケースや株式の売買実績があるケースも、税務調査を受ける確率は高くなります。
申告書の不備がある
相続税申告書に記入漏れや計算間違い・添付書類が足りないような不備がある場合も税務調査が入ります。税務署は被相続人の所有している預貯金や有価証券・不動産などの動きを細かくチェックしています。
そのため、申告書に記載された内容と財産に大きな違いなどおかしな点があれば、疑われることになります。
被相続人が高額所得者であった
被相続人が、個人事業主や上場会社の重役・医師・弁護士など、高収入が推測される地位の方は税務調査が入りやすいとされています。税務署は被相続人の確定申告書などにより所得税を掴んでおり、財産に比して相続税申告額が少ない場合は疑われやすくなります。
とくに不動産や株式などを売却したのに、それに見合う預金が申告書に記載されていない場合は、税務調査のポイントになるでしょう。
税務調査を受けないためには
相続税の申告書を提出した人の14.6%が何らかの調査を受けていると聞くと、税務調査を回避する方法はないのかと思うのではないでしょうか?税務調査を受け申告漏れなどを指摘されると、かなり高額の加算税や延滞税などを納めなければなりません。
したがってできるだけ税務調査を受けずに済むように、しっかり正確に申告をしたいものです。この章では税務調査を受ける可能性を低くする方法について説明します。
相続財産をしっかり把握する
相続税の税務調査を受ける大きな理由は、相続人が被相続人の財産を把握していないことによります。
国税庁が発表した「令和3年分相続税の申告事績の概要」によりますと、相続財産の金額の構成比で最も高いのが預貯金の34%、次いで土地が33.2%・有価証券が16.4%となっています。
このように相続財産は広範囲にわたるため、被相続人が亡くなった後、相続人が把握していない財産を探すのは手間と時間がかかります。そのため相続人が把握していない預貯金口座や証券口座などを、見落としてしまうこともあるでしょう。
相続財産を把握するには、被相続人が存命中から資産や口座がどれほどあるか聞いて、財産目録を作っておくとよいでしょう。これにより相続税の申告漏れを防ぎ、相続税を正しく申告できます。
正しく申告する
相続税は、手順に従って正しく申告する必要があります。相続税申告の手順は次の通りです。
- 遺言書の有無を確認する…遺言書があった場合にはそれに従い分割する
- 相続人を把握する…被相続人の全戸籍を確認し相続人を確定する
- 相続財産を調べ確定する…相続対象の財産と債務をくまなく調べる
- 遺産分割協議をおこなう…遺言書がない場合、遺産分割協議で財産を分ける
- 正しく申告書を作成する…申告期日を守り、ミスのないよう正確に記入する
相続税が少なくても税理士に依頼する
相続税の申告はご自身でもできますが、税理士に依頼すれば税務調査を受ける確率は低くなるでしょう。税理士が申告書を作成する場合には、申告書に署名します。税理士はミスや漏れが少ないだけでなく、署名があれば税務署からの申告書への信頼性は高まります。
ただし税理士にもそれぞれ得意な分野があるため、相続税を専門とする税理士に依頼したほうが間違いは少ないでしょう。また、相続税申告書に特定の書類や情報を添付する「書面添付制度」を利用すれば、信頼性は一層高まるため税務調査の可能性は低くなります。
税務調査の流れ
強制調査は事前の連絡はなく強制的に調査されますが、任意調査は次のような流れで行われます。
税務署からの連絡
税務署から電話で税務調査を行う旨の連絡が入り、それを受けて日程の調整を行います。忙しい日を避けたいときはその旨を伝え、税理士に依頼している場合には税理士とも日程調整します。場所は通常被相続人の自宅で行われます。
調査当日
税務調査は一般的に1日にわたって行われ、午前中は相続人へのヒアリングを行います。被相続人の家族関係や生活費などについて聴取されるので、包み隠さず話しましょう。税務署はこの聴取を通して、相続について問題がないのか確認するため、きちんと話す必要があります。
午後になると、預貯金通帳や金庫・貴重品などの保管場所を確認します。特に通帳については預貯金の振込先や入金先・金額などについて申告漏れがないか、おかしな点がないか調べます。
したがって、税務調査が行われる日の前には、預貯金や入出金状況について把握しておいた方が良いでしょう。なお資料は求められた書類を提出すればよく、自分から進んで提出する必要はありません。
最後に調査官が質疑のやり取りを書面にまとめるので、内容を見て相続人は署名押印します。
調査結果
実地調査が終わると、1カ月ほどで調査結果についての連絡が来ます。申告内容に間違いがあった場合は、修正申告を作り提出しなければなりません。税務署からは、過少申告加算税や延滞税などのペナルティの連絡が来るので、それらを支払う必要があります。
なお税務調査に納得できないときは、異議申し立てができます。異議申し立てで解決できない場合には、「国税不服審判所」へ審査請求します。
税務調査に対し準備すること
税務調査の連絡が来ると、どんなことを調査されるのか不安になりますよね。審査官はキャリアのある調査員が多いため、事前に準備し万全な体制で臨む必要があります。
申告書の内容を把握しておく
税務調査が決まったら、申告の内容にミスや見落としがないか、再度見直しましょう。申告漏れがないか、計算間違いがないかなど何度も確認することが必要です。
その際、金融機関の残高証明書や固定資産税評価証明書・全部事項証明書など、遺産金額や内容のわかる書類も用意します。なお税理士に相続税申告書を依頼した場合には、税理士も交えて確認しましょう。
財産を再確認する
相続税の申告で、見落としている遺産がないか再度調べてみましょう。
タンスや金庫を調べて、把握していない預貯金口座や証券口座・不動産などがないか探してみることが必要です。申告漏れは、被相続人の遺産をきちんと確認していないためにおこることもあるため、隅々まで調べなければなりません。
特に見落としがちな財産には、次のようなものがあります。
ネットバンクやネット証券
ネットバンクやネット証券は、取引がパソコンやスマートフォンで完結するため書類で残っていない可能性があります。他の通帳との取引で把握できれば良いですが、なければパソコンにデータが残っていないか、遺言書にメモがないか調べてみましょう。
以前取引した金融機関
現在はメインバンクに使っていないが、以前取引がありそのまま預貯金が残っている可能性があります。
他人と共有している不動産
共有の不動産で、被相続人に対しては固定資産税の通知がないため、気付かなかった例もあります。
債権
人に貸していて返済されない金銭や、商売の売掛金。
被相続人から3年以内に生前贈与された財産
3年以内に生前贈与された財産は、相続財産として申告しなければなりません。
資料を整える
税務調査で申告した内容を証明するために、必要な書類や資料を揃えなければなりません。
主な必要書類には次のようなものがあります。
- 相続税申告の際に使った資料原本
- 被相続人の金融機関の預貯金通帳
- 被相続人の有価証券
- 相続人の金融機関預貯金通帳
- 相続人の土地の権利証やその他の資料
税務調査でよくきかれること
税務調査では、相続税に関係がないようなプライベートなことも聞かれます。しかしこれは興味本位ではなく相続税に密接な関係のある質問のため包み隠さず答えましょう。
主な質問内容を列挙すると、次にあげるような項目です。
- 被相続人の生い立ちや職業・結婚の時期・趣味・ギャンブル
- 被相続人の配偶者の財産につて
- 被相続人の相続財産形成の方法および生活費
- 被相続人の日記や手帳の有無
- 被相続人の印鑑の確認
- 被相続人および相続人の貸金庫の有無
- 相続人と税理士との関係
- 被相続人および相続人と取引のある金融機関や証券会社名
- 相続税を納めた金融機関名
- 相続開始直前に引き出した現金の使途
- 相続人の出身校や職業・住まいなど
- 相続人の持ち家の購入金額や売却金額
- 相続人の子供や配偶者の年齢や学校名・職業など
- 被相続人の死亡直前の印鑑や通帳の管理者
- 被相続人が亡くなった際の入院の有無や時期・病院名など
- 被相続人の介護や入院にかかった費用
- 相続人の投証券口座名および投資金額
- 生前贈与および名義預金の有無
申告漏れなどのペナルティ
相続税の申告をきちんと行わないと、次のようなペナルティが課されます。
- 延滞税…納付期限までに相続税を納めなかった場合
- 無申告加算税…申告期限までに相続税の申告をしなかった場合
- 過少申告加算税…納付すべき税額より少ない額で申告をした場合
- 重加算税…事実の隠蔽や仮装申告など特に悪質な場合
なお相続税の時効は善意の場合は5年、悪意の場合は7年となっています。
それではそれぞれのペナルティ内容について詳しく説明しましょう。
延滞税
相続税の納付期限後に税金を納めた場合には、延滞税が課されます。
相続税の納付期限は、被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内です。延滞税の税率は、納付期限の翌日から納付した日までの日数に応じて次のように決まっています。
令和5年1月1日~12月31日迄 | 通常税率 | |
---|---|---|
納期限の翌日から2カ月以内 | 年2.4% | 年7.3% |
納期限の翌日から2カ月超 | 年8.7% | 年14.6% |
なお申告期限までに申告も納税もしていないケースでは、無申告加算税および延滞税の両方が課されます。
無申告加算税
相続税の申告を期限までに行わなかった場合には、次表のように無申告加算税が課されます。
税務調査の通知前に申告 | 税務調査の通知後、税務調査前に申告 | 税務調査後に申告 | |
---|---|---|---|
納付税額のうち、50万円以下の部分 | 5% | 10% | 15% |
納付税額のうち、50万円超の部分 | 15% | 20% |
また申告期限から1ヵ月以内に相続税の納税を申告した場合は、期限後でも無申告加算税は課されません。
過少申告加算税
相続税の申告金額が、本来納める金額に不足していた場合、過少申告加算税が課されます。
税務調査の通知前に申告 | 税務調査の通知後、税務調査前に申告 | 税務調査を後に申告 | |
---|---|---|---|
追加税額のうち、50万円以下の部分 | 加算税は課されない | 5% | 10% |
追加税額のうち、50万円超の部分 | 10% | 15% |
こちらも本来納めるべき税金を納期限までに納めていない場合には、過少申告加算税と延滞税の両方が課されることとなります。
重加算税
相続財産を意図的に隠蔽・偽装した場合には、悪質とされ重加算税が課税されます。
このうち相続税の申告を行っている場合には、追加納付した税金額の35%が重加算税として課されます。また意図的に相続税の申告を行っていない場合には、追加納付した税額の40%が重加算税として課されるため注意しなければなりません。
さらに相続税で無申告加算税あるいは重加算税を5年以内に課税されたことがある場合には、10%の税率が加算されます。
刑事罰
脱税金額が大きく悪質な場合には、次のような刑事罰に処せられることもあります。
- 不正行為による脱税…10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金
- 故意の申告書不提出…5年以下の懲役または500万円以下の罰金
- 過失による無申告…1年以下の懲役または50万円以下の罰金
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