ペットと一緒に入れるお墓はある?樹木葬の費用やメリットを解説

新しいお墓のスタイルとして近年注目を集めている樹木葬ですが、ペットが利用できるプランはあるのでしょうか?大切なペットと一緒にお墓に入りたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

近年では供養方法の多様化が進んでおり、ペットと一緒に入れるお墓もあります。そのうちの1つが樹木葬であり、コストを抑えつつ自然の中で供養できるのがメリットです。

この記事ではペットの樹木葬や人とペットが一緒に入れる樹木葬について、費用やメリットを解説していきます。

1分でわかる!記事の内容
  • ペット樹木葬とは樹木や草木をシンボルとしたお墓のこと
  • ペット専用の樹木葬のほか、ペットと人が一緒に利用できる樹木葬もある
  • ペットと人が一緒に樹木葬を利用する場合、費用は30万円~100万円

樹木葬とは

樹木葬とは樹木や草花をお墓のシンボルである墓標とした、新しいタイプのお墓です。始まりは自然の山林を活かした場所に、亡くなった方の遺骨を「土に還す」という考え方で行われる埋葬方法でした。

樹木葬の一般的な認知度が徐々に上がるにつれて、興味を持つ方も増え、人気も高まっています。

近年では、郊外の山林だけではなく都市部の霊園で行えるところも増えており、骨壷に入れたまま埋葬するタイプの霊園もあります。

ペットの樹木葬

ペットの樹木葬とは、人間の樹木葬と同様に、墓標を樹木や草花にしたお墓のことです。実はペットの樹木葬ができる霊園が少しずつ増えてきています。

近年のペットブームで、ペットを家族同然に愛して、様々なことを人間と同様、もしくはそれ以上に手間やお金を惜しまずに行いたいと考える方が増えています。ペットの健康や美容、ファッションなどに意識を向けるのと同様に、葬儀やお墓についても人間と同様に行いたいと考えているのです。

また、どのようなときも一緒に過ごしたいと考え、レストランやホテルなどに連れて出かけるケースも見られます。一緒にお墓に入れないだろうかと考えることも自然な流れでしょう。

ペット専用の樹木葬だけでなく、人間とペットが一緒に入れる樹木葬もあります。

ここからはペットの樹木葬について詳しくご紹介します。

種類

ペットが行える樹木葬には3つの種類があります。

  • ペットと人が一緒に入れる樹木葬
  • ペット専用の樹木葬
  • 自宅で行う樹木葬

家族同然に大切にしているペットを供養するため、希望される条件が叶えられるのはどのタイプなのか、よく見極めて選択するようにしましょう。

以下、それぞれの特徴について解説していきます。

ペットと人が一緒に入れる樹木葬

人が利用する霊園で行われる樹木葬のプランの1つとして、ペットと一緒に入れる樹木葬が用意されているタイプです。ひと昔前までは、仏教的な考え方の影響もありペットと人を一緒に供養して、同じ場所に埋葬できる墓地はほとんどありませんでした。

家族として一緒のお墓に入りたいと考える方の増加、宗教にこだわらずに利用者を受け入れる樹木葬の広がりに伴って、ペットと一緒に入れる霊園も少しずつ増加しています。

ペット専用の樹木葬

ペット専用の樹木葬は、多くの場合ペット専用霊園で行われています。ペットのお葬式や火葬、納骨などがセットとされているなど、利用しやすさが利点となっています。

人が利用する霊園と異なり、霊園を作る際の審査は厳しくないため様々な業者が参入している可能性があり、健全な経営が行われているかどうかには注意するべきです。

自宅で行う樹木葬

自宅の庭など、私有地に埋葬する方法です。

古くからペットの埋葬に利用されてきた方法で、費用もかからず身近な場所で大切なペットを供養できる利点があります。

転居し土地を手放す場合には、ペットの遺骨を再度掘り返す必要も出てきてしまいます。将来的にその土地を手放す可能性がないかどうかは、よく検討しましょう。

また、埋葬する際には一度火葬してから行うほうが、衛生面から考えて好ましいため、民間のペット火葬サービスを利用するのがおすすめです。

ペット樹木葬の埋葬方法

樹木葬には以下の3つの埋葬方法があります。

  • 合葬(合祀)型
  • 集合型
  • 個別型

埋葬の方法により、遺骨が他の遺骨と一緒に埋葬されるか、シンボルツリーはどのように配置されるかが異なります。

樹木葬を選択する際に、どのような埋葬方法になるかは大きな違いとなるため、慎重に検討して選択することが大切です。

ここからそれぞれの方法について解説します。

合葬(合祀)型

合葬(がっそう)という名前のとおり、他の遺骨と合わせて埋葬されます。

そのため、一度埋葬してしまうと他の遺骨と一緒になることから、改めて遺骨を取り出すのが困難です。

先々、他のご家族と一緒に埋葬するために取り出して埋葬し直したいといった希望がある場合には、合葬型は避けるようにしましょう。

集合型

集合型では1つのシンボルツリーの周りに別々のカロート(納骨するためのスペース)を設けて、1つ1つの遺骨が埋葬されます。個別型よりは費用が抑えられ、万が一遺骨を取り出したいと考える場合にも対応できる点がメリットです。

ただしお参りのスペースは他の利用者と共用になっていることが多く、自分たちのペースでゆっくりお参りができない可能性があります。

個別型

1つの遺骨に対して1つのシンボルツリーが設置された、従来のお墓のタイプと最も似た形で行われる埋葬タイプです。

それぞれの遺骨が個別に埋葬されているため、お墓参りに行くときにもゆっくりと時間が過ごせます。

ペットと飼い主が一緒に埋葬されている場合には特に、遺族が安心して故人を供養できます。

ペット樹木葬の費用

樹木葬では一般的なお墓と比べると費用が抑えられます。それはお墓の購入費用のうち大部分を占める墓石の代わりに、樹木や草花をシンボルとするからです。

ペット樹木葬についても墓石を準備するようなお墓に比べると費用が比較的抑えられる傾向にありますが、埋葬方法によって費用は大きく異なります。

霊園に依頼する場合

樹木葬ができる霊園に依頼する場合、個別型、合葬型、集合型の埋葬方法によって費用相場は異なります。

また、ペット専用か、それとも人と一緒に入れる樹木葬なのかによって、費用相場は変化します。

霊園によってサービスがオプションになったり、費用に含まれる範囲が異なったりするため、予算と希望条件をもとに、いくつかのプランを比較して選ぶのがおすすめです。

費用相場

主な樹木葬の費用相場は以下のとおりです。ペットを供養するにあたって、どのような埋葬方法が適しているのか、費用相場と考え合わせて決定することが大切です。

埋葬方法 費用相場
個別型(ペットのみ) 10万円〜30万円
個別型(人と一緒) 40万円〜100万円
合祀型(ペットのみ) 1万円〜5万円
合祀型(人と一緒) 30万円〜50万円

費用内訳

それぞれの費用の内訳を見ていきましょう。

永代使用料

お墓の区画を使用するための費用です。都心でアクセスがよい霊園の場合には高額になりますし、同じ霊園であっても区画の面積に応じて費用は異なります。

似た名称ではありますが永代供養料は、永代にわたって供養をしてもらうための費用となり、永代使用料と一緒に請求されることが多くなっています。

埋葬料

遺骨の埋葬にかかる費用を言い、一般的には埋葬される故人やペットの数ごとに費用がかかります。

銘板彫刻料

銘板(めいばん)と呼ばれるプレートにお名前を刻むための費用です。樹木葬は基本的にシンボルツリーを植えることで、一般的なお墓における墓石の代わりとしますが、集合型や個別型などでは銘板を必要とすることもあります。

年間管理料

樹木を含めたお墓の管理を依頼するための費用です。霊園によって金額に違いはありますが、3,000円〜2万円程度になります。

自宅で行う場合

自宅で樹木葬を行う場合には費用はほぼかかりません。樹木葬キットや銘板プレートを購入するなどしても安価で抑えられます。

自宅に埋葬する際も火葬を行ってからが衛生面で好ましいとされているため、できるだけ火葬を行ってから埋葬するようにしましょう。公営の火葬場では遺骨が戻って来ない場合が一般的なため、民間の火葬業者に依頼しましょう。

ペット樹木葬のメリット・デメリット

ペットの樹木葬に興味をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。しかし、まだまだ新しいサービスであることから情報は多くはなく、実際に利用するまでのハードルは高いかもしれません。

大切なペットに対して後悔なく供養が行えるように、利用する際のメリット・デメリットにはどのようなものがあるか、ご紹介します。

メリット

大きなメリットとして挙げられるのは、人間の樹木葬と同様に、墓石を購入する費用が必要ないことです。それによってお墓の準備にかかるコストが、比較的安く抑えられます。

また、大切なペットを自然の中で供養してあげたい、自然に還したいという希望が叶えられ、人と一緒に入れる樹木葬であれば家族同様に、亡くなってからも一緒にいられます。

デメリット

新しい供養のスタイルであるペットの樹木葬は、徐々に増加しているとはいえ、まだまだできるところが少ないのがデメリットです。ペット専用霊園もそれほど多くない中で、樹木葬が行える場所も限られており、人と一緒に利用できるところはさらに限られます。そこから希望に沿ったスタイルの樹木葬を選択できる可能性も低くなります。

合葬型では一度埋葬してしまえば遺骨を取り出せなくなるため、そこもデメリットです。

ペット樹木葬を行う際の手続き

ペットの樹木葬を行う場合の手続きには、どのようなものがあるのでしょうか?

人が亡くなった場合には役所に死亡届を提出し、火葬許可証を受け取ります。火葬を終えたら埋葬許可証を受け取って、その後初めて埋葬手続きができるのです。

ペットの場合にはそのような書類提出や手続きは必要になるのか、以下に解説します。

ペットと人が一緒に入れる霊園の場合

ペットと人が一緒に利用できる樹木葬霊園の場合、利用手続きは人に準じているところが一般的です。人が入ることが前提となっているため、それに合わせた書類の提出が必要となります。

ペットの遺骨を納めるときには、埋葬許可証等は必要ありませんが、霊園によっては個別の書類提出が必要となることがあるため、事前に確認しておくことが大切です。また、ペットの火葬ができるところは限られているため、民間の業者へ依頼しましょう。

ペット専用霊園の場合

専用霊園の場合、まずは埋葬プランを確認して希望に合った樹木葬が選べるところを探しましょう。希望に合うプランが見つかれば契約を行います。

人を埋葬するときとは異なり、火葬許可や埋葬許可は必要ありませんが、衛生面からも火葬したうえで埋葬するよう決められていることが一般的です。

霊園に火葬場が併設されているかどうかを確認しておきましょう。火葬場が併設されていなければ、民間の火葬業者に依頼して遺骨にしてから埋葬します。

ペットと一緒に入れる樹木葬の注意点

ここまで、ペットの樹木葬について特徴やメリット・デメリットについてご紹介してきました。家族のお墓を考えるのと同様に、大切なペットの供養は後悔なく行いたいものです。

それでは実際にペット樹木葬の契約を行う際に、どのようなことに注意し、チェックを行う必要があるのでしょうか?4つのポイントに絞ってご紹介します。

宗教不問かどうかを確認する

樹木葬を行える霊園の多くは、利用者の宗教を問わないことが一般的です。ペットの樹木葬を行える霊園においても同様に、宗教不問としていることが多いものの、寺院に併設された霊園墓地などの場合には宗教を限定している場合もあります

納骨時の納骨式や法事など、宗教に基づいたしきたりがある場合もあるため、事前に確認をしておきましょう。

埋葬方法を確認する

樹木葬には合葬型、集合型、個別型の埋葬方法があります。ペットをどのように供養したいのか、飼い主である家族は一緒にお墓に入れるのか、希望の条件に沿ってよく確認しましょう。

霊園によって、または同じ霊園であってもプランによって埋葬方法は異なるため、ご自身が希望されているタイプが選択できるのかどうか、確認して選択することが大切です。

家族の理解を得る

ペットと一緒に入れる樹木葬を希望される場合、ご家族全員とよく話し合い理解を得ておく必要があります。

事前に話し合っておかなければ申し込みを行ったあとで、ご家族や親族がペットと一緒のお墓では納得できない、と反発される可能性もあります。

また、一度埋葬してしまえば遺骨を取り出すことが難しい場合も多いため、注意が必要です。

費用をよく確認する

諸費用としてかかる「永代使用料」「永代供養料」「銘板彫刻料」「年間管理料」は、霊園によって金額設定が異なります。また、それぞれの名目に含まれるサービスの範囲も異なります。

プランを決めて見積もりの提示を受けたら、どのような内訳になっているかをよく確認してみましょう。他の霊園の費用と比較することも必要です。

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