「四十九日法要の準備は、どのように進めればいいんだろう?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?親族の方が亡くなられたあとは、48日後に四十九日法要を行うのが通例です。
四十九日法要を行うにあたって、さまざまな準備を行う必要があります。法要の前後にやるべきことが多くあるため、きちんと把握しておくことでスムーズに法要を催せるでしょう。
こちらの記事では、四十九日法要の意義や準備の方法などを解説していきます。親族の方が亡くなり、四十九日法要の準備を進める方法を知りたい方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
- 四十九日法要を行うタイミングは「命日+48日」
- 四十九日法要に向けて準備するべきことは多くある
- 法要で述べる挨拶を考えることも大切
四十九日法要とは
四十九日法要とは、亡くなられた方を仏教の「極楽浄土」へ送るために行う、仏教上の儀礼です。四十九日の期間中は、亡くなられた方の霊魂が、次の生まれ変わりの場所(転生先)を決めるまでの状態と考えられています。
四十九日法要を行うことで、亡くなられた方の霊魂が極楽浄土へ向かい、仏の世界で安らかに生きていけると言われています。亡くなられた方をお送りするうえで、四十九日法要は重要な儀礼です。
法要の規模は遺族の意向によって差はあるものの、遺族や親族、懇意にしていた方が集まるため、数十人から数百人規模になることも多いです。
四十九日の期間は「命日+48日」
四十九日の期間は「命日+48日」です。仏教の世界では、亡くなってから100日目までは「命日を1日目」としてカウントします。
四十九日法要を執り行う日は、「亡くなった日を1日目としてカウントしたとき、49日目目にあたる日」となるため、間違えないように注意しましょう。例えば、4月1日に亡くなった方の場合であれば、法要日は5月18日になります。
四十九日のカウント方法を間違えてしまう方は多いので、亡くなられた方をきちんと供養するためにも、日を間違えないようにしましょう。
四十九日法要までは慶事を控えるのが一般的
結婚式や旅行、飲み会などの「楽しむために行うイベント」は、できるだけ慎みましょう。
仏教において、四十九日という期間は「亡くなられた方の霊魂が生まれ変わるまでの期間」と考えられている、重要な期間です。四十九日法要を行うまでは喪に服し、慶事や楽しいイベントを行うことは「亡くなられた方に対して失礼」と考えられています。
亡くなられた方へ配慮することが、慶事を控える大きな理由です。四十九日の期間中に慶事を行うことは「法令違反」というわけではありませんが、亡くなられた方への配慮を忘れないように気を付けてくださいね。
四十九日法要を行う意味
四十九日法要は、亡くなられた方を極楽浄土へお送りすることを目的に行われています。仏教の世界では、死後「7日ごと」に極楽浄土へ行けるか否かの裁判が行われています。
最後の判決の日が「49日目」と考えられており、「亡くなってから四十九日目」に法要を行い、亡くなられた方が極楽浄土へ行けるように冥福を祈るのです。
法要を前倒しで行うことはあっても、後ろ倒しにすることは亡くなられた方に対して失礼にあたります。そのため、法要を行う日のスケジュールについて、親族間で情報共有することが重要と言えるでしょう。
四十九日法要の準備
「初めて喪主になるから、四十九日法要の流れがわからない」という方も多いのではないでしょうか?
遺族の方々は、法要を行うためにさまざまな準備をしなければなりません。大切な方が亡くなられたあとに、どのような準備をするべきか把握しておきましょう。
四十九日法要の1カ月前まで
四十九日法要の1カ月前までに準備すべきことをご紹介します。
- 法要の日程と会場を決める
- 参列予定者へ案内状を送る
- 祭壇の飾り方を決める
- お斎(会食)を手配する
- 僧侶を手配する
- 納骨法要・開眼法要を手配する
- 四十九日法要で必要なものを手配する
法要の日程と会場を決める
日程は「命日+48日」にあたる日に行うケースが一般的ですが、都合によって前倒しにすることもあります。場所に関しては、「必ずここで行わなければならない」というルールはありません。
先祖代々の菩提寺があり、納骨する予定の寺院があれば、菩提寺で法要を行うケースが多いです。寺院によって大きさは異なりますが、広い客殿があるうえに法要で必要な仏具一式も揃っているため、相談しやすいでしょう。
参加者が親族や近親者のみの場合、自宅で行うことも可能です。家庭的な雰囲気で法要を営めるうえに、会場を手配する手間と費用がかかりません。ただし、法要で用いる仏具はご自身で用意する必要がある点には留意しましょう。
大人数の出席が想定される場合は、セレモニーホールやホテルなど十分な広さがある場所を借りる必要が出てきます。会場設備や駐車場などが整っており、事前準備の負担が軽いメリットがある一方で、会場の費用が高額になりがちな点に留意しましょう。
参列予定者へ案内状を送る
早い段階で、四十九日法要の出席が見込まれる方々へ案内状を送りましょう。葬儀に参列した方の多くは四十九日法要の日程もイメージしていることが多いですが、先方の都合を考えて早めに案内状を送ると安心です。
参列予定者への案内状送付は、葬儀が終わったあとに参列者名簿や香典帳の整理を通じて行うとよいでしょう。名前や住所、香典金額についてまとめておき、参列予定者を一覧で整理しておくとスムーズです。
親族に対する法要の出席確認は、メールや電話で構いません。親族以外に関しては、案内状と共に切手を貼付した返信用ハガキを送るか、往復ハガキを送ることが一般的です。
祭壇の飾り方を決める
葬儀が終わると、亡くなられた方の祭壇に「後飾り祭壇」を施すため、飾り方を決めましょう。後飾り祭壇は、四十九日法要が終わるまで飾り、弔問客が訪れた際には祭壇にお参りしてもらうことになります。
後飾り祭壇には、白木位牌や骨壺、遺影などに加えて、亡くなられた方の好物などを備えて供養を行います。四十九日の間は、毎日お水やお花、お供え物をして線香を焚くのが通例です。
お斎(会食)を手配する
四十九日法要が終わると、全員で「お斎(おとき)」という会食の時間があります。お斎とは、法要の列席者・僧侶に食事を振る舞うもので、会食を通じて亡くなられた方を偲びます。
お斎を手配する際には、専門の弁当業者や仕出し弁当を作っている料亭などに依頼するのが一般的です。法要の参列者の人数が決まったら、会場の予約と合わせてお斎の手配も進めておきましょう。
会食の時間を取らずにお斎を行わない場合は、案内状で事前に知らせておくことが大切です。
僧侶を手配する
多くの場合では、葬儀や通夜のときに四十九日法要に関する話題も出ますが、改めて菩提寺に連絡して僧侶の都合を確認しましょう。
菩提寺がない場合は、葬儀社に依頼するなどして僧侶を紹介してもらい、四十九日法要の読経を依頼します。日程の確認だけでなく、送迎の必要の有無についても打ち合わせておきましょう。
納骨法要・開眼法要を手配する
納骨法要とは、亡くなられた方の遺骨を、お墓や納骨堂に納めるための儀礼です。一般的に、納骨法要は四十九日法要のあとに行われます。
開眼法要とは、仏壇やお墓を新たに購入して、亡くなられた方の魂を仏壇やお墓に取り込む儀礼です。四十九日では、亡くなられた方の魂を白木位牌から本位牌に移すために、開眼法要が行われます。
四十九日法要で必要なものを手配する
四十九日法要では、法要を執り行うためにさまざまな仏具を用意する必要があります。白木位牌や本位牌は必須で、特に位牌は亡くなられた方に対して手を合わせるものです。戒名や没年月日、俗名などが記される大切な仏具なので、早い段階で用意しましょう。
また、菩提寺の宗派によっては、位牌ではなく「過去帳(かこちょう)」や「法名軸(ほうみょうじく)」などを用意する必要があります。詳しくは、菩提寺に連絡して揃えるべきものを確認しましょう。
また、既にお墓があり、四十九日法要と同日に納骨法要を行う場合は、墓誌に戒名や没年月日、俗名などを追加彫刻する必要があります。
墓誌の彫刻は、作業を依頼してから一般的に3~4週間程度かかるため、葬儀が終わったら早めに業者に依頼しましょう。
四十九日法要の2週間前まで
次に、四十九日法要の2週間前までに準備すべきことをご紹介します。
- 引き出物を手配する
- 卒塔婆を手配する
引き出物を手配する
引き出物は、香典返しとは別に参列者に渡すものです。引き出物は、ネット通販や百貨店などで購入できます。
引き出物の内容は、お菓子やお茶などの食品となることが多く、中には亡くなられた方の好物を渡すこともあります。
卒塔婆とは、亡くなられた方を供養するためにお墓に立てる、細長い板です。場合によっては菩提寺の僧侶が卒塔婆を作成してくれることもありますが、喪主側が卒塔婆を用意するケースもあります。
卒塔婆を手配する
法要や納骨式の際に、お墓に遺族が卒塔婆を立てることになります。
四十九日法要の前日まで
最後に、四十九日法要の前日までに準備すべきことをご紹介します。
- お墓の掃除をする
- 法要会場の席次や焼香の順番を検討する
お墓の掃除をする
法要の前日までに、お墓の掃除を行い、綺麗な状態にしましょう。四十九日法要と同日に納骨法要を行う場合、お墓の掃除は欠かせません。
長らく手入れをしていないと、雑草や線香のカスなどが付着していることがあります。草むしりや墓石を拭けば十分ですが、もし墓石の劣化がひどい場合、補修を依頼することも検討してみてください。
法要会場の席次や焼香の順番を検討する
一般的に、席次や焼香の順番は亡くなられた方との関係性を基準に決定します。席次を決めるときは、上座から以下の順番で決めるとよいでしょう。
- 僧侶
- 親族
- 亡くなられた方と親しかった参列者
- 施主
- 施主の家族
席次で迷ったら、年長者を上座に案内するとよいでしょう。焼香の順番は、血縁関係が深い方から行います。血縁者以外の焼香の順番に関しては、席次と同じで問題ありません。
四十九日法要の最終確認を行う
最後に、四十九日法要の段取りをはじめ、最終確認を行いましょう。施主が挨拶する内容や席次・焼香の順番確認、献杯者など、相応しいか確認しておくと安心です。
準備不足だと法要がスムーズに進まなくなってしまい、満足に供養を行えない恐れがあります。四十九日法要は亡くなられた方をお送りする大切な儀礼なので、細かい点まで確認することをおすすめします。
また、四十九日の法要で、喪主側が用意するべき持ち物は下記のとおりです。
- 数珠
- 遺影
- 亡くなられた方のお骨(骨壺)
- 白木位牌
- 本位牌
- お布施
- お供え用の花
- 引き出物
- 埋葬許可証
四十九日法要当日の流れ
四十九日法要当日は、概ね下記のような流れで進んでいきます。
- 僧侶入場
- 法要開始の挨拶
- 読経
- 焼香
- 読経法話
- 中締めの挨拶
- 納骨式
- お墓参り
- お斎
- 引き出物を渡して閉式
四十九日法要は2~3時間程度で終了するケースが多いですが、お斎までを含めると5時間程度に及びます。全体的な時間配分を考えて、スムーズに執り行えるようにしましょう。
四十九日明け(忌明け)にやるべきこと
四十九日法要が終わったあとの期間を「四十九日明け(忌明け)」と呼びます。忌明けにも喪主側がやるべきことがあるため、確認しておきましょう。
香典返しを送る
参列者や弔問客に対して、香典返しを行います。四十九日法要では参列者の方々から香典をいただくため、忌明けを迎えたら「香典返し」を順次行いましょう。
香典返しの品物としてよくあるのが、食品や消耗品です。食品や消耗品などの消えものには「不祝儀を残さない」という意味合いがあるため、これらの中から香典返しを選びましょう。
なお、香典返しの品物は「いただいた香典の2分の1程度」の金額を目安に探すとよいでしょう。
香典返しのギフトを取り扱っている「おこころざし.com」では、無料特典として挨拶状の作成から、のしがけ、ラッピングなどまとめて注文することができます。
お礼状を書く
四十九日法要の参列者や弔電・供花を送ってくれた方に対して、忌明けのタイミングでお礼状を書きます。
お礼状には、参列してくれたことに対するお礼や、葬儀が無事に終わった旨の報告を文面に含めるとよいでしょう。
最後に、相手の体調を気遣いつつ、今後とも変わらないお付き合いをお願いする文章で締めると綺麗な流れのお礼状となります。
お礼状は、香典返しと一緒に送っても問題ありません。
遺品整理・形見分けを行う
亡くなられた方が使っていた遺品に関して、処分するものと遺族で保管するものに分けます。
大切な思い出がある遺品でも、後代の方が亡くなられたときに処分に困ってしまうため、感情面で折り合いをつけることが大切です。
なお、遺品が多すぎて遺品整理をするのが難しい場合、遺品整理サービスを利用することで遺族の負担を軽減できるでしょう。
処分せずに、遺族で大切に保管するものに関しては「形見分け」を行います。特に思い出の深い品やまだ使える物品に関しては、遺族や知人で分け合いましょう。
また、遺品については弊社マーケットエンタープライズが運営する「高く売れるドットコム」などの買取サービスもご検討ください。その他のおすすめ遺品買取サービスの紹介もしています。
四十九日法要で僧侶に渡すお布施
四十九日法要では、読経をお願いしたことの対価として、僧侶に「お布施」を渡します。以下で、 僧侶に渡すお布施の相場や渡し方に関するマナーなどを解説します。
お布施の費用相場
四十九日法要において、僧侶に渡すお布施の相場は「葬儀で渡したお布施の10%~20%程度」です。金額にすると3万円~5万円程度が相場で、納骨法要を同時に行う場合は「5万円~10万円程度」となります。
ただし、お布施はあくまでも「僧侶へのお礼」として渡す性質があるため、渡す金額に明確な決まりがあるわけではありません。地域のしきたりなども影響するため、不安なことがあれば近隣の方に聞いてみるとよいでしょう。
また、僧侶に車で来てもらう場合は、交通費(御車代)などを別途で用意する必要があります。僧侶に渡す交通費の目安は5,000円~1万円程度とされているため、お布施と一緒に渡しましょう。
僧侶に渡すお布施の相場 | 葬儀で渡したお布施の10%~20%程度 ・3万円~5万円程度 ・納骨法要を同時に行う場合:5万円~10万円程度 |
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僧侶に渡す交通費の目安 | 5,000円~1万円程度 (お布施と一緒に渡す) |
お布施の渡し方
お布施を渡す際には、「奉書紙(ほうしょがみ)」という和紙か、無地の白封筒に入れて渡すのが基本的なマナーです。お布施を半紙で包み、その上から奉書紙で包んで渡すのが、丁寧なお布施の渡し方です。
奉書紙を入手するのが難しい場合は、白封筒でも問題ありません。なお、お布施を渡す際には、水引が付いていない封筒を使いましょう。
お布施を奉書紙か封筒に入れたら、「袱紗(ふくさ)」に包み、僧侶に渡すのが一般的なマナーです。お布施を渡す際の封筒は、水引の付いていない不祝儀袋を使用しましょう。
実際にお布施を僧侶に渡すときには、袱紗からお布施を取り出し、表書きを僧侶へ向けて「切手盆」に置きます。地域の風習や習わしなどを含めて細かい点を確認したい場合は、事前に近隣の方々などに質問し、確認しておくとよいでしょう。
お布施袋の書き方
お布施袋の表書きには、中央上部に「御布施」または「お布施」と書き、下のスペースに喪主の氏名か「◯◯家」と書きます。裏書きには、封筒の左下のスペースに住所とお布施の金額を記入します。
なお、金額を書く際には「壱」「弐」「参」のような旧字体の漢数字を使用し、頭に「金」、最後に「也」を書くのが通例です。例えば、5万円のお布施を渡す場合であれば、「金伍万円也」と書きます。
お布施のほかに、「御車代」や「御膳料」のような意味合いで渡すお金に関しては、お布施袋とは別に不祝儀袋を用意しましょう。
お札の入れ方
お布施として渡す紙幣に関しては、できれば新札を用意しましょう。お札を封筒に入れる際には、開けたときにお札の肖像画が見える向きで入れるとよいでしょう。
お布施ではなく、葬儀における香典を渡す際には、新札ではなく古いお札を使用するのが一般的なマナーです。お布施とは異なるため、混同しないように気を付けましょう。
四十九日法要での服装
四十九日法要に参列する際の服装は、一般的に葬儀と同じです。「四十九日法要はどのような服装で行けばいいのかな?」という疑問をお持ちの方は、参考にしてみてください。
施主は「正喪服」で他の遺族は「正喪服」または「準喪服」
四十九日法要の施主は「正喪服」を着用し、施主以外の遺族は「正喪服」または「準喪服」を着用しましょう。正喪服は、喪服の中でも最も格式が高いものです。
具体的に、男性の正喪服は羽織袴かモーニングコートを着用し、女性の正喪服は黒無地の着物か黒のフォーマルスーツを着用します。
準喪服とは、正喪服に次いで格式の高い喪服です。具体的に、準喪服は男女ともに黒のスーツか黒のフォーマルが該当します。
近年は、喪主を含めて準喪服を着用するケースも多くありますが、一般的に喪主は参列者より格式の高い喪服を着用するのがマナーです。
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遺族以外の参列者は「略式喪服」
遺族以外の参列者が四十九日法要で着用するスーツは、「略式喪服」が一般的です。
具体的には、男性であれば黒やグレーなどのダーク色のスーツが該当し、女性もダークカラーのワンピースやスーツが該当します。
遺族より格式の高い喪服を着用しないように、参列者として四十九日法要に参加する場合は「略式喪服」を着ることを意識してみてください。
四十九日法要で述べる挨拶
四十九日法要では、さまざまな場面で挨拶をする必要があります。初めて喪主となる方は、「どのように挨拶すればいいんだろう?」という疑問を持ちますよね。
以下で、四十九日法要で述べる挨拶について解説します。
施主・遺族側の挨拶
施主・遺族側が行う挨拶をご紹介します。
- 法要初めの挨拶
- 中締めの挨拶
- 献杯の挨拶
法要初めの挨拶
法要初めの挨拶は、会場に僧侶を迎えて参列者が揃ったタイミングで行う挨拶です。参列者に対して、忙しい中参列いただいたことに対するお礼と、法要を始めるにあたって僧侶に儀礼をお願いしましょう。
なお、法要初めの挨拶の例文は下記のとおりです。
本日は、お忙しい中ご参列いただきありがとうございます。ただいまより、故〇〇の四十九日法要を始めさせていただきます。それでは、〇〇寺のご僧侶である〇〇様、よろしくお願いいたします。
中締めの挨拶
中締めの挨拶は、法要が終わったタイミングで行います。法要が終わり、その後に納骨式やお斎がある場合は、法要が終わったときに中締めの挨拶をしましょう。
法要に参列いただいたことに対するお礼と無事に法要が終わった旨、お斎を用意している旨を伝えるとよいでしょう。
中締めの挨拶の例文は下記のとおりです。
本日は、お忙しい中、故〇〇の四十九日法要にご参列いただき誠にありがとうございました。無事に法要の儀を執り行うことができましたこと、深くお礼申し上げます。ささやかではございますが、会食の席を用意しておりますので、ぜひゆっくりとおくつろぎください。本日は、ご多忙の中ご参列いただき、本当にありがとうございました。
献杯の挨拶
お斎を始めるタイミングで、喪主は献杯のあいさつを行います。参列者が会食の場に全員揃い、着席したことを確認したら挨拶をします。
献杯の挨拶の例文は、下記のとおりです。
本日は、故◯◯の法要にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。皆様のおかげで無事に忌明けを迎えることができ、◯◯も安心していることと思います。ささやかながら会食を用意しましたので、ゆっくりとお過ごしください。それでは、献杯のご唱和をお願いいたします。「献杯」
お開きの挨拶
お斎が始まり、1~2時間程度経過したら、お開きの挨拶を行います。会場を予約している時間を加味しつつ、参列者が食べ終わったタイミングなどを見計らってお開きの挨拶をします。
お斎の席を設けていない場合は、法要で僧侶が退場したあとにお開きの挨拶をしましょう。
なお、お開きの挨拶の例文は下記のとおりです。
お時間となりましたので、そろそろお開きにしたいと思います。◯◯が亡くなり、遺族としても寂しい気持ちではおりますが、今後とも変わらぬお付き合いをしていただけますと幸いです。本日は、ご多忙のところ本当にありがとうございました。
参列者側の挨拶
四十九日法要では、施主や遺族だけでなく参列者も相手の心情に配慮した挨拶を行う必要があります。主に、受付するタイミングとお開きになったタイミングで、施主と遺族に対して思いを伝えましょう。
以下で、受付するタイミングとお開きになったタイミングで、参列者側がする挨拶の例文をご紹介します。
例1:本日は、お招きいただきありがとうございます。お世話になった◯◯様のために、誠心誠意お祈りさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
例2:本日は、お招きいただいてありがとうございました。寂しくなりますが、皆様どうぞ御自愛しながら、お元気でお過ごしください。
四十九日法要で渡す引き出物・香典返し
四十九日法要では、参列者に対して引き出物を渡す必要があります。また、香典をいただいた方に対しては、後日香典返しを送らなければなりません。
以下で、引き出物と香典返しに関する一般的なマナーなどを解説します。
引き出物と香典返しの違い
引き出物と香典返しは、いずれも「参列者の方々に対するお礼」ですが、それぞれ渡す意義が異なります。
内容 | お礼の目的 |
---|---|
引き出物 | ・法要に参列していただいたこと ・お供え物をいただいたこと |
香典返し | 香典をいただいたこと |
例えば、四十九日法要には都合により参列できず、香典だけいただいた方に対しては香典返しだけお渡しすれば問題ありません。法要に参列いただき、お供え物と香典の両方をいただいた参列者の方に対しては、引き出物と香典返しを両方渡す必要があります。
香典返しに関しては、法要当日ではなく後日に渡すケースも多いです。参列いただいた方の住所など、都合を鑑みて渡し方を検討してみてくださいね。
引き出物・香典返しは消耗品が無難
引き出物・香典返しで選ぶ品物は、「悲しい出来事を連鎖させない」という意味合いから、「消えもの」とも呼ばれる消耗品が無難です。具体的に、引き出物・香典返しで選ばれやすい消耗品は下記のとおりです。
- お菓子
- 日持ちする果物
- 洗剤
- 石鹸
- 商品券
- カタログギフト
引き出物は、持ち帰りやすいように軽い商品を選ぶとよいでしょう。また、お菓子などの食品を渡す場合は、常温保存ができるものや日持ちするものを選ぶと親切です。
食品以外では、どの家庭でも使うであろう洗剤などが汎用性が高く人気です。洗剤や石鹸には「穢れを洗う」という意味合いもあることから、引き出物や香典返しとして人気があります。
引き出物・香典返しの相場は「頂いた額の2分の1」
引き出物・香典返しの商品は、一般的に「頂いた額の2分の1」程度を目安にしましょう。例えば、香典として1万円をいただいた場合は、香典返しとして5,000円程度の商品をお送りするイメージです。
なお、法要後にお斎の時間を設ける場合は、お斎にかかる費用も含めてお返しの商品を選びます。1万円の香典をいただき、お斎の1人あたりの費用が2,000円だった場合、3,000円程度の香典返しをする塩梅です。
引き出物・香典返しの包み方
引き出物と香典返しは、黒白または双銀の結び切りの水引が描かれた掛け紙(のし)に包んだ状態で渡すのが一般的です。表書きには「志」または「粗供養(あらくよう)」と書き、表書きの下部には施主の氏名か「〇〇家」と書くのが通例です。
なお、引き出物や香典返しを渡す際には、お礼状や挨拶状を用意する必要はありません。渡す際に「本日はありがとうございました」や「ご厚意を賜り、ありがとうございました」など伝えましょう。
家族のみで四十九日法要を行うことも可能
近年は、家族のみで四十九日法要を行うケースも増えています。大人数での法要を予定せず、家族や身内だけで法要を行いたい場合、少人数で四十九日法要を執り行っても問題ありません。
ただし、亡くなられた方と生前懇意にしていた方から「四十九日法要に参列したかった」と言われ、トラブルになってしまうケースもあります。
そのため、家族や親族のみで法要を行う場合は、事前に家族のみで行う旨を伝えておくとよいでしょう。
法要の流れは一般的な法要と同じですが、参列者に向けて行う挨拶やお斎を簡素化するなど、大人数での法要より柔軟に進め方を決定できます。
また、家族のみで法要を行う場合でも、準喪服以上の服装で参列するのがマナーです。家族だけで法要を執り行う際にも、「亡くなられた方をきちんと送る」大切な儀式であることを踏まえて、亡くなられた方に失礼がないように意識しましょう。
四十九日法要に呼ばれたら
ご自身が四十九日法要に「招かれた側」になったとき、どのように対応するべきか解説します。
喪主側には準備を進める都合があるため、四十九日法要の案内が届いたら、できるだけ早く出欠の返事を出しましょう。
香典を用意する
包む香典の金額は、地域の風習や亡くなられた方との関係性によって異なりますが、一般的に親族は「1万円~5万円程度」、友人・知人は「5,000円~1万円程度」が相場です。
法要後にお斎が振る舞われることがわかっている場合、1万円程度の香典を渡しましょう。
関係 | 香典の金額 |
---|---|
親族 | 1万円~5万円程度 |
友人・知人 | 5,000円~1万円程度 |
不吉な数字である「4(死)」や「9(苦しみ)」、「6(無や亡)」は避けるのが一般的なマナーです。また、偶数は割り切れることから「縁が切れる」イメージがあるため、避けたほうが無難と言えるでしょう。
香典袋の水引は結び切りを選びましょう。市販されている香典袋は、一般的に水引の結び切りとなっています。お通夜や葬儀では新札を避けたほうがよいですが、四十九日法要で渡す香典は新札でも問題ありません。
香典袋には「御仏前」または「御佛前」と書く
香典袋の表書きは「御仏前(ごぶつぜん)」か「御佛前(ごぶつぜん)」と書きましょう。「御供物料」と書くこともありますが、いずれも一般的な香典袋の表書きです。
四十九日法要までは「御霊前」と書き、四十九日を過ぎたら「御仏前」または「御佛前」 と書くのが一般的なルールです。
仏教の世界では、亡くなられた方は「四十九日目に仏になる」と考えられているため、上記のような使い分けをします。
なお、浄土真宗では「亡くなられたあと、すぐに仏になる」という思想なので、四十九日が経過する前から「御仏前」「御佛前」という言葉を使います。
香典は袱紗(ふくさ)に包んで渡す
香典を渡すときは、香典袋をさらに袱紗という織物で包みましょう。遺族の目の前で袱紗から香典を取り出し、遺族から読める向きで香典を渡すのが最も丁寧な渡し方です。
なお、慶事では袱紗の左側を最初に包みますが、弔事では袱紗の左側が一番上になるように包みます。
香典袋を直接バッグに入れるのは、マナー的によくありません。袱紗の色に関しては、紫や紺などの落ち着いた色を選ぶのが無難です。香典を渡す際には、「この度はご愁傷様です」など、遺族に寄り添う挨拶を一言添えるとよいでしょう。
遺族が香典を辞退したら渡さない
遺族が香典を辞退している場合は、渡さないのが一般的です。懇意にしていたとしても、まずは遺族の心情を慮ることを優先しましょう。
辞退しているにも関わらず香典を渡すと、遺族に香典返しなどの負担を与える恐れがあります。できる限り遺族の意向を尊重し、香典は辞退する旨を伝えられている場合、持参しないほうがよいでしょう。
もし亡くなられた方や遺族に対して気持ちを伝えたい場合は、香典ではなく供花や果物をお渡しすることを検討しましょう。
参列できないときは弔電や供花を送る
もし四十九日法要に招かれたものの、都合がつかず参列できないときは、弔電や供花を送りましょう。
弔電や供花を、四十九日法要の前日までに届くように手配すれば失礼にあたりません。亡くなられた方を偲ぶ文面の弔電と、供花を送ることで遺族の方に寄り添っている意思をお伝えできます。
また、香典を現金で送りたいなら、現金書留で送っても構いません。葬儀に参列する知人がいれば、その方に渡してもらう手段もあります。
なお、香典をご自身に代わって誰かに渡してもらう場合、表書きの署名の左下に代理を示す「(代)」と記載します。
四十九日法要に関するよくある質問
最後に、四十九日法要に関するよくある質問をご紹介します。四十九日法要を執り行うにあたって、多くの方が疑問に感じる点をまとめました。
四十九日法要の場所に決まりはありますか?
四十九日法要の場所に決まりはありません。菩提寺や自宅、セレモニーホールなどで行われているため、参列者の人数に応じて最適な場所を確保しましょう。
それぞれの場所で法要を行うメリットは、下記のとおりです。
菩提寺
菩提寺には客殿など十分なスペースがあり、仏具が揃っているので施主側の負担が少ないというメリットがあります。四十九日法要が終わったら、そのまま納骨式まで行えるため、遺族や参列者の移動の手間が発生しません。
自宅
自宅で行うメリットは、住み慣れた場所で法要を執り行える点です。家族や親族のみでの法要となることが多く、準備などの負担が軽く済みやすいです。
セレモニーホール
セレモニーホールで行う場合、参列者の人数や予算に応じて会場を選べます。葬祭を執り行うことが多いため各種設備が整っており、施主の準備負担を軽減できます。また、駐車場が広いところが多いため、車で参列する方が多くても安心です。
僧侶を呼ばずに四十九日法要を行えますか?
僧侶を呼ばずに、四十九日法要を執り行うことはできます。
ただし、菩提寺がある場合、一般的に僧侶を呼んで法要を執り行います。僧侶を呼ばずに法要を執り行う場合は宗教的儀式をせず、納骨ができない恐れがある点には留意しましょう。
菩提寺とトラブルにならないためにも、僧侶を呼ばずに四十九日法要を執り行う場合、きちんと菩提寺に事前連絡をすることが重要です。
また、親族の中に「法要は僧侶を呼んでやるべき」と考えている方がいると意見の衝突が起きてしまうため、親族間でも話し合っておきましょう。
四十九日法要でお布施を渡すタイミングはいつですか?
四十九日法要において、僧侶にお布施を渡すタイミングは一般的に「葬儀が始まる前」です。法要を始める前に遺族と僧侶が顔を合わせる時間があるため、そのタイミングで渡すのがスムーズです。
法要を始める前に渡すタイミングがなかったら、法要後に渡しても問題ありません。
家族だけで四十九日法要を行うとき、香典やお供え物は必要ですか?
家族だけで四十九日法要を行う場合、香典やお供え物は「参列者の自由」です。ただし、法要を家族だけで行う場合は、お供え物や供花だけ用意するケースが多いです。
また、普段顔を合わせる機会が少ない親族同士が会う場合、香典を渡すこともあります。地域の風習などの影響もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
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