一日葬に興味はあっても、実際どの程度費用がかかるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
一日葬の平均費用を把握しておくと、葬儀の準備がしやすくなります。費用の内訳も理解しておけば、予算オーバーを避けられるでしょう。
今回は、一日葬の平均費用や内訳、注意点などをご紹介します。他の葬儀と費用を比較しているので、葬儀を選ぶときの参考にしてください。
- 一日葬にかかる費用の平均は30〜50万円
- 一日葬にかかる費用の5〜6割は葬儀の施行費用が占める
- 一日葬をする際は、香典収入が少ないことと会場使用料に注意が必要
一日葬とは?
一日葬とは、通夜を行わずに告別式と火葬のみを一日で行う葬儀形式です。
一般的な葬儀では、1日目に通夜、2日目に告別式と火葬を行います。しかし、一日葬は通夜を行わないため、1日だけで葬儀が終わります。
通夜がないとはいえ、葬儀の流れやマナーは通常の葬儀と変わりません。参列者の範囲や葬儀規模も限定されませんが、小規模で執り行うことが多いです。
一日葬は「ワンデーセレモニー」などとも呼ばれており、シンプルに葬式を行いたい方や遺族の負担を抑えたい方を中心に近年需要が高まっています。
一日葬の平均費用
一日葬の平均費用は30〜50万円です。実際の費用は地域・宗派・参列者数などによって異なりますが、一般的な葬儀と比べると費用を安く抑えられます。
費用が安い主な理由は、通夜にかかる費用をすべて省けるためです。日程を1日で終えられるので、飲食代などの負担も抑えられます。
無宗教形式で葬儀を行う場合は、お布施など寺院関係の費用がかからないので、総額はさらに安くなるでしょう。
ただし、実際の葬儀費用は葬儀の内容やオプションなどによって異なります。葬儀社と打ち合わせをする際は、費用の内訳までよく確かめておく必要があります。
一日葬にかかる費用の内訳
ここでは、一日葬にかかる費用の内訳を5つに分けて解説します。
- 葬儀全体の費用
- 施設の使用料
- 参列者の接待費用
- 僧侶へのお布施
- 寺院への費用
葬儀全体の費用
一日葬にかかる費用で大きな割合を占めるのは、葬儀の施行にかかる費用です。施行費用の内訳は、以下のとおりです。
搬送 | 寝台車の手配料、人件費 |
---|---|
安置 | 安置場所の使用料、ドライアイスなど |
棺 | 遺体を納める棺桶や死装束 |
遺影 | 遺影写真の作成・修正や額縁 |
祭壇 | 祭壇や水引幕、供花・お供え物 |
上記の費用だけで全体の5〜6割程度を占めます。実際の費用は、祭壇や棺のグレードによって変わります。
施設の使用料
葬儀を行う施設の使用料は「斎場」と「火葬場」の2つに大別されます。
斎場使用料 | 葬儀を執り行う会場の使用料金 民間:10~30万円 公営:数万円~ |
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火葬場使用料 | 火葬炉や控室の使用料金 民間:5万円以上 公営:無料~数万円程度 |
斎場使用料は、会場の規模が大きくなるほど高額になります。民間の斎場なら10~30万円が相場ですが、公営の斎場は数万円から利用可能です。
ただし、安置室や待機室を利用する際は追加料金が発生します。自宅で葬儀を行う場合は、斎場使用料はかかりません。
火葬場使用料は、民間の火葬場なら5万円以上かかりますが、公営なら無料~数万円程度で利用できます。
公営の多くは市民割引を設けており、市民であれば無料または数千円の利用料で済みます。反対に、住民票のある市以外の火葬場を利用するときは割高になるので注意が必要です。
民間は料金が割高ですが、公営よりもサービスは充実しており、予約が取りやすいのがメリットです。
参列者の接待費用
葬儀の参列者をもてなす接待費用には、以下のものが含まれます。
会葬礼状 | 参列者全員に渡すお礼状 |
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飲食接待 | 参列者に振る舞うお茶・菓子等にかかる費用 |
香典返し | 香典のお返しに贈る品物 (香典の3分の1〜半額が一般的) |
接待費用は、参列者の人数や料理のランクによって大きく変動します。ただし、一日葬は参列者が少ないケースが多いため、接待費用も少額に収まることが大半です。
僧侶へのお布施
遺族が僧侶を呼ぶ仏教の葬儀では、僧侶へのお礼として「お布施」を支払う必要があります。神式では「ご神饌料(ごしんせんりょう)」、キリスト教式では「献金」と呼ばれます。
お布施の金額は宗派や地域などによって異なりますが、通夜と告別式を行う一般的な葬儀よりも安く済むケースが大半です。いくら払えばよいかわからないときは、親戚や葬儀社などに相談しましょう。
寺院への費用
寺院に支払う費用には、以下のものが含まれます。
読経料 | 僧侶の読経に対する謝礼 (地域や宗派によって相場は異なる) |
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戒名料 | 故人に戒名を授けてもらう謝礼 (戒名のランクによって相場は異なる) |
お車代 | 僧侶の交通費 (寺院と会場の距離によって金額が変わる) |
御膳料 | 僧侶が会食に参加しなかった場合に渡す費用 |
無宗教形式で葬儀を行う場合、上記費用は必要ありません。
一日葬と他の葬儀の費用を比較
一日葬と他の葬儀の費用相場を比較すると、以下のようになります。
葬儀形式 | 費用相場 |
---|---|
一日葬 | 30〜50万円 |
一般葬 | 100〜120万円 |
家族葬 | 60〜80万円 |
直葬 | 20~30万円 |
ここでは、各葬儀の費用相場について詳しく解説します。
一般葬
一般葬とは、日本で一般的に行われてきた伝統的な葬儀形式のことです。費用は100〜120万円が相場ですが、参列者の数が多くなったり式場の規模が大きくなったりすると、200〜300万円程度かかることもあります。
一日葬よりも一般葬の費用負担が大きくなる理由は、通夜があることと、参列者の数が多いことにあります。
一般葬では参列者を限定せず、親族から会社関係者まで広く参列するため、一日葬よりも葬儀の規模が大きめです。参列者の数が増えれば、式場の規模も大きくなり、飲食代などの接待費用も高くなるので、トータルコストも増えます。
ただし、参列者の数が増えれば香典収入も増えるため、遺族の費用負担を軽くできるメリットもあります。
家族葬
家族葬とは、身内や親族だけで執り行う小規模な葬儀のことです。一般葬と同じように通夜と告別式・火葬を2日に分けて行いますが、参列者の数が少なく規模が小さいため、費用は60〜80万円程度でおさまるのが一般的です。
一日葬も家族葬と同様に葬儀の規模が小さめですが、通夜を行わない分、一日葬のほうが費用相場は安い傾向にあります。
ただし、家族葬は自由度が高いため、葬儀の内容やオプションなどによって費用が高くなったり安くなったりします。
簡素な葬儀にすれば、一日葬と同程度に費用を安くすることも可能です。逆にオプションをたくさんつけたり、式場のグレードを上げたりすると、一般葬と同程度の費用がかかることもあります。
直葬
直葬とは、通夜や告別式を行わずに、火葬だけを執り行う葬儀形式です。亡くなったあとに遺体を安置してから、そのまま火葬場へ移動するため「火葬式」とも呼ばれます。
直葬にかかる費用は、基本的に「火葬料金」「棺」「骨壷」の3つのみです。そのため、費用は全体で20~30万円ほどしかかからず、一日葬よりも安く抑えられます。
直葬は故人とのお別れの時間を取ることなく、すぐに火葬するため、もっともシンプルな葬儀形式です。式場を使用せず、料理等の接待も必要ないので、費用と時間を大幅に抑えられます。
ただし、故人とゆっくりお別れする時間が持てないため、心の整理ができないままに終わってしまうことがあります。費用を抑えつつ、故人とお別れする時間を作りたいなら、一日葬や家族葬を選んだほうがよいでしょう。
一日葬にかかる費用の注意点
一日葬は費用負担を抑えやすい葬儀形式ですが、以下2つの点に注意が必要です。
香典収入が少ない
一日葬は参列者数が少ないケースが多いため、香典収入も少なくなります。葬儀費用を香典収入だけではまかなえないので、持ち出し分で負担しなければなりません。
参列者が少ないのに大きな会場を借りて豪華な葬儀を行うと、遺族の負担が大きくなります。一日葬を行う際は、葬儀費用と香典収入のバランスに気をつけましょう。
葬儀会場の使用料は安くならない
一日葬を選んでも、会場の使用料は一般葬と変わらないこともあるので注意が必要です。
通夜を行わなくても、準備のために前日から会場を使用するときは、会場費が2日分かかります。その場合の会場費用は、2日かけて執り行う一般葬と変わりません。
会場を前日から使用する際は、葬儀会社と打ち合わせをするときに費用をよく確認しておきましょう。
一日葬にかかる費用の支払い方法
一日葬に限らず、費用は葬儀社が指定する方法で支払います。現金で支払う方法が主流ですが、最近は以下のように支払い方法が多様化しています。
- 現金一括い
- 銀行振込
- クレジットカード
- コンビニ決済
- 分割ローン
コンビニ決済は、支払い期限が請求書到着から1〜2週間に設定されていることが多いので、余裕をもって費用を用意できます。利息は発生しますが、分割ローンを用意している葬儀社もあるため、すぐに費用を用意できないときに便利です。
葬儀にはまとまった出費が必要なので、多彩な支払い方法を用意している葬儀社がおすすめです。現金決済以外は受け付けない葬儀社も多いため、支払い方法は事前にきちんと確認しておきましょう。
費用は、一日葬を終えてから1週間以内に喪主が支払うのが基本です。ただし、葬儀社によっては事前に一部入金が必要になるケースもあります。支払い期限は葬儀社によって異なるので、事前確認が必要です。
また、事前に予約しておくと早期予約割引が適用されるケースもあります。費用を抑えたいときは、事前に見積もりを取ることを検討してみましょう。
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