家族葬で通夜は必要?通夜の流れや香典・服装などのマナーを解説

「家族葬でも通夜は行うべき?通夜の流れやマナーを知りたい」「家族葬の通夜に参列していいか判断する方法はある?香典は服装はどうする?」家族葬と通夜の関係について、このようにお悩みの方はいませんか?

家族葬は故人の家族や親族を中心に行われる小規模な葬儀であり、一般葬と同様に通夜が行われることがほとんどです。

この記事では、家族葬での通夜の流れやマナーについて、具体例を挙げつつ詳しく解説します。また、家族葬の通夜に参列する際に気を付けたい、香典や服装に関するマナーも解説します。

1分でわかる!記事の内容
  • 家族葬でも通夜を行うのが一般的だが、通夜を除いた一日葬も増えている
  • 家族葬で通夜を行う際は、参列の可否や香典の扱いを明確に伝える
  • 家族葬の通夜に参列する際は、遺族の意向を何よりも大切にする

家族葬でも通夜は必要?

家族葬を行うにあたり、「そもそも家族葬でも通夜は必要なの?」とお悩みの方も多いでしょう。以下からは、家族葬でも通夜が必要なのかどうかや、通夜を行わない一日葬が増えている理由について解説します。

通夜とは故人との最後を過ごす儀式

通夜とは命日の晩に故人を囲み、線香やろうそくを絶やさない「寝ずの番」をする仏教由来の儀式です。まだ故人が生きているものとして扱い、思い出を語らいながら最後の時間を過ごします。

また、現代ほど医療技術が発達していなかった時代では、故人の息が戻らないことを確認するための行為でもありました。

現在の通夜では、故人と親しかった方の弔問を受け付けたあと、僧侶による読経を行ったのち、故人とともに最後の食事を行う「通夜振舞い」をして解散することが一般的です。

なお、通夜の意義やあり方は地域によって様々であり、もともと通夜を行わない地域もあります。

基本的には家族葬でも通夜を行う

現在のところ、家族葬でも通夜を行うことが一般的です。

通夜は多くの地域で伝統的な儀式・儀礼として行われてきたため、家族葬という新しいスタイルの葬儀が登場したあとも、なお大切な行事として行われています。

家族葬での通夜も、基本的には一般葬と同じ内容・流れで行われます。しかし、参列する範囲が家族や親族、特に故人と親しかった方に限定され、幅広く弔問を受け付けることはありません。

参列者の数が少ないことから、焼香の時間が短く、全体として一般葬よりも短い時間で終わることが多いです。

家族葬で通夜をしない一日葬も増えている

近年では、通夜を経ずに、1日のうちに葬儀と火葬を行う一日葬(ワンデーセレモニー)を行うケースも増えてきました。

一日葬が増えている理由としては、通夜を省略することで、遺族の心理的負担や経済的負担を減らせる点が挙げられます。

また通夜は、葬儀に参列できない方に対し、夜間に儀式を行うことで弔問の機会を設けるという意味もありました。しかし、参列者が家族や親族に限定されている家族葬では、そのような機会を設ける必要性が小さい点も理由として挙げられます。

ただし、通夜は宗教的儀式としての側面も有しているため、一日葬ができるかどうかは宗教・宗派によって異なります。一日葬を検討している場合には、まずは菩提寺に確認してみましょう。

一日葬に対応していない葬儀会場もあるため、会場への相談も忘れずに行ってください。

家族葬での通夜の流れ

ここからは、家族葬における通夜(仏教式)の流れを解説します。家族葬での通夜の流れは一般葬と特に変わりありませんが、大まかな流れを把握しておき、当日をスムーズに迎えられるようにしましょう。

  1. 受付
  2. 焼香・読経・法話
  3. 通夜振舞い

受付

通夜の開始時刻は、大体18時前後です。喪主と遺族は遅くとも開始時刻の40分~1時間前には会場に到着しておき、葬儀会場との打ち合わせや、会場のチェックなどを行います。

このとき参列者氏名の確認と、席次を確定しましょう。祭壇に近いほうから故人の配偶者、血縁の濃い順へと席次を決めていき、この席次が焼香時の順番にもなります。

家族葬の通夜で参列人数が少ないときや、全員一緒に移動するようなときには、受付を設けないこともあります。

受付を設ける場合で、香典を辞退するときは、受付の方にその旨を伝えておきましょう。

香典を受け取るときは、後日香典返しを送るために、芳名帳(ほうめいちょう)を受付台に備えておきます。芳名帳は葬儀会場が準備することが多いものの、事前に確認しておくと安心です。

通夜開始の10分ほど前には読経を行う僧侶が到着するため、喪主が挨拶や打ち合わせを行います。

焼香・読経・法話

通夜の開式や司会進行は、葬儀会場のスタッフが行うことがほとんどです。

僧侶による読経が始まると、司会の指示に従い、席次に沿って焼香を行います。通夜の開始前に焼香の作法に関する説明が行われることが多いものの、最初に焼香をする等で不安のある方は、開式前に葬儀会場のスタッフに確認しておきましょう。

家族葬では比較的参列者の数が少ないため、急いで焼香をする必要はありません。ゆっくりと故人に向き合い、心の中でお別れの挨拶をします。

読経が終わると、僧侶による法話がなされます。その後僧侶が先に退室し、喪主が参列者に対して挨拶を述べると、通夜は閉会です。

通夜振舞い

通夜が終わったあと、通夜振舞いがある地域では、葬儀会場のスタッフが参列者を食事会場に案内します。通夜振舞いがない地域・または行わない場合には、喪主を筆頭に参列者のお見送りを行い、通夜は散会です。

通夜振舞いは、お寿司やオードブルなど出来合いのものを注文することが多く、食事を楽しむというより、参列者で故人の思い出を語り合うことに主眼が置かれます。

地域によっても異なりますが、通夜振舞いはおおよそ1時間程度で終了し、散会となります。

喪主や家族がそのまま会場に宿泊できるかは葬儀会場によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

家族葬で通夜を行う際のマナー

家族葬でも通夜は一般葬と同じように執り行うのが一般的ですが、家族葬だからこそ注意すべき点もあります。以下からは、家族葬で通夜を行う際のマナーや注意点について詳しく解説します。

参列の可否を明確に伝える

家族葬で通夜・葬儀の参列者を限定する場合には、訃報や葬儀のお知らせの段階で、読み手が参列の可否を明確に判断できるように伝えましょう。

家族葬の知らせを聞いた側は、自分も家族葬に参列してもいいのか、お知らせの情報から判断しなければなりません。そのため参列の可否が曖昧な案内を送ると、余計な心配を与えたり、問い合わせの手間をかけさせたりする可能性があります。

参列を依頼する場合には通夜や葬儀の開催日時・場所を明記し、参列をお断りするときには「ご参列はご遠慮ください」とするなど明確な意思表示が必要です。

また、親しい親族や友人等に口頭・電話で連絡する場合でも、あとから情報を見直せるよう、メール等を利用して文章でも同じ内容を送っておくと安心です。

香典や供花を辞退するか伝える

通夜や葬儀の案内をする際には、香典・供花・供物・弔電などの扱いについても明確に触れておきましょう。

近年の家族葬では、送り手側に負担をかけさせないため、また遺族側がお返しの負担を負わないために、これらの贈り物を辞退するケースも多く見受けられます。しかし、香典等は弔意を示す伝統的なマナーであるため、明確に辞退の意思表示をしなければ用意する方がほとんどでしょう。

そのため香典等を辞退するときは、葬儀の案内に「大変申し訳ございませんが 故人の意向により 香典・供花・供物・弔電などは 謹んで辞退申し上げます」などの文章を記しておくことが大切です。

何度もお断りはしない

香典辞退の意向を伝えた場合であっても、親切心から当日に香典等を持参する方もいます。その場合、口頭でも辞退の意向を伝え、それでもお渡ししようとしてくるときは、ありがたくお気持ちを頂戴しましょう。

無理に断れば、一度出したものを戻させる心理的な負担をかけてしまいますし、せっかくのご厚意を無下にすることになります。

通夜に受付を設ける場合には、受付の担当者に「念のため一度口頭でもお断りして、それでもお渡ししてくる方からはありがたく頂戴し、お名前とご住所を伺ってください」と伝えておき、対応を統一しておきましょう。

家族葬の通夜に参列する場合のマナー

ここからは、家族葬の通夜に参列する際のマナーや気遣いについて解説します。家族葬での通夜では、一般葬におけるマナーに加え、家族葬ならではの心遣いも必要となります。

香典・供花・供物・弔電

家族葬で、遺族が香典や供花等を辞退している場合には、その意向に従い、贈り物をするのは控えましょう。

多くの家族葬でこれらの贈り物は辞退されており、意向に反して贈り物をすると、たとえ親切心からであっても遺族に負担をかけてしまいます。

どうしても参列以外の方法で弔意を示したい場合には、後日、「お返しについては辞退させていただきたくお願い申し上げます」とのメッセージを添えて、遺族に負担を感じさせない程度の供物を送りましょう

通夜振舞い

喪主や遺族から通夜振舞いへの参加を促された場合には、できる限り出席しましょう。通夜振舞いは故人を偲んで供養する大切な場であり、その誘いを断ることは失礼な印象を与えてしまうからです。

通夜振舞いは通常1時間程度で解散となりますが、急用がある場合には一口だけでも箸をつけて、喪主に一言挨拶して退出します。どうしても参加できない事情があるときは、丁寧にお詫びの言葉を述べて、目立たないように退出します。

また、通夜振舞いに参加する場合でも、深酒や、大声で盛り上がる・笑う、ビジネスの話をする、長居するようなことは避け、謹んで故人を偲ぶようにしましょう。

服装

通夜に参列する際の服装は、男性であればブラックやグレーなど落ち着いた色のスーツにネクタイ、白いワイシャツに黒い革靴が基本です。女性も同様に、ブラックやグレーのワンピースやアンサンブルを着用し、過度な露出は控えます。

近年では通夜であっても喪服・礼服を着用することも増えており、服装に関しては地域差も大きいため、不安なときは事前に葬儀会場に相談しましょう。

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