親や家族が亡くなったあとにするべき手続きはたくさんあります。死後の手続きを知らずにいると、いざその状況になったときに困ってしまうでしょう。期限が定められている手続きも多いので、早めの対応が必要です。
この記事では、親や家族の死亡後の手続きを一覧表にまとめて、わかりやすく解説します。家族が亡くなったあとの手続きを知りたい方は必読です。
- 死後の手続きは期限が定められているものが多く、早めの対応が必要
- 葬儀・火葬関連の手続きは葬儀社に一任することも可能
- 死後の手続きをする時間がない場合は、弁護士や代行業者に依頼するのがおすすめ
死後の手続き一覧表
死亡当日から死後5年以内に行うべき手続きを一覧表にまとめました。期限が定められている手続きが多いので、一連の流れを把握して漏れなく進めていきましょう。
期限 | 手続き |
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死亡当日 | 死亡診断書の受け取り 訃報の連絡 葬儀社へ連絡 |
死後2日目 | 死亡届と火葬許可申請書の提出 通夜 |
死後3日目 | 葬儀 火葬 火葬済の証明を取得 |
死後2週間以内 | 初七日法要 厚生年金の受給停止 保険・年金等の手続き |
四十九日以内 | 香典返し 本位牌・お墓の準備 四十九日法要(納骨式) |
死後1年以内 | 雇用保険受給資格者証の返還 相続放棄・限定承認 所得税準確定申告・納税 相続税の申告・納税 遺産分割協議 遺言書の確認・検認 相続人の確定 相続財産の調査 |
死後2年以内 | 国民年金の死亡一時金請求 埋葬費の請求 葬祭費の請求 高額医療費の申請 |
死後3年以内 | 相続登記 |
死後5年以内 | 死亡保険金の受け取り 遺族基礎年金・遺族厚生年金の請求 寡婦年金の請求 |
特に死後3日までは行うべき手続きが多岐にわたります。手続きに時間がかかるものも多いので、期限ギリギリに対応すると間に合わない可能性があります。
どの手続きも早め早めの対応が必要です。遺族だけで対応できない場合は、葬儀社のサポートを得ながら進めていきましょう。
死後1週間以内の手続き一覧
死後1週間以内に行う手続きは以下のとおりです。
- 【死亡日当日】死亡診断書を受け取り葬儀の準備
- 【死後2日目】死亡届を提出し通夜を執り行う
- 【死後3日目】葬儀・火葬を執り行う
死後直後からさまざまな手続きを行う必要があるため、遺族同士で協力するとともに、葬儀社のサポートを借りながら進めていきましょう。
【死亡日当日】死亡診断書を受け取り葬儀の準備
死亡日当日に行う手続きは、以下の3つです。
- 死亡診断書の受け取り
- 訃報の連絡
- 葬儀社へ連絡
手続きを円滑に進めるために、葬儀社に早めに連絡してサポートを得ましょう。
死亡診断書の受け取り
家族が亡くなったら、入院先の病院の医師から「死亡診断書」を受け取りましょう。事故死や突然死などの場合には警察に連絡して、検視のあとに「死体検案書」を受け取ります。
死亡診断書(死体検案書)の用紙と死亡届はセットになっており、遺族は死亡届に必要事項を記入します。死亡届と死亡診断書は今後の手続きで必要となる場面が多いため、コピーを複数枚取っておきましょう。
必要な枚数はそれぞれ異なりますが、10枚程度あると安心です。必要な手続きがあとになってわかることもあるので、多めにコピーしておきましょう。
訃報の連絡
親族や故人と縁が深かった方には、電話で訃報の連絡をしましょう。当日は亡くなった事実だけ伝えれば問題ありません。葬儀の日程や場所がわかり次第、再び連絡しましょう。
重要な連絡なので、深夜に電話してもマナー違反にはなりません。訃報を早めに伝えるためにも、電話で伝えたほうが確実です。
親しい方以外には、訃報と通夜や葬儀の日程を同時に連絡します。事前に連絡者リストを作成しておくと、漏れなく終えられます。
葬儀社へ連絡
訃報の連絡と同時に、葬儀社へも連絡しましょう。遺体を搬送する必要があるため、葬儀社の協力が必要です。
死後直後は動揺しており、何かと慌ただしいため、葬儀社は事前に決めておくのがベストです。まだ決まっていない場合は病院から紹介してもらったり、ご自身で探したりして連絡を取りましょう。
葬儀社に依頼すれば、死後の手続きを幅広くサポートしてくれるため、遺族側の負担が大幅に減ります。まだ亡くなったばかりで気持ちが進まないという方も、まずは搬送だけしてくれる葬儀社を探してみましょう。
亡くなった方から生前に葬儀に関する希望を聞いていた場合は、その希望条件に合う葬儀社を探す必要があります。遺言書やエンディングノートに書いてある場合もあるので、確認したうえで葬儀社を探しましょう。
【死後2日目】死亡届を提出し通夜を執り行う
死亡後2日目にすることは、死亡届・火葬許可申請書の提出と通夜の2つです。
死亡届と火葬許可申請書の提出
葬儀の前に、死亡届と火葬許可申請書を提出しておきましょう。死亡届とは、人が死亡したことを公に証明する書類のことです。
死亡届の提出期限や届出先は以下のように定められているため、間違えないように注意が必要です。
提出期間 | 死亡の事実を知ったときから7日以内 国外で死亡した場合、その事実を知ったときから3カ月以内 |
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届出人 | 親族 同居者 家主・地主・家屋管理人・土地管理人 後見人・保佐人・補助人・任意後見人 任意後見受任者 |
届出先 | 死亡地の役所 死亡者の本籍地の役所 届出人の住所地の役所 |
記載事項 | 届出日 届出先市区町村 死亡者の氏名・性別・生年月日 死亡年月日・時分・場所 死亡者の住所(死亡者の住民登録先住所とその世帯主名) 死亡者の本籍とその筆頭者氏名 死亡者の婚姻状況 死亡したときの世帯の主な仕事と死亡者の職業や産業(※) 届出人と死亡者の関係 届出人の現住所 届出人の本籍地とその筆頭者の氏名 届出人の署名と生年月日、届出人の印鑑 届出人の連絡先等 |
必要書類 | 死亡診断書と死亡届 届出人の身分証明書 届出人の認印 |
(※)「死亡したときの世帯の主な仕事」とは故人の仕事ではなく、世帯全体で見たときの仕事のことです。6つの項目があるため、当てはまるものにチェックを入れます。
届出人とは、死亡届に記入する方のことです。届出人になれる方は、戸籍法で定められています。ただし、死亡届は代理人による提出も可能です。最近は葬儀社に提出を代行するケースが増えています。
死亡届の記入方法がわからない場合は役所の窓口で教えてもらえるので、無理に書かずに空欄のまま持参しましょう。
死亡届の出せる役所は、故人の本籍地や亡くなった場所の役所、または届出人の所在地にある役所です。本籍地と死亡地が離れている場合は、死亡地への提出をおすすめします。
死亡届を出さないと火葬や埋葬ができないため、葬儀の前に提出するのが一般的です。提出を怠ると、葬儀後の手続きを進められなくなってしまいます。手続きを漏れなく進めていくためにも、葬儀社に提出を依頼するのがよいでしょう。
死亡届を提出しなければ火葬許可が下りないので、死亡届と一緒に火葬許可申請書を提出します。 葬儀社に依頼すれば、火葬許可申請書の提出を代行してくれます。
葬儀や仏事については、宗派・地域のしきたりにより異なるので注意しましょう。
通夜
通夜では、故人に縁のあった方々が集まって、故人と最後の夜を過ごします。通夜は18時ごろから始まり、読経・焼香と続き、最後に喪主が挨拶をして21時ごろに閉式・解散となるケースが一般的です。近年は、通夜を省いて葬儀・告別式のみを執り行う一日葬も増えています。
通夜は通常、葬儀社が主となり動いてくれます。会場の準備や祭花壇の手配まで一連の作業を任せられるため、遺族は以下のことを決めておきましょう。
- 喪主を決める
- 参列者の出迎え
- 代表挨拶
- 参列者の見送り
地域によっては、参列者に飲食をふるまう「通夜振る舞い」の風習もあります。親族の希望や地域の風習などがある場合は、葬儀社や担当者と打ち合わせをして、どのような形式で行うのかなどを決めておきましょう。
通夜終了後は、翌日に執り行う葬儀について葬儀社と打ち合わせをします。
【死後3日目】葬儀・火葬を執り行う
通夜の翌日に葬儀・火葬が行われます。ただし、参列者や会場都合などにより、日程が少し遅くなることもあります。
葬儀
葬儀では、僧侶の読経、会葬者による弔辞・弔電、焼香と続き、司会者が閉会の辞を述べて閉式となります。
通夜と同様に、葬儀社が会場設営などを進めることになります。家族や地域の風習などがある場合は、事前に葬儀社と打ち合わせをしておきましょう。
- 受付から焼香までの全体の流れ
- 喪主や受付係などの役割分担
- 祭花壇の手配、会場の設営
- 弔電の管理
近年は葬儀の開催形態が多様化していますが、個人だけで行うことはほとんどありません。初めての葬儀だとわからないことだらけで戸惑ってしまうかもしれません。ほとんどの作業は葬儀社に任せられるので、困ったことがあれば担当者に相談してみましょう。
火葬
葬儀が終われば、棺を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。一般的に火葬は葬儀と同日に行います。火葬する際は、必ず火葬許可証を持っていきましょう。許可証がないと、火葬ができないない場合があります。
火葬には1~2時間ほどかかるため、その間は控室に移動して待ちます。控室は親族が集まる場にもなるので、待ち時間を利用して次回の法要などについて話し合っておくとよいでしょう。
火葬場へ向かうときの車両や、待ち時間に参列者に出す軽食などは事前手配が必要です。葬儀社が手配してくれる場合もあるので、確認しておきましょう。
火葬済の証明を取得
火葬が終わったら収骨室に向かい、遺骨を骨壺に納める「骨上げ」を行います。すべての作業が終わると、骨壺と一緒に「火葬許可証(埋葬許可証)」が渡されます。
火葬許可証は納骨の際に必要です。火葬から埋葬まではしばらく日が空くので、紛失しないように大切に保管しておきましょう。
死後2週間以内の手続き一覧
葬式や火葬が終わったあとも、すぐに対応しなければならない手続きがたくさんあります。
- 【死後7日目】初七日法要
- 【死後10日目】厚生年金の受給停止
- 【死後14日目】保険・年金等の手続き
保険や年金など重要な手続きが多いので、早めに済ませておきましょう。
【死後7日目】初七日法要
初七日法要は、故人を追悼し供養するために行われる法事です。遺骨や遺影の前で僧侶が読経を行った後、遺族による焼香があり、喪主が挨拶をして終わります。
- 後飾りの祭壇
- 供花
- 果物などの供物
- 食事会の用意
- 会場・僧侶の手配
- 僧侶へのお布施・お車料・お膳料
会場や僧侶の手配などは、葬儀社に依頼すればまとめて対応してくれます。
本来は故人が亡くなった日から7日目に行いますが、最近は葬儀と同日に行う場合がほとんどです。葬儀に組み込まれることから「繰り込み法要」と呼ばれています。都合により別日を設けることが難しい場合は、繰り込み法要で初七日をすることも検討しましょう。
【死後10日目】厚生年金の受給停止
亡くなった人が厚生年金を受け取っていた場合は、死後10日以内に年金事務所に連絡をして受給停止手続きをする必要があります。
提出先 | 年金事務所 年金相談センター |
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期限 | 死後10日以内 |
必要書類 | 年金受給権者死亡届(報告書) 年金証書 死亡診断書のコピー |
日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、死亡届を提出した時点で年金事務所に情報が共有されるため、手続きは不要です。
【死後14日目】保険・年金等の手続き
死後14日以内に期限を定めている保険・年金の手続きは多いので、直前になって焦ることがないように、早めに手続きを行いましょう。
国民健康保険資格喪失届を提出
故人が国民健康保険に加入していた場合は、資格喪失手続きが必要です。期限内に喪失届を届け出て、保険証を返却しましょう。
提出先 | 市区町村役場 |
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期限 | 死亡から14日以内 |
必要書類 | 国民健康保険資格喪失届 保険証 戸籍謄本または死亡届のコピー 窓口で手続きする人の本人確認書類 |
手続きをしなかった場合は、故人の口座から毎月保険料が引き落とされ続けます。余計な出費を防ぐためにも、期限までに手続きを済ませておきましょう。
年金事務所に受給権者死亡届を提出
年金の受給権者が死亡した場合は、受給権者死亡届(報告書)を提出しましょう。請求が受理されると、故人が受け取るはずだった未支給分を受け取れます。未支給年金を受け取れるのは、故人と生計を同じくしていた配偶者や子どもです。
提出先 | 年金事務所 年金相談センター |
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期限 | 死後14日以内 |
必要書類 | 死亡者の年金証書 戸籍抄本または死亡診断書のコピー |
日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、上記の手続きを省略できます。
介護保険の資格喪失手続き
故人が以下に該当する場合は、死後14日以内に介護保険資格喪失の手続きが必要です。
- 死亡者が65歳以上
- 死亡者が40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた
役所に介護保険証を持参して、介護保険資格喪失届を出しましょう。
提出先 | 故人の住民票のある市区町村役場 |
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期限 | 死後14日以内 |
必要書類 | 介護保険証 介護保険資格喪失届 |
世帯主変更届を提出
故人が世帯主で同居人が新たに世帯主になる場合は、役所に住民票の「世帯主変更届」を提出する必要があります。
提出先 | 市区町村役場 |
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期限 | 死後14日以内 |
必要書類 | 本人確認書類 印鑑 委任状 |
死亡届を提出すると役所が住民登録を抹消するので、特別な手続きは不要です。期限に遅れてしまうと5万円以下の過料が科されるので注意しましょう。
残る世帯員が一人の場合は、世帯主変更届は必要ありません。
死後から四十九日(納骨式)までの手続き一覧
四十九日までの手続きは以下のとおりです。
- 香典返し
- 本位牌・お墓の準備
- 四十九日法要(納骨式)
法要までに準備すべきものが多いので、早めに準備を始めましょう。
香典返し
香典返しとは、通夜や葬儀の参列者からいただいた香典へのお返しとして品物を贈ることです。一般的には葬儀後から忌明け1カ月以内に送ります。最近は、通夜や葬儀など香典をもらった当日に香典返しを渡すケースも多いようです。
香典返しの品物としてお茶やコーヒー、石鹸やタオルなどの消耗品が人気です。カタログギフトを香典返しとして贈る方法もあります。参列者が多い場合は、早めに品物を手配しておきましょう。
香典返しの相場は、香典の金額の半額から3分の1程度です。高額な香典をもらった場合は、4分の1を目安に用意すれば問題ありません。
例えば、1万円の香典をもらったときは3,000円~5,000円(半額~3分の1)を、5万円の高額な香典をもらったときは1万3,000円前後(4分の1)を香典返しの目安とします。
香典返しを配送する場合は、品物と合わせてお礼の気持ちを記したお礼状を添付しましょう。
本位牌・お墓の準備
四十九日法要に合わせて納骨やお墓参りをするのが一般的なので、四十九日までに仏壇とお墓の準備を済ませておきましょう。合わせて本位牌の準備も必要です。
仏壇とお墓がない場合は、新しく購入しましょう。一般的なお墓の場合、完成までに2~3カ月程度かかります。すでにお墓がある場合でも、追加彫刻に3~4週間程度かかるため、なるべく早めに注文しましょう。
墓石を設置しない屋内タイプのお墓であれば、2週間程度で準備できます。どのようなお墓を選ぶかによって準備時間は大きく異なるので、あらかじめ決めておくとよいでしょう。
本位牌は、四十九日法要の1週間前までに手元にある状態が理想的です。位牌には故人の戒名や命日も彫刻しますが、完成までに2週間ほどかかります。直前になって慌てることがないように、日にちに余裕をもって注文しましょう。
四十九日法要(納骨式)
四十九日法要では、会式の挨拶後に僧侶の読経と焼香を行い、お斎(おとき)と呼ばれる会食をするのが一般的な流れです。先祖代々から供養を依頼している菩提寺(ぼだいじ)がある場合は、お寺に連絡をしておきましょう。
本来は死後49日目に執り行うべきものですが、49日目が平日にあたる場合は、直近の土日等にずらすことも可能です。住職や親族と相談して、法要を行う日時を決めましょう。
少人数で行う場合は自宅ですが、人数が多い場合は菩提寺や会館などで行います。住職の都合や施設の予約状況などを事前に確認しておきましょう。参列者の人数が決まったら、法要終了後に行われる会食や引き出物の手配をします。
葬儀社に依頼すれば、四十九日法要の準備を行ってくれる場合があります。お墓の準備などで忙しい場合は、葬儀社にサポートを頼みましょう。
死後1年以内に済ませておきたい手続き一覧
死後1年以内に以下の手続きをすべて済ませておきましょう。
- 【死後1カ月以内】雇用保険受給資格者証の返還
- 【死後3カ月以内】相続人の確定
- 【死後3カ月以内】法定相続情報一覧図の取得
- 【死後3カ月以内】相続財産の確定
- 【死後3カ月以内】相続放棄・限定承認
- 【死後4カ月以内】所得税準確定申告・納税
- 【死後10カ月以内】相続税の申告・納税
どれも重要な手続きなので、早めの対応をおすすめします。
【死後1カ月以内】雇用保険受給資格者証の返還
故人が雇用保険を受給していた場合は、ハローワークに雇用保険受給資格者証を返還しましょう。雇用保険受給資格者証とは、失業手当の受給資格があることを証明するものです。
返還先 | 雇用保険を受給していたハローワーク |
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期限 | 死後1カ月以内 |
必要書類 | 雇用保険受給資格者証 死亡診断書のコピー 住民票 |
【死後3カ月以内】相続人の確定
相続が発生したら、被相続人の法定相続人が誰であるかを調査し、確定する必要があります。
相続人の確定に期限はないものの、相続放棄や限定承認を行う場合は自己のために相続があったことを知ってから3カ月以内に確定しましょう。
なお、相続放棄・限定承認については「【死後3カ月以内】相続放棄・限定承認」にて詳しく解説します。
戸籍の請求先 | 本籍地の市区町村役場 本籍地の地区市民センター コンビニ など |
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期限 | なし (相続放棄・限定承認を行う場合は3カ月以内) |
戸籍取得の際の必要書類 | 戸籍交付申請書 印鑑 本人確認書類 手数料(現在戸籍は1通450円、除籍・改製原は750円) |
相続人調査を行う際は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、そこからすべての相続人を洗い出します。
このとき注意しなければならないのは、相続人を見落とさないことです。ひとりでも見落としてしまうと、このあと行う遺産分割協議やほかのさまざまな手続きをやり直す必要性が出てくるためです。
相続人が確定したら、「法定相続情報一覧図」の作成をおすすめします。
【死後3カ月以内】法定相続情報一覧図の取得
法定相続情報一覧図とは、法務局の認証が入った公的な証明書で、見た目は家系図に似ています。
必須な書類ではなく、「いつまでに取得しなければならない」というものでもありませんが、相続人が確定したらぜひ取得しておきましょう。戸籍謄本に代わる書類として、さまざまな相続手続きに使用できます。
提出先 | 被相続人の最後の本籍地を管轄する法務局 被相続人の最後の住所地を管轄する法務局 被相続人が所有する不動産の所在を管轄する法務局 申出人の住所地を管轄する法務局 |
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期限 | 期限はないが、相続人が確定でき次第取得するのがおすすめ |
必要書類 | 申出書 法定相続情報一覧図 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 被相続人の戸籍の附票または住民票の除票 相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本 相続人全員の住民票(法定相続情報一覧図に住所を記載する場合) 申出人の本人確認書類 |
戸籍謄本は、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の払い戻しなど、多くの相続手続きに必要です。原本は原本還付請求をすれば返却してもらえますが、中には返却されるまでに日数を要する手続きもあります。
また、原本還付請求の際には戸籍すべてのコピーを取らなければならないこともあり、手間と時間がかかります。しかし、法定相続情報一覧図があれば戸籍謄本の省略が可能です。複数枚取得しておけば、同時に複数の手続きが行えます。
【死後3カ月以内】相続財産の確定
相続人の確定と並行して、相続財産の確定も行います。
相続財産が把握できていないと、相続放棄や限定承認をすべきかどうかの判断ができないため、相続放棄や限定承認の期限である「自己のために相続があったことを知ってから3カ月以内」に終えられるようにしましょう。
期限 | なし(※) |
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確認書類 | 固定資産の課税明細書や名寄帳、権利証 通帳やキャッシュカード、金融機関からの郵便物 車検証 証券や口座開設資料、証券会社からの郵便物 借用書や請求書、通帳の取引明細、など |
調査の対象は、預貯金や不動産、自動車など、被相続人が所有していたもののうち金銭に代えられるものすべてです。目に見えるものやプラスの財産だけでなく、著作権や借地権などの権利や、借金やローンなどのマイナスの財産も含まれます。
銀行口座の有無は通帳やキャッシュカード、郵便物などから特定できます。不動産は各自治体から送られてくる固定資産の課税明細書を確認し、さらに非課税の不動産も記載される「名寄帳(なよせちょう)」も役所で取得しておくと漏れがありません。
借金やローンなどのマイナスの資産に関しては、過去の請求書などを確認するとよいでしょう。
相続人と相続財産が確定したら、そこではじめて相続放棄や限定承認を検討します。
【死後3カ月以内】相続放棄・限定承認
故人に多額の負債がある場合には、相続放棄や限定承認を検討しましょう。それぞれ解説します。
相続放棄
相続放棄は、はじめから相続人ではなかったことにする手続きです。相続放棄すると、すべての資産・負債を相続しません。
提出先 | 被相続人の住所地の家庭裁判所 |
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期限 | 相続があったことを知ってから3カ月以内 |
必要書類 | 相続放棄申述書 被相続人の除籍謄本 被相続人の住民票除票 申述人の戸籍謄本、など |
相続放棄の手続きは、弁護士などの専門家に依頼できます。債権者とトラブルに発展する可能性がある場合には、専門家に依頼した方が確実です。
ただし、保険の受取人に指定されていないにも関わらず保険金請求権を行使して保険金を受け取ると、相続放棄はできないので注意しましょう。専門家に相談すれば、注意点も含めてアドバイスをもらえます。
限定承認
限定承認とは、資産の範囲内で負債を引き継ぐ手続きです。資産よりも負債のほうが大きければ資産も負債もゼロになり、負債よりも資産のほうが大きければ差し引き後に残った資産を相続できます。
提出先 | 被相続人の住所地の家庭裁判所 |
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期限 | 自己のために相続があったことを知ってから3カ月以内 |
必要書類 | 限定承認の申述書 財産目録 被相続人の出生から死亡までの戸籍 被相続人の住民票除票または戸籍の附票 相続人全員の戸籍謄本 収入印紙(800円分) 返信用の切手、など |
限定承認は、相続人全員で行わなければなりません。1人でも限定承認に反対していたり、すでに単純承認してしまっていたりするとできません。
限定承認を選択したいなら、できるだけ早くほかの相続人と連絡を取り、限定承認したい旨を相談する必要があるでしょう。
【死後4カ月以内】所得税準確定申告・納税
故人が確定申告をすべき人であった場合、相続人が代わりに確定申告(準確定申告)をしなければなりません。
準確定申告が必要になるのは、以下のケースです。
- 事業所得・不動産所得がある
- 2,000万円以上の給与がある
- 複数企業から給料がある
- 公的年金による収入が400万円以上ある
- 給与・退職金以外で20万円以上の収入がある
申告先 | 死亡者が住んでいた住所地を管轄する税務署 |
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期限 | 死亡を知った翌日から4カ月以内 |
必要書類 | 確定申告書 死亡者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表 死亡者の源泉徴収票 死亡者の控除証明書 死亡者の医療費の領収書 委任状 |
税務署が遠方にあって申告書を持参するのが難しい場合は、郵送や電子申告で提出できます。専門家に手続きを依頼することも可能ですが、別途委任状が必要です。
4カ月以内に手続きをしなかった場合、加算税や延滞税などの追徴税が課される可能性があります。本来もらえるはずだった還付金がもらえない場合もあるので、必ず期限内に申告を済ませましょう。
会社で年末調整がされている場合、準確定申告は不要です
【死後10カ月以内】相続税の申告・納税
相続財産の総額が相続税の基礎控除額を超える場合には、相続税の申告と納税が必要です。基礎控除額は法定相続人の数によって決まります。
申告先 | 被相続人の住所地の税務署 |
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期限 | 死亡を知った翌日から10カ月以内 |
必要書類 | 戸籍謄本 遺産分割協議書の写し 各相続人の印鑑証明書 預貯金・借入金などの残高証明書 生命保険金・退職手当金などの支払証明書 不動産の登記簿謄抄本(登記事項証明書)・地形図 固定資産税評価証明書 |
相続税の申告には数多くの添付書類が必要になるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
納付方法は金融機関をはじめ、税務署の窓口、インターネットバンキング、コンビニエンスストアの窓口などがあります。
死後2年以内に済ませておきたい手続き一覧
死後2年以内に行うべき手続きは以下のとおりです。
- 国民年金の死亡一時金請求
- 埋葬費の請求
- 葬祭費の請求
- 高額医療費の申請
上記の手続きを怠ると、本来もらえるお金がもらえなくなってしまいます。忘れないうちに早く手続きを行いましょう。
国民年金の死亡一時金請求
国民年金の保険料を一定期間以上納めていた人が受給しないまま亡くなったときは、死亡一時金を請求できます。
申請先 | 市区町村役場 年金事務所 年金センター |
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期限 | 死亡日の翌日から2年以内 |
必要書類 | 死亡した人の年金番号を明らかにする書類 死亡した人と申請者の関係がわかる戸籍謄本 死亡した人の住民票除票 申請者の世帯全員の住民票 振込用の銀行預金通帳 |
支給される金額は12万~32万円です。国民年金の加入期間によって金額は変動します。
埋葬料の請求
故人が健康保険の被保険者だった場合は、5万円の埋葬料を請求できます。埋葬料を申請できるのは、葬式を主催した喪主や埋葬を行った人などです。葬儀には相当な費用がかかるので、早めに申請して埋葬料を受け取りましょう。
提出先 | 健康保険組合 協会けんぽ |
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期限 | 埋葬を行った日の翌日から2年以内 |
必要書類 | 健康保険埋葬料請求書 健康保険証 死亡診断書(コピー可) 葬儀費用の領収証など |
葬儀後の慌ただしさで意外と忘れやすい手続きなので注意が必要です。代理申請も可能ですが、その場合は委任状が必要です。
葬祭費の請求
故人が国民健康保険または後期高齢者医療保険に加入していた場合は、葬祭費の請求ができます。
提出先 | 故人が住んでいた市区町村役場 |
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期限 | 葬儀から2年以内 |
必要書類 | 故人の健康保険証 申請者の本人確認書類、印鑑 葬儀費用の領収証 |
葬祭費の金額は家族の状況や市区町村によって異なりますが、約1万~7万円です。
高額医療費の申請
亡くなられた方の自己負担限度額を超える高額な治療費を負担をした場合は、高額医療費の還付請求ができます。国民健康保険や後期高齢者医療制度、医療保険のいずれの加入者も対象となる制度です。
提出先 | 健康保険組合 協会けんぽ 市区町村 |
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期限 | 医療費支払いから2年以内 |
必要書類 | 本人確認書類 保険証 高齢受給者証(70歳以上) 医療費の明細書 |
還付金の対象となるのは保険適用分のみです。保険適用外の食事代や居住費、先進医療にかかる費用などは対象外なので注意しましょう。
死後5年以内に済ませておきたい手続き一覧
死後5年以内に済ませておきたい手続きは以下のとおりです。
- 死亡保険金の受け取り
- 遺族基礎年金・遺族厚生年金の請求
- 寡婦年金の請求
5年の長い期限が定められていますが、早めに対応することで必要なお金をすぐに受け取れるようになります。できれば死後すぐに手続きを行いましょう。
死亡保険金の受け取り
故人が生命保険に加入していたら、生命保険会社に連絡して、死亡保険金の受け取り手続きをしましょう。後日、必要書類の案内と請求書が送られてくるので、案内に従って手続きを進めていきます。
請求先 | 生命保険会社 |
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期限 | 保険契約による |
必要書類 | 請求書 死亡者の住民票 受取人の戸籍抄本 受取人の印鑑証明 死亡診断書 保険証券 |
保険金の支払期限は約款(やっかん)に定められています。約款とは支払い対象の詳細や条件などを定めたもので、内容は各社異なります。事前に確認しておきましょう。
遺族基礎年金・遺族厚生年金の請求
故人が国民年金または厚生年金に加入していた場合、遺族年金を受給できます。受給対象者となるのは、一定の要件を満たした子を持つ配偶者と子のみです。
請求先 | 年金事務所 |
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期限 | 死後5年以内 |
必要書類 | 年金手帳(故人および請求者のもの) 戸籍謄本 世帯全員分の住民票の写し 死亡者の住民票の除票 請求者の所得証明 死亡診断書のコピー 振込先の通帳 |
年金事務所に遺族年金の申請をしないと受給できないので、早めに申請をしましょう。
寡婦年金の請求
寡婦年金は、国民年金の保険料を10年以上納めた夫が亡くなったときに、その妻が60歳から65歳までの間受け取れる年金です。夫と10年以上婚姻関係にあれば、内縁の妻であっても支給対象になります。
請求先 | 市区町村役場 年金事務所 年金相談センター |
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期限 | 亡くなった日の翌日から2年 |
必要書類 | 基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号がわかる書類 戸籍謄本 世帯全員の住民票の写し 死亡者の住民票の除票 請求者の収入が確認できる書類 受取先金融機関の通帳 年金証書 |
期限を過ぎると時効になり、寡婦年金を受け取れません。実際に支給されるのは60歳からですが、支給を受けたい場合は死後2年以内に手続きを済ませておきましょう。
期限はないものの早めに済ませておきたい手続き一覧
特に期限は定められていませんが、以下の手続きは早めに済ませておくことをおすすめします。
- 免許証の返納
- パスポートの失効
- 公共料金の解約・名義変更
- クレジットカードの解約
- 携帯電話・インターネット等の解約
手続きをせずに放っておくと、利用料金が発生し続ける場合があるので注意が必要です。
免許証の返納
亡くなった人が免許証を持っていた場合は、返納手続きをしましょう。
返納先 | 自動車安全運転センター 警察署 |
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必要書類 | 免許証 死亡診断書の写し 提出者の本人確認書類 |
免許証の未返納に罰則はありません。ただし、他人に悪用されるリスクがあるため、返納した方が望ましいでしょう。
パスポートの失効
パスポートを持っていた場合は、パスポートセンターで失効手続きをしましょう。
申請先 | パスポートセンター |
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必要書類 | パスポート 死亡診断書の写し 窓口に行く人の身分証明書 |
他人に悪用されるリスクを回避するためにも、早めに手続きすることをおすすめします。
公共料金の解約・名義変更
電気・ガス・水道などの公共料金は、今後使用しないのであれば早めに解約しておきましょう。解約期限は特にありませんが、解約しない限り料金が発生し続けてしまいます。
電力会社やガス会社、水道料金は市区町村に連絡をすれば手続きができます。使用を継続するものは、名義変更や口座の変更手続きをしておきましょう。
ただし、引っ越し作業や遺品整理などの予定があるときは、先に電気や水道を止めてしまうと作業ができません。作業がすべて終わってから、解約をするか、解約日までに作業を終わらせましょう。
クレジットカードの解約
クレジットカードの契約がある場合、クレジットカード会社に電話をすれば、すぐに利用を止めてもらえます。
カード裏面に連絡先の電話番号が記載されているので、各社に連絡を入れて利用停止手続きをしてもらいましょう。
携帯電話・インターネット等の解約
故人が契約していた携帯電話やインターネットがあれば、早めに解約しましょう。支払明細や請求書で確認すれば、契約先をすぐに把握できます。
まずは契約先を確認し、Webまたは電話にて必要な手続きの指示をもらいましょう。
死後の手続きをスムーズに行うポイント
死後の手続きをすべてこなすのは大変ですが、以下5つのポイントを押さえておけばスムーズに行えるようになります。
- チェックリストを作成する
- 書類をしっかり管理する
- 郵送物は必ず確認する
- 弁護士に相談する
- 代行業者に依頼する
上記ポイントをチェックして、万が一のときにすぐに対応しておけるように準備しておきましょう。
チェックリストを作成する
漏れなく手続きを進めていくために、事前にチェックリストを作成しておきましょう。必要な手続きを一覧にまとめることで、何をすべきかが明確になり、余計な手間暇をかけずに円滑に進められます。
チェックリストと同時に、スケジュールも作成しておくと安心です。期限付きで管理しておけば、「本来もらえるはずの給付金を受け取れなかった」などと損することはなくなります。
まずは早期に行うべきものから順にリストアップしてみましょう。やるべき手続きが多いとチェックリストの作成にも時間がかかるため、早めに取り掛かることをおすすめします。
自分で作成する時間がない場合は、ネット上に公開しているチェックリストを参考にするのがおすすめです。細かな手続きも含めたチェックリストを公開しているサービスは多いので、使いやすそうなものをダウンロードして利用すると良いでしょう。
書類をしっかり管理する
死亡手続きに関する書類を紛失しないように、管理を徹底することも大事です。死亡手続きの関連書類は数が多いので、役所でもらうものや病院でもらうものなどを分けてファイリングしておくと、あとで見つけやすくなります。
必要な時に必要な書類が見つからないと、書類の再発行を依頼しなければならず、時間のロスにつながります。最悪の場合は期限切れになってしまうこともあるので、早めに専用のファイルを用意しておきましょう。
郵送物は必ず確認する
死後は故人の自宅にたくさんの郵送物が届きます。遺族が知らないうちに保険に加入していたり証券会社の口座を持っていたりする場合があるので、必ず郵便物はチェックしましょう。
故人の自宅が離れた場所にある場合、定期的に通って郵便物を確認する必要があります。遺族であっても、故人宛ての郵便物は転送ができません。
郵便物の配達を止めたい場合は、郵便局に受取人が死亡した事実を伝える必要があります。伝えずにいると、郵便物が配達され続けます。死後の手続きが落ち着いたら、郵便物の配達をストップしてもらいましょう。
弁護士に相談する
法律に関する手続きは、弁護士に相談するのがおすすめです。特に遺産相続に関する手続きはトラブルが起きやすいので、最初から弁護士に任せたほうがよい場合もあります。
相続手続きを士業に依頼するときの費用相場は5万~10万円前後です。金額や報酬体系は事務所ごとにかなり幅があるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
司法書士や行政書士、税理士などにも相続財産調査や相続人調査などを依頼できます。しかし、相続トラブルになった場合に、裁判の対応を任せられるのは弁護士のみです。
他の相続人との交渉が必要な場合や、調停・審判などへの対応が必要な場合は弁護士に依頼するとよいでしょう。弁護士に遺産分割調停を依頼すると、着手金だけでも数十万円の費用がかかります。
決して安い費用ではありませんが、相続トラブルを解決できる大きなメリットがあります。専門家に一任すれば、難解な手続きもすんなりと終わらせられるので、それぞれの状況に応じて上手に活用しましょう。
代行業者に依頼する
遺族だけで手続きをするのが難しい場合は、信頼できる代行業者に委任しましょう。コストはかかりますが、必要な手続きを一任できるため、遺族側の負担を大幅に軽減できます。
代行サービスでは、以下の手続きをすべて依頼人の指示どおりに行ってくれます。
- 葬儀・埋葬
- 死亡診断書の受領
- 遺体引き取り
- 役所での死亡届提出等
- 死亡通知
- 住宅の遺品整理
- 住宅の清掃
- 不動産契約
- 銀行口座の解約
- 証券口座やゴルフ会員権などの名義変更
- 公共サービスの解約・精算手続き
- 財産や貴重品の仕分け・保管
- パソコン・カメラ・携帯電話等に保存されているデジタルデータの処分
- メールアカウントやSNSサービスの利用停止手続き
料金は業者やサービス内容によって異なりますが、遺産総額の数パーセントなどと設定されている場合が多いです。ネットで代行依頼ができる業者もあるため、手間がかからないのがメリットです。
銀行口座解約には死亡届が必要になるため、書類をそろえて依頼しましょう。
死後のショックで何もする気になれない、多忙で手続きする時間がないという方は、代行サービスの利用を検討してみてください。
死後の手続きに関するよくある質問
死後の手続きに関するよくある質問をご紹介します。
死後の手続きに優先順位はある?
死後の手続きには期限が定められているものも多く、期限が短い手続きから率先して行わなければなりません。
とくに相続に関する手続きは1日でも遅れてしまうと、その後の遺産分割に大きな影響を与えます。
手続きがスムーズに進まないだけではなく、マイナスの財産を相続することになったり、給付金が受けられなかったりする可能性もあるのです。
チェックリストを活用しながら、1つずつ進めることをおすすめします。
死後の手続きは誰がする?
死後の手続きを行う方に規定はありません。故人の配偶者や子ども、孫など、深く繋がりのある方が行うのが一般的です。
ただし、必要書類の取り寄せや各機関への手続きは、血が繋がっている直系血族しか行えないケースが多いです。例えば、忙しい遺族に代わり、相続人ではない故人の子どもの配偶者が諸手続きを行う場合などは、できることが限られてしまいます。
故人の配偶者や子どもなどで分担し、協力して進めることが大切です。
役所ではどんな書類をもらっておけばよい?
死後の手続きでは多くの書類提出を求められます。役所で取得できる書類のなかで、とくに必要となるのが以下の3つです。
- 戸籍謄本
- 印鑑証明
- 住民票
戸籍謄本・住民票は、亡くなった方と相続人全員のものがそれぞれ必要になります。また、複数の手続きを同時進行することを考え、最低でも2枚ずつ取得しておきましょう。
故人の銀行口座から預金をおろしてもよい?
ご自身の相続分が決定していない場合、故人の銀行口座から預金をおろす行為は控えましょう。
口座凍結は故人の死亡を銀行へ連絡することで行われます。逆をいえば、遺族側が連絡をしないかぎり口座は生きており、預金を引きだせる状態なのです。
しかし、遺産分割についてまとまっていない段階で預金をおろすと、財産総額がわからなくなったり、ほかの相続人から不満が出たりしてトラブルに発展することも考えられます。
また、ご自身が相続放棄を検討している場合、おろした預金を使った時点で相続放棄ができなくなります。
故人の口座から預金をおろす行為は罪に問われないものの、トラブルに発展するケースがあるため控えたほうがよいでしょう。
死後の手続きに迷ったら専門家に相談しよう
死亡手続きは多岐にわたるため、すべてを漏れなくこなすのは変です。大切な人を亡くしたばかりで、手続きを進められない場合もあるでしょう。
忙しくて手続きを行うのが難しい場合や、周りに手助けしてくれる親族や家族がいない場合は、葬儀社や代行業者に任せるのも一つの方法です。専門家のサポートを得ることで、精神的かつ体力的な負担を大幅に減らせます。
死後の手続きについて困ったときは、今回の記事を参考にしてみてください。
ほかにもこちらのメディアでは、死亡届の提出期限はいつになるのかや死亡届のコピーの必要性についても解説しています。ぜひこちらの記事もご確認ください。