「弔電の送り方がわからない」「弔電にはどのような内容を記載すればいいんだろう?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?弔電を送る機会は多くないため、初めて弔電を送るときには勝手がわからず困ってしまいますよね。
弔電は、亡くなられた方への弔意を示す電報です。お通夜や葬儀に参列できないとき、遺族の方々へお送りします。
こちらの記事では、弔電を依頼するときの流れや具体的な送り方、目安となる費用などを解説します。弔電の送り方について知りたいと考えている方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 弔電は電話やインターネットで手配できる
- 弔電の料金目安は3,000円〜5,000円程度
- 一般的に通夜の前日までに届くように手配する
そもそも弔電とは
弔電とは、電報の1つで「お通夜・葬儀に出席できないとき」に、遠方から弔意を伝える方法です。電話やメールで弔意を伝えることも可能ですが、礼節を強く重んじる状況では弔電を活用するのが一般的です。
電報を活用すれば、メッセージを配達員が送り先に直接届けてくれます。お通や葬儀の場では「弔電」、結婚式などの祝いの場では「祝電」とも呼ばれます。
生前懇意にしていた方やお世話になった方が亡くなられ、「どうしても都合がつかず、お通夜や葬儀を欠席するとき」などに、弔電を活用しましょう。
また、ご自身が高齢でお通夜や葬儀に足を運ぶことが難しいときも、弔電を活用して弔意を伝えられます。
弔電の依頼先
弔電は、郵便局やNTTなどの通信事業者に依頼するのが一般的です。いずれも、電話やインターネット上で弔電を依頼できます。
郵便局
郵便局では「レタックス」という電報サービスがあり、弔電にも対応しています。郵便局で弔電を送るときの流れは、下記のとおりです。
- 台紙を選ぶ
- メッセージを作成してイラストを選ぶ
- 宛先を入力して送信する
レタックスの依頼は、インターネットか郵便局の窓口で行いましょう。電話での弔電受付は行っていない点に注意が必要です。弔電の送り方について聞きたいことがある場合は、窓口で申し込むことをおすすめします。
NTT
NTTで弔電を送るときは、インターネットか電話で依頼します。インターネットで依頼するときの流れは、下記のとおりです。
- 弔電(電報)台紙を選ぶ
- 送り先の住所と到着日を入力する
- メッセージを作成する
- 差出人の情報を入力する
- 支払方法を選ぶ
インターネットの弔電申込みは24時間受付となっており、都合のいいタイミングで弔電を作成できます。
電話で弔電を依頼したいときは、「局番なしの115」を押せば、電報専門のオペレーターに相談できます。初めて弔電を送る方で、「相談しながら作成したい」という場合は電話で依頼するとよいでしょう。
KDDIなどの通信事業者
KDDIなどの通信事業者でも、弔電を送ることができます。例えば、KDDIではインターネットか電話で電報を送れる「でんぽっぽ」というサービスを提供しています。
KDDIで弔電を送る際の流れは、下記のとおりです。
- 商品(電報台紙)を選択する
- 申し込み情報を入力する
- 内容を確認する
- 決済する
KDDIでは、14時までに申し込めば最短即日で弔電を送ることが可能です。また、電話ではオペレーターに相談しながら弔電の申し込みができます。
弔電の依頼方法
弔電の作成と送付を依頼する際は、電話かインターネットで申し込むのが一般的です。以下で、電話・インターネットそれぞれの申し込み方法について解説します。
電話
電話で弔電を申し込む場合は、専門のオペレーターと相談しながら弔電を作成します。弔電の送り方の勝手がわからず、不安があるときは電話で相談しながら作成するとよいでしょう。
初めて弔電を送る方だけでなく、葬儀の日時が近いケースやインターネットでの申し込みに不安がある方も、電話で弔電を手配することを検討してみてくださいね。
電話口で弔電の台紙デザインや文面を伝えて、届けてほしい日を決めれば弔電を届けてくれるので安心です。
インターネット
インターネットで弔電を申し込む場合、24時間いつでも都合がいいタイミングで利用できるメリットがあります。インターネット上で台紙のデザインやお送りする文面を決定し、送り先を入力すれば弔電を手配してくれます。
電話口では台紙のデザインをイメージしづらいですが、インターネットであればご自身の目で確認しながら選べる点もメリットです。
弔電の費用
高級なデザインの台紙を選んだときや、弔電の文字数が多くなる場合は相場を上回ることもありますが、弔電を送るときの費用相場は、一般的に「3,000~5,000円程度」です。
弔電の台紙を選ぶ際には、亡くなられた方との関係性を勘案して決めるのが一般的です。例えば、ビジネスでお世話になった方にお送りするときは、高級な台紙を選ぶケースが多いです。
親しかった個人に送る弔電の場合は、「香典として渡す金額の半分程度」を目安に選ぶとよいでしょう。例えば、3,000円の香典を渡す場合は1,500円程度の台紙を選べば、失礼にあたりません。
弔電の送り方と流れ
弔電を送るにあたって、どのような手順で進めればよいのかを解説します。順を追って進めれば、誰でも失礼のない弔電を送れますよ。
弔電の依頼先を選ぶ
まずは、弔電を依頼したい業者を選びます。代表的なのは、NTTや郵便局、KDDIなどの通信事業者です。結論、どこで頼んでもほとんど同じなので、普段使い慣れているサービスを選ぶとよいでしょう。
対人で弔電を依頼したい場合は、郵便局の窓口に足を運ぶのがおすすめです。また、事業者ごとに扱っている台紙デザインの種類が異なるため、いくつか比較検討するのもよいでしょう。
弔電を届ける日を確認する
弔電は、遅くともお通夜の前日までには届くように手配するのがマナーなので、届ける日は必ず確認しましょう。なお、弔電はお通夜・葬儀・告別式のいずれに送っても問題ありません。
弔電はお通夜・葬儀・告別式で読み上げられるため、前日までに届かないと、せっかくお送りした弔電が読み上げられない恐れがあります。逆に、弔電が届くのが早すぎると、遺族の方々が受け取れずに終わってしまうことがあるため、注意しましょう。
弔電の台紙を選ぶ
弔電のデザインは複数あるため、送りたいデザインを確認しましょう。弔電の台紙は、刺しゅうやおし花などが施されているもの、お線香などの小物がセットになったものがあります。
さまざまなデザインがあるので、弔電をお送りする相手に合わせて選びましょう。高級な電報をお送りしたい場合は、布張り電報や刺しゅう電報を選ぶのがおすすめです。
弔電のメッセージを書く
台紙のデザインを選んだら、弔電の本文にあたるメッセージを作成します。メッセージは葬儀の場で読み上げられるため、亡くなられた方を偲ぶ文面と、お悔やみ申し上げる文面を含めるのが通例です。
「どのような弔電を送ればいいのかわからない」という方は、各サービスが用意しているデフォルトの文面を参考にするとよいでしょう。デフォルトの文面をベースにして、ご自身のアレンジを加えることも可能です。
初めて弔電を送る方でもスムーズに作成できるサービスが用意されているので、安心してくださいね。
弔電の書き方・例文
「弔電で、どのような文言を含めればいいのかわからない」という方に向けて、弔電の例文をご紹介します。
- ご逝去の知らせを受け、大変驚くとともに心を痛めております。ご生前は大変お世話になり、感謝しております。〇〇様のご冥福を、心よりお祈りいたします
- あまりに突然のご訃報に心の整理がつかず、深く悲しんでおります。ご遺族のみなさまのご心中もいかばかりかと存じます。心より、お悔やみ申し上げます
- 謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。喪主様をはじめ、ご遺族の皆様、どうぞご自愛くださいませ
- 突然の悲報に接し、痛惜の念でいっぱいです。在りし日のお姿を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。ご遺族の方々は、ご無理をなさらぬよう、ご自愛ください
亡くなられたことに対して悲しみを感じている旨と、遺族の方々の体調を気遣う旨の文面を含めるとよいでしょう。
弔電は、亡くなられた方を弔い、遺族の方々を励ます趣旨で送るため、相手を慮った文章を考えることが大切です。
弔電を送るときの注意点
弔電を送るときには、失礼にならないように注意するべき点があります。以下で、弔電を送るときの注意点について解説します。
通夜までに届くよう手配する
弔電は、通夜までに届くよう手配しましょう。もし訃報を知ってからお通夜まで時間がない場合は、お通夜が始まる2~3時間前までに届けば間に合う可能性が高いです。ご自身がお送りした弔電を読み上げてもらうためにも、通夜日の確認は欠かせません。
亡くなられた方の訃報を受け、お通夜や葬儀に参列できないことが判明したら、速やかに弔電を手配しましょう。亡くなられた方に弔意を表すためにも、きちんと弔電を手配することが大切です。
受取人は喪主にする
弔電を送るときは、宛先を喪主の方にしましょう。一般的に、喪主は亡くなられた方の配偶者・長男・長女が務めます。きちんと喪主の氏名を確認し、間違えないように気を付けましょう。
宛先を亡くなられた方にするのはマナー違反です。もし喪主の氏名がわからない場合は、「〇〇(亡くなられた方の氏名)様 ご遺族様」と記載しましょう。
また、喪主以外の方に弔電を送りたい場合は、喪主の氏名の横に、送りたい方の氏名を記載します。「〇〇(喪主の氏名)様方・△△(送りたい方の氏名)様」と記載すればよいでしょう。
弔電が不要なケースもある
遺族の方々が弔電を固辞している場合は、弔電を送らないのが葬式に関するマナーです。近年は、親族だけでお通夜や葬儀を行う直葬(ちょくそう)や家族葬を行う方も増えています。
直葬や家族葬を行う予定で、遺族の方から弔電を固辞する旨の連絡を受けている場合は、送らないほうがよいでしょう。
亡くなられた方を弔いたい気持ちがあっても、意向に反して弔電を送ると、遺族にとって負担となってしまいます。そのため、まずは遺族の方々の意向を尊重することを最優先し、配慮を忘れないことが大切です。
亡くなられた方の名前は敬称で表す
弔電の中に亡くなられた方の名前を記すときは、下記のような敬称で表します。
受取人との関係性 | 敬称 |
---|---|
父 | ご尊父様 お父様 |
母 | ご母堂様 お母様 |
義父 | ご岳父様 |
義母 | ご岳母様 |
夫 | ご主人様 |
妻 | ご令室様 |
息子 | ご子息 |
娘 | お嬢様 |
兄 | ご令兄様 |
弟 | ご令弟様 |
姉 | ご令姉様 |
妹 | ご令妹様 |
普段の生活ではなじみが薄い敬称を用いるため、間違えないように気を付けましょう。上記の敬称を記せば問題ありませんが、ご自身でも受取人と亡くなられた方との関係性を確認し、誤りがないかチェックしてみてくださいね。
忌み言葉は使わない
弔電の中に、忌み言葉が含まれないように気を付けましょう。弔電だけでなく、葬儀や弔問の際にも忌み言葉を避けるのが一般的なマナーです。
具体的には、死を連想させる言葉や同じ音を繰り返す言葉が忌み言葉に該当します。
- 度々
- 重ね重ね
- いろいろ
- くれぐれも
- 死亡
- 亡くなる
- 生きている頃、生きていたとき
- 追って
- 消える
- 切れる
遺族の方の体調を慮るときに、「くれぐれもご無理なさらないように」と伝えてしまうことがあります。忌み言葉や避けるべき言葉を意識して、マナー違反を犯さないように気を付けましょう。
宛先は自宅か葬儀場にする
弔電の宛先は、喪主の方の自宅か葬儀場です。葬儀日よりも前に送るときは喪主の方の自宅に送付し、葬儀当日に届ける場合は葬儀場にするとよいでしょう。
また、葬儀場が不明の場合は喪主の自宅に送りますが、受け取ってもらえるように事前に一報を入れると安心です。
自宅に送る場合も葬儀場に送る場合も、事前に送り先の住所と電話番号を確認することが欠かせません。せっかく弔意を示す弔電を送るので、きちんと受け取ってもらえるように確認しましょう。
お悔やみの気持ちと遺族を励ます文面を添える
弔電には、お悔やみの気持ちと遺族の方々を励ます旨の文面を添えましょう。亡くなられた方へのお悔やみだけ記載されていると、遺族の方は疎外感を抱いてしまう可能性があります。
弔電は、お悔やみの言葉で弔意を示すことに加えて、大切な方を失って落ち込んでいる遺族の方々を励ます意味合いもあります。そのため、遺族の方々の心情に寄り添い、励ます文面も含めましょう。
ご自身の名前はフルネームで書く
弔電では差出人としてご自身の名前を記しますが、必ずフルネームで書きましょう。苗字だけで済ませると、同じ苗字の方が弔電をお送りしていたときに「誰からの弔電かわからない」という事態になりかねません。
お通夜や葬儀会場には、さまざまな方から弔電が届くため、差出人が判別できるようにフルネームで記すのがマナーです。特に、喪主の方と面識がない場合は、ご自身と亡くなられた方との関係がわかるようにしましょう。
例えば、仕事関連の立場である場合は「株式会社〇〇 △△(氏名)」のように、所属団体名などを記載します。複数名で弔電を送る場合は「株式会社〇〇一同」のような書き方でも問題ありません。
亡くなられた方のプライベートな内容は控える
弔電の中に、亡くなられた方のプライベートな内容は含めないようにしましょう。生前懇意にしていた間柄だと、ついつい思い出話などのプライベートな話題を含めてしまいがちです。
しかし、弔電は弔意を示すためのメッセージで、想い出に思いをはせるものではありません。また、遺族の方々に寄り添うためのメッセージでもあるため、プライベートな話題は蛇足です。
弔電の送り方に関するよくある質問
初めて弔電を送る場合、何かと疑問点や不明点が出てくるものです。以下で、多くの方が感じる弔電に関する疑問を解説します。
弔電はどれくらいで届きますか?
サービスによっては、最短当日に届きます。例えば、NTTの電報サービスの場合、14時までに弔電の申し込みを完了すれば、当日中に届けることが可能です。
お通夜・葬儀の前日までに届くように手配するのが、一般的なマナーです。
弔電の文面には何を記載すればいいですか?
弔電の文面には、亡くなられた方への思いや感謝の気持ち、亡くなられたことに対する悲しみについて記載しましょう。
また、あわせて遺族の方々の体調を気遣う内容や励ます文面も含めるとよいでしょう。
弔電を送るときの金額相場はどれくらいですか?
一般的に、弔電を送るときの相場は3,000円~5,000円程度です。亡くなられた方との関係性によって差がありますが、概ね3,000円~5,000円程度であれば失礼にはなりません。
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